実にひさびさ 

2005年04月24日(日) 1時05分
荒井さんの作品の美術詩を、ひさびさにアップしました。
詩は昨年に書いたもの。
作家さんの都合で画像データに時間をかけたため、本日のアップとなりました。
画像ではわかりにくいのですが、近くで見ると本当に細部にまで凝ってありますよ。
このカフェ・ユイットはあたりまえですが、いわゆるホワイト・キューブとはほど遠い上、構造に特徴があったので、かなり計算された展示となっていました。
彼の作品群があまりにも空間になじんでいるため、四次元から時空を超えて「生えている」ように見えて、だけども使っている素材(スーパーボールとか)のせいか、不思議な懐かしさもあったので、時間軸を巻き戻した詩を書いてみた、というわけです。

別件で、増山さんの下訳も無事に終わり、4/11、ベルリンにてオープニングが無事行われました。
わたしの下訳をネイティブがチェックし、英訳されたアンケートはプロジェクターで投影されたとの事。
ギャラリストによる現場の映像データを送ってもらう約束をしているので、今から楽しみです。
最近は短歌と、ネットコミュニティに時間を割いているので、こちらはあまり更新できません。

また、ぼちぼちよろしくです。

★美術詩11荒井伸佳★ 

2005年04月24日(日) 0時45分
展示場所:カフェ ユイット(写真は別展示のもの)
形態:インスタレーション
感想:与えられた空間に対し作品を据え置くのではなく、吊り下げたり突き出したりしてしている。この手法により空間との一体感が強まり、作品は無条件に存在意義を得る。
また、質感の違う材質を色で統一して組み合わせているため、遠目で見た印象と近くで見た印象がまるで異なるのも面白い。硝子の削り方ひとつにもこだわりを持ち、コンセプトを主張せず、作品の持つ圧倒的な存在感で鑑賞者を自分の世界に巻き込むのが上手い作家さん。



〜影法師〜

ある日唐突に
やつらは僕の目の前ににゅっと現れた
そのとき僕は
長年暮らしている彼女と一緒だったのだが

やつらは否応なく僕の時間を
きゅるきゅるきゅると巻き戻して
好きな女の子の前では口が金縛りにあってしまう
少年の頃に戻してしまった

その頃の僕はスーパーボールが大好きで
宿題とピーマンと口うるさい母親が嫌いだった

何やかやー小さな事で言い合いになって
ある日何度目かの家出を決行

瞳は涙の海に沈んで
街燈の明りはじんわりと滲みゆき
きらきらした光の粒を辺りに撒き散らしていた

あの時全身で振り払うように捨ててきた宝物たちを
僕は今、取り戻せているだろうか

傍らの彼女の手をそっと握り締める
彼女がぎゅっと握り返す

僕らの目の前に突如現れた
不思議な黒いやつらは
過去の形の影法師だったのかもしれない

10年プロジェクト 

2005年03月26日(土) 18時49分
最近、友人の増山士郎さんという、有名現代美術家さんのアートプロジェクトのお手伝いをさせてもらっている。

「10年プロジェクト」というアートプロジェクトの参加者アンケートの英訳。

英語は我流で留学経験も無いから迷ったけど、下訳で後はネイティブにチェックしてもらうということなのでやってみることにした。

プロジェクトの参加者は、アンケートの質問に答え、夢などを語る。

10年後、同じ質問に答えてもらう。そして、全員に1冊ずつ、10年前と10年後のアンケートを記載した本が届けられる。

アンケートの対比と時間の流れはもちろん面白いんだけど、一番素敵なのはアーティストが「10年後に本を贈りますよ。」という約束をすること。

それを参加者が信じて待つともなく待つ時間。

IT化の現代、このコンセプトはまるで民話のなかの異類の者との約束のよう。

参加したい気持ちはあるけど、10年後の自分はともかく、10年前の自分を見たくないのよね。

★これからの目標★ 

2005年03月16日(水) 23時21分

1 下手でもいいからマルセル・デュシャンの論文を書ききること。

2 歌会の詠草を欠詠しない。

3 1日1首。

4 なんでも中途半端な性格をがんばって改善する。

あまりに中途半端だと、自分が薄っぺらい気がする。

自分を追い詰めすぎるのも好きじゃないけど、放置するのは最悪かもしれない。

歌人になるとかじゃなくて、

ライターになる、とかでもなくて。

ただ、書くことから離れちゃいけない。

つらくても。

★シャガール展★ 

2005年02月09日(水) 12時05分
八王子市夢美術館 開館1周年記念「シャガール展」に行ってきました。

1/16が最終日で、当日ぎりぎりに見に行くことになったのですが、今回はフランスの詩人ラ・フォンティーヌの詩やシャガール自身が書いた詩と一緒に展示されていました。

詩と絵を一緒に展示する展覧会に行くのは数回目ですが、シャガールに関しては詩は必要ないなーと思いました。

基本的にシュールリアリズムはその存在自体が「詩」だと私は思っているので、表現が重複していてくどく感じたのです。

お遊びとはいえ、自分も同じようなことを試みていて、ましてや偉大な詩人、フォンティーヌを前におこがましいにもほどがあるのですが、コラボするなら「絵」と「詩」のどちらをメインにするか、を調整する必要があります。

(ちなみにわたしは「詩」をメインにさせてもらっています。オーディエンスからアーティストへの感想文みたいなスタンスで。)

「言葉」と「絵」では当然、言葉の方が情報伝達手段としてはダイレクトなので、シャガールの絵の世界をせばめるような詩を並列でおくべきではなく、そうすると彼の絵が「詩」という説明に対する「挿絵」になってしまう、そこが今回の展覧会でバランスがうまくとれていない部分だと思いました。

シャガール自身も詩を書いてはいるのですが、絵とは直接関係ない、二次表現としての詩になっています。

それがシャガールの画家としての意思とプライドだと思いますね。

話は変わって、さまざまな表現手段をもつアーティストたちが専門外として、詩を書く人が多いのがなんだか面白いです。

デュシャンも「伝達手段としての言葉は軽蔑するが、詩は尊敬に値する」というようなことを言っていたようです。

ちなみに歌人には演劇好きが多いです。評論を書いている人もいるし。調べたらなにか特性があるのかも。





★美術詩10佐野陽一★ 

2005年02月07日(月) 12時20分
ひさびさに詩を書きました。

前回の大谷さん分からだいぶ経ちましたね。

最近ずっとインフルエンザで寝込んでいたのですが、熱がひいたら美術に対する熱い想いもちょっとクールダウンして、今すごくフラットな感じです。

AITのコースも結局行かなそう・・・。そのお金でダイビングとか行っちゃうかも。

さて、佐野さんの作品は、ピンホールで撮影された写真表現ですが、一見すっきりとした美しさを前面に出しているようでいて、実はアングルや構成がとても計算されています。

今回のグループ展ではテーマが「食」という事で、普段の佐野さんの作品からは少し遠いものだったため、逆に普段は隠されていた「計算されたアングル」の方が前面に出る形になった、と思います。

展示場所:恵比寿 ギャラリー工房親
展覧会名:Joyeux Noel 好飲好食 美術礼賛(飲食をテーマとしたグループ展)
作品タイトル:Sight/eat/site 


〜結界〜

多摩川の土手のほとりに

半日分の命をランチボックスに詰め込んで

不可侵領域の結界がいくつも点在している

空から見たら

小雨降る日の川面の波紋

ボール遊びをしていたひとりの少女は

ふいにあかあかとしたトマトが欲しくなった

干草を踏みしめて

結界の中へと

帰っていく


★詩人あるいは歌人であるということ★ 

2005年01月10日(月) 15時46分
『子供の頃の私にとって、贅沢といえば、毛皮のコート、ロングドレス、それに海辺の別荘だった。その後、贅沢といえるのは、知識人の生活を営むことだと信じた。
今の私には、贅沢とはまた、ひとりの男、またはひとりの女への激しい恋(パッション)を生きることが出来る、ということでもあるように思える』
(アニー・エルノー「シンプルな情熱」より)

わたしは詩のためのアイデア帳をつけていて、いいと思った詩や小説の一節やインタビューの語録まで、あらゆる言葉を切り貼りしている。

アニー・エルノーのこの一節は、時間と経験によって一つの言葉の定義が変わっていく、というところで共感した。
(内容はあんまり共感できない。ただこの1節のもつテンポがすき。展開しているから。)

わたしが短歌を書くのは、31文字の詩型のなかでは、感情を自由に解放できるから。

自分の中の感情や思考を、生きのいいまま時間をとめて、一生をかけて自分の「こころの標本」をつくりたいから。

わたしは言葉とともに成長し、言葉はわたしとともにその定義を変え、あるいは意義を追加されながら、わたしの気持ちを31文字の中に瞬間冷凍保存する。

作品を読み解けば、いつでもわたしはそのころの気持ちに立ち戻ることができる。

地図に載らないような小さな土地であっても、「ここがわたしのいた場所です。」と立て札を掲げていたい。

これから出会う人への道しるべにするために。
なによりわたしが、道に迷わないために。

★詩を書くということ★ 

2005年01月10日(月) 14時39分
「日常で語れる言葉は日常で吐き出せ。そこからあふれた言葉だけが、詩となりうるのだ。」
(佐佐木 幸綱 評論集「極北の声」より)


わたしがやっている短歌は、ご存知のとおり31文字しかないので、通俗的な表現や形容詞を使う余裕がありません。

幸綱先生はいつも、「ひとつひとつの言葉を感覚で使うな。辞書をひきなさい。使うならカタカナ、ひらがな、外国語、とあらゆる表記を調べて確認したうえで一番と思える形を使いなさい。」といっています。

言葉を軽々しく扱わない、という姿勢は叩き込まれた感がありますね。一方で、万能ではない不完全なツールである、という認識も必要です。

尊敬する谷川 俊太郎さんの詩には「もし言葉が」という作品があって、その1節をよく思い出します。

「黙っていたほうがいいのだ/もし言葉が/一つの小石の沈黙を/忘れている位なら」

幸綱先生と谷川俊太郎さんは角度こそ違いますけど、同じことを言っている気がします。

沈黙の雄弁さを知っているもの、言葉の不完全さを知っているものだけが、文学者になることができる。
ということでしょう。

言葉は決して魔王の呪文ではないのです。

今年は美術批評、短歌の両方を追求するつもり。

昔から物事を外側から語るのがすきなのです。デュラスとかカポーティみたいにね。

今の短歌スタイルもどっちかっていうと写実だし。

2月からAIT(Arts Initiative Tokyo)のMagazineコースプログラムに参加します。

★新年歌会★ 

2005年01月10日(月) 13時43分
1/8は、所属する結社の歌会&新年会。

うちは「事前選歌方式」というやり方をとっていて、歌会の前に無記名で作品の一覧が届き、
当日投票し、得票の高いものから批評していく。

1票もはいらなければ批評されないサバイバルな面もあって、新年会ともなればみんながしのぎを削るわけ。

今回の題目は「虹」。

票がはいっているといいなーと思っていたが、とうとう最後まで批評されなかった。

ほんと、まだまだだなー

ちなみに提出した歌は

独り居のはじめての朝 実家より時間指定で虹が届きぬ

著作権:MAMI

自分で解説することは好ましくないけど(「自歌自注」と呼ばれる。長いと素人と思われる)

「朝、虹を見ると反対側では雨が降っている。」と言われることを踏まえて、親子の情愛をあらわしたかったんだけど、外側から書きすぎてわかりづらかったみたい。

先輩の一人に「虹はニジマスの比喩でしょ?」と言われたので。(泣)

新年会では「わたしの愛唱歌」を1首ずつあげる試みが行われた。

わたしは、同じ結社の先輩、大口 玲子さんの作品を挙げた。

湯たんぽを毎晩つくりくるる夫(つま) 鳥類の家族のようにしずかに

著作権:大口 玲子

ね、素敵でしょう?この歌は解説不要ですね。

★マイノリティ宣言!★ 

2005年01月07日(金) 11時48分
新年明けて結構たちましたが、昨年と比べて変わった事は、何といっても「自分は自分でいいんだ」と思った事ですね。

そうダークなものでもないのですが、小学校の頃から国語と美術の時間にはやけに燃えてしまう自分が「変わっている」、とずっと思っていて。
(特に「このときの○○ちゃんの気持ちを句読点込みで10字であらわしなさい。」という問題は大好きだった。)

京都出身なのですが、「人より目立つ」事がかっこ悪い、という風土と文化で育っているので、「変わっている」という事を「個性」とはなかなか開き直れなかったのです。
(さりげなく目立つと「粋」と言われる。とにかく、がつがつした事を嫌がる風土。)

でも自分の気持ちに素直に行動すると、どうしてもマイノリティになってしまう。
みんなに紛れていたければ、自分の気持ちを抑えるしかない、というジレンマをずっと抱えていました。

最近、アーティストの人たちとお話する機会が増えて初めて、「私はこっちの世界の人だったんだな〜」と思いました。

自分の属するべき群れを見つけた安心感が得られましたね。

だって今まで短歌をやっている事を絶対人に言わないように決めてた時期もあったんですよ。

今は、全ての人にわかってもらえなくても、わかってくれる人とだけ一緒にいて楽しい時間を共有できればいいな、と思えるようになりました。

アーティストとか一般の人、とか関係なくね。

こないだ友達のアーティストに「マイノリティでもいいやって思うのって恐い事かな?」ってなにげなく話したら、「もう自分で答えは出しているでしょう。」と笑われましたが。



2005年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
アイコン画像中山ゆうた
» 実にひさびさ (2005年11月03日)
アイコン画像まみ
» ★これからの目標★ (2005年03月18日)
アイコン画像中山ユウタ
» ★これからの目標★ (2005年03月18日)
アイコン画像まみ
» ★マイノリティ宣言!★ (2005年03月12日)
アイコン画像よんじゃ
» ★シャガール展★ (2005年03月12日)
アイコン画像よんじゃ
» ★マイノリティ宣言!★ (2005年03月12日)
アイコン画像まみ
» ★美術詩10佐野陽一★ (2005年02月10日)
アイコン画像佐野陽一
» ★美術詩10佐野陽一★ (2005年02月07日)
アイコン画像まみ
» ★「スミスの法則」返事をもらいました★ (2004年12月26日)
アイコン画像下ゴー
» ★「スミスの法則」返事をもらいました★ (2004年12月26日)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ryobonogigiri
読者になる
Yapme!一覧
読者になる