*アリス・イン・ザ・ワンダフル・デイ*

July 17 [Sat], 2010, 2:47
「コン、コン、コン。」 
 何かが窓に当たる音がする。
 何だろう?うー、しまった。本読む集中が途切れちゃった。
 きっと、風だろう。今日は風強い日だし。

「コン、コ、コ、コン。」
 今度は一定のリズムを刻んでいる。これは、人ね。いいえ妖怪?妖精?べつになんでもいいわ。
それにしても、だれ?こんな風強い日に私の家に来るの。普段でさえ、誰も来ないって言うのに。

「コン、ココンココンコン。ココンココン。」

 だんだん誰だかわかってきぞ。こんなやんちゃなことするのは。これはきっと私の愛し、いえ、憎らしい――

「おーい、アリス。開けてくれよー!」

 魔理沙だ。魔理沙が来てくれたんだ♥
 私の胸は高鳴った。
 窓のところへ振り返ると、そこには黒い帽子がひょこっと見えている。

「もーっ、ちゃんと玄関から入りなさいよーっ!!」
 そう言って、私は玄関のドアを開けた。

 あれ?いない。
 そう思って、私は家の窓の方を見た。やっぱりいない。
 あれ、どこに行っちゃったの?
 私が彼女を心配しはじめた、その時――

「アーーリーースッ!」

 私の肩に誰かが手を置いた。
 この声、間違いない。彼女の、彼女の声!
 私は歓喜のあまり、体ごと、後ろに振りむい――
 
 ぐにゅぅぅぅぅっ

「って、痛ぁぁぁぁっぁーーーーっ!!!!!!」

 私は素早くその状況を察知した。
 私のほっぺたに彼女の指が押し込まれ、口の中までその形状がわかるほどであった。
 それは、彼女の悪戯だった。

「なんってことするのよーーーっ!!!!!!」

 ほんっとあったま来た。私は彼女をポカポカなぐった。彼女はくすぐったそうにしてたけど。
 もう、彼女のためにいつも用意してある、紅茶やお菓子のことなんてすっかり忘れてた。

「はは、悪い悪い。ちょっと悪戯しようと思ったんだけど、アリスが凄い速さで振り向くから――」

「もぉーっ!」

「はははははは!今のお前すごく可愛いぜ!」
 私は頬をプクーッと膨らまし、彼女を睨みつけていた。
 魔理沙はさも可笑しげに大声出して笑った。

「ちょっと悪いけど、風が止むまで、お前ん家にいさせてもらえないか?たのむよ。」

「ま、まぁ、いいけど。風止んだらすぐ帰りなさいよっ!」

「は、ははは。わかったぜ。」

そう彼女は言うと、どかどかと私の家に入ってきた。

「もぉーーっ」

でも、何だろう、この気持ち。彼女が来てくれただけで、心が温まる。体は冷たい外気にさらされて、ふるえているのに――

「んーっ!お茶、くれよ、お茶。それといつものシチューも。腹減ったぜ!」

「お茶はいいけど、シチューなんて無いわよ、そんなもの。今まだ3時じゃない!お菓子で我慢しなさいよ!・・・ま、まあいいわ。シチューも作ってあげる。」

「いつも世話をかけてすまないぜ!でも、アリスが作るシチューは最高だぜ!」

「あ、あんたそれを食べたくて家に来たの――。」

「ん?何か言ったか?」

「べ、べつに何でもない――」
 
 でも、彼女が喜んでくれるなら、私はそれをする。彼女の笑顔は私に足りない物をいつも満たしてくれる――


夕方5時。黄昏時。冬の日没は早い。

「アリス、まだかーーー。腹減った!」

「さっき、お菓子ばりばり食べてたくせに、もうお腹すいたの!?」

「はやくシチューが食べたいぜ!」

「はい、はい。もうできるからじっとしてて。」

アリスのところに出来上がったシチューを置くや否や、彼女はパクパク食べ始めた。

このシチュー、そんなに美味しいのかしら?

そう思いながらも、私は彼女の美味しげにパクパク食べる姿を見つめていた。

「うめーっ!ごちそうさまっ!」

「早すぎるわ・・・。もっと上品に食べなさいよ!」

「でも、ずごく美味しかったぜ!」

「もう・・・」

私は彼女のさも嬉しそうな顔から目線をそらした。

「あ、そういえば、さっきは痛くなかったか?」

「は、何のこと?」

彼女が心配そうな目つきで私を見つめている。

「左のほっぺ。まだ少し赤くなっているような気がするけど」

あぁ、来しなのあの悪戯ね。

「も、もう、すごく痛いんだからね!責任取ってよね!」

私は腕を汲んで、そっぽを向いた。
彼女が私に顔を近づける。

彼女の香りが私の鼻に届いた。

良い香り――とろけてしまいそうな香りだ。

「ううん、何かお詫びがしたいぜ。そうだ!」

彼女は私の顔に更に顔を近づけ、そしてーーー

えっ!えっ!!

まさかーーー―

私のほっぺにキス、

をした。

私は我を疑った。

ど、ど、どうして?

でも、彼女の温かさに触れられた―――彼女の唇だけなのに。ほっぺにちゅーされただけなのに。心の芯が温まるように感じた。

「・・・・な、な、な、なにやってるのよ!」

私は我に返った。
私は彼女を突き飛ばしていた。

「あ、あれ?おかしいな左頬だっけか?」

彼女はキョトンとした顔をしている。

「な、なんのつもり!?」

「いや、何か、痛い所はキスすれば、治るとか噂で――」

「そんなの聞いたことないわよ!ていうか、痛みなんてとっくの昔に消えてるわ!」

「そ、そうなのか!それはよかったぜ。」

「ほんと、あんたって馬鹿よね。」

「そういうことはないだろー。心配してやってるのに!」

はぁ、私はため息をついた。でも、でも、彼女は私の事を想ってくれてる。それだけで、私は嬉しい。

「はいはい、悪かったわ。じゃあ、とりあえず、あんたがキスしたとこ、拭いてもらおうかしら。シチュー思いっきり着いてるでしょ。」

「あ、悪ィ。拭きます。拭きます。」

彼女はそれから一晩中私の家に居て、翌朝帰って行った。私は隣でぐーすか寝ている彼女のコトが気になって全然眠れなかったけど。。。

とても、楽しい一日だった。



私は彼女が好き。この気持ちはずっと変わらない。

彼女は全然気付いていないようだけど。

いや、気付かないでほしいかな。

そしたら彼女がもう訪れてくれなくなるかもしれない。

そんなのはやだ――

何よりも、他のどんな物よりも彼女の笑顔がみたいから。

屈託のない、子供のような笑顔が―――

ずっと、

ずっと、見たいから―――――ー

(fin.)  

いかがでしたか?
さっき書いたセント・バーバラの鐘エピソード3も、是非みてくださいね★
体力つきました。。。寝ます。。。。。。zzzzzzzzzzzzz
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:★ルナ・ウェイ★
読者になる
ごきげんよう(o・v・o)
さいきんは、ホメロスの2大叙事詩とヒポクリトスにはまっています

ハンドルネームゎ
ジャポネ風に上井流奈でルナ・ウェイって読みます♪

本名はマリ・マドレーヌ・ド・ジョルジュ。

*Marie Madeleine de Jorge*

カロリング王朝の血を引くフランス貴族の留学生です


ギリシャ語は俺の嫁(*´д`*)ハァハァ
2010年07月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/runauei/index1_0.rdf