手続き

October 21 [Tue], 2014, 20:47
土曜日の文化祭の代休で休み。
文化祭は好天にも恵まれ、ぶじに終了した、んだろうと思う。土曜日の九時半から二時までが一般公開、三時から四時まで片づけ、その後さらに後夜祭なるものが予定されていたようだが、私はそこまで付き合っていると終バスに置いていかれるので、定時と同時に撤収した。いくら土日祝日だからといって、終バスが五時すぎというのもすごい話だが、今日び田舎の公共交通とはかくの如しである。
自分の役割がないという状況も、慣れてしまえばそれなりに適応する。仕事がないのだから楽である。しかし慣れるというのも恐ろしい話で、人はこうしていわゆる「働かないおじさん」になり、気づかぬ所で後ろ指さされる羽目になるんだろう。
それでも、コン部のOGが一人来てくれて、彼女に行き会った時はさすがに面目なかった。以前から大人しい子で、おとといも多くを語らなかったが、今年は何も出せなくて申し訳なかった、と詫びたら、ちょっとショックでした、と言った。無理もない。
まあ過ぎたことは致し方ない。少し気分が上がったような気がしたのは、彼女のほかにも何人か卒業生と会ったおかげだろうと思う。こうして彼らに声をかけてもらえるのは、去年の自分の仕事が形をなしているのである、などと明確に自覚もしないが、知人に会って言葉を交わすというだけのことで、自分の存在意義を再確認したような気になる。人間は社会的つながりに支えられて生きている。
気分が上がったにはもう一つ原因があって、校内発表の金曜日に、日本学生支援機構から、予約奨学生の選考結果が送られてきた。
私は今年度、校内で奨学金関係の事務取り扱いを担当させられている。何もわからない人にこんな重要な仕事をさせて大丈夫かと、私じしん思うが、仕方がないから不安を抱えつつ適当にやっている。
中でも重要な案件の一つが、この予約奨学生の手続きで、これは大学や専門学校に進学する生徒が、高校を卒業する前に、 進学してから奨学金を借りられるように予約しておくというものである。昔、日本育英会と言っていたものが、今は名前が変わって学生支援機構というのだが、こことの交渉が私の今年度の仕事の大きな一部を占めている。
これが偏差値が普通以上の学校であれば、希望する生徒たちに要項をまいて、必要なことは全部書いてあるから、各自ネットで手続きしてね、と言って、あとはこちらから提出する書類を集めて、まとめて機構に送ればいいだけの話なのだが、うちの学校はそう簡単にはいかない。
六月から七月にかけて、私はこの予約奨学生の仕事で何だかひたすら忙しかった。主な作業は学校のコンピュータ室で、生徒にネットで入力させることなのだが、お勉強が苦手な人たちというものは、画面を見ながら情報を適宜判断することができず、全体に一斉に話した内容を、その中の一人として受け取ることができない。その結果、一人あるいは二三人ずつ、ワンステップずつ確認しながら入力させることになる。おそろしく手間がかかる。
そんな風にして、十五人ぶん機構に申し込みをすまして、その後もつい最近まで、この生徒の書類が足りないとか、判子が不鮮明だとかファックスが来るたびに、生徒に通報して書類を出し直させたりして、ようやく選考結果が来たわけである。私としては、いわば一年かかって収穫にこぎつけたお百姓さんのような気分である。
まあ、一仕事終えたと言っても、自己満足にすぎないかもしれない、というのは、これ結局人に借金をさせる斡旋をしているわけである。本当に生徒の幸せにつながるかどうかはわからない。首尾よく卒業して定職に就ければいいけれども、ひとつ間違えれば、フリーターかニートになってしまって、借金だけが残り自己破産に追い込まれるような例も、最近は問題になっているのである。
それでも十五人全員、一種か二種のどちらかには通った。一種は返すときに利子が付かないが、評定平均が三・五以上必要で、経済的条件もきびしい。一種を希望していたが、二種になったという生徒も二人ほどいたようだが、全く没という人はいなかった。
来週はまた生徒を集めて、この選考結果をまいて、この後の手続きを説明して、私の仕事は終わりになる。あとは間違いなく進学できるようにそれぞれ頑張ってくれたまえ。


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