Pの迷宮  深谷 忠記 

2010年08月22日(日) 22時43分


はじめて読む作家の作品だが、おもしろく読めた。

裁判官の父と夫をもつ、弥生。
その弥生の精神疾患から物語がはじまる。
病院で同じような疾患を持つ女性に声をかけられ、
セラピストと出会う。
それが、すべて仕組まれたことだった。

突然、弥生の母が殺人者になっている章に変わる。
弥生の精神疾患、トラウマの原因は何か?
殺人の動機は?

幾重にも謎があり、
結末まで一気に読めた。

それにしても、隅本のたくらみとは…。
恐ろしいなと思う反面。
弥生の母、佐紀子も、
最後の最後、意外としたたかで…。

この作家の他の作品も
ぜひ読んでみようと思った。



着信アリ Final  秋元 康 

2010年07月25日(日) 9時58分

着信アリ。
このシリーズ物の、一番最初の作品を読んだとき、
おもしろいと思った。

読んだのがかなり前で記憶があいまいになってきたが、
“呪い”が生まれるそれなりの原因があった。

BOOKOFFで見かけて、
さらに続編があったこと知り、買い求めた。

正直、この作品は、
ティーンズが、ホラーとして楽しんで読むには、
十分楽しめるものだと思った。
ホラー&恋愛っぽく。
ただ、軽すぎるものになってきたな…。

死のメールを転送すれば死なない。
そこで思い出すのが、
鈴木光司の「リング」

ビデオをダビングして誰かに見せれば、
自分は助かる。

「リング」は読んだ当初、
斬新的なものを感じたが、
それはやっぱりああいうホラーを書いた人が、
それまでいなかったからじゃないかと思う。



容疑者Xの献身 東野圭吾 

2010年07月22日(木) 23時01分

映画を見て以来、読もう読もうと思っていた作品。
1年半ほどしてやっと読んだ。

原作と映画が異なる作品は、かなりある。
これは、原作どおりだった。

映画の印象も強く、
読んでいると映画のシーンが浮かぶ。

石神の献身的な愛情が、
ときどきストーカーのようにも受け取られ、
それでいてその行為は、結果“切り札”にもなり…。

ミステリなんだけれど、
せつない話だなと思った。

そして、物事の視点、考え方。
ちょっと見る角度を変えると、
盲点が浮かび上がってきたり…。

ミステリ作品は、理数系な感じがする。
そう今までも思っていたが、
今回、この作品を読んであらためて感じた。


慟哭  貫井 徳郎 

2010年07月20日(火) 8時37分

誘拐殺人事件の捜査の状況と、
新興宗教にのめりこむ男との
2つの場面設定で物語が進む。

正直、この二本立てで、話そのものは単調だ。
さらに、犯人は、この新興宗教にのめりこんだ男。
と、容易に察しがつく。

だが、最後の最後。
ページ数も残りわずかになったとき、
え?
という展開になる。

近頃叙述トリックとか本格推理ばかり読んでいたので、
この作品は、広義のミステリという感じで、
そういう意味では、斬新さに欠ける。

ただ、いろいろなところで、
人間の心のうちがしっかりと描かれている。

幼女連続殺人の、真犯人は見つからずに幕を下ろすことになる。
新興宗教の男とその事件との関係。
痛ましいものがある。


炎たる沼(ほたるぬま) 池田 美代子 

2010年07月18日(日) 9時56分

図書館のティーンズ向けの棚にあった本。
おもしろそうなので借りてきた。

中学生が主人公の話だが、
大人が読んでもおもしろい。
友情、恋、いろいろな葛藤が描かれている。

ミステリーとしても、おもしろかった。
正直、読みはじめてまもなく心霊写真が出てくる。
そのあたりから一気に読んでしまった。

廃墟で撮った写真。
その廃墟に導かれた、写真部の4人。
子供の頃の記憶。

廃墟の裏にある沼。
その呪いから体調不良が起こり、
そして死ぬのか?

結末は、その過程の謎が明確となり、
それはそれでよかった。
しっかりと筋道がたっていて、よかった。

でも、それが矛盾するようであるが、
不満でもあったり?
科学的に解明されてしまった謎。

期待を裏切らない終わり方だったけれど、
逆にしっかりとした答えがありすぎて、ちょっと不満。
というのは、読者のわがままかもしれない。

基本的にネタバレなしで感想を書きたいと
思っているため、
これ以上は書かない。


赤い夢の迷宮   勇嶺 薫 

2010年07月07日(水) 21時42分

ミステリ系は、2度読みがおもしろい。
読み終えてから、時をおかず、また最初から読み始める。
そうすると、作者の細工があちこちに施されているのに気づく。

犯人とか結論とか、そういうものを知っているからこそ、
楽しめる読み方だ。

今回は、正直、意味がわからなかったので、
再読してみた。

本格推理とみせかけた、叙述トリックか?
この作品は、エンディングがない方がよかったように思う。

OGが行方不明となり、現場が火事で消失したが、
原稿だけ届けられた。
そのあたりで終わりにしておいた方が、
犯人はわかっているし、いわゆる館ものとして
十分楽しめる。

たしかに、主人公である「ぼく」は、
時々ボーっとして意識が遠のくような描写が
ところどころにある。

キャアが考えたように、
「ぼく」は、解離性同一性障害?
「ぼく」は、まともではないような気がしなくもなく、
それでも犯人ではない。

OGの誘いに参加した人たちは、みんな死んだ。
それは事実で、犯人が2人いたからこそ
可能だったわけだ。

本格推理として終わりにしてほしかったな。
せっかくおもしろく最後まで読んだのに、
最後の最後で、これって叙述トリック?
では、なんだかおもしろさが半減だ。

エンディングを裏付ける描写は、
それ以前では、ないように思う。



赤い夢の迷宮   勇嶺 薫 

2010年07月03日(土) 20時51分

図書館の棚で、おもしろそうな本を発見。
はやみねかおるの名で、児童向けのミステリを
書いているらしいと知った。
どちらにしても、読むのははじめてだ。

読みはじめて、文章のタッチは軽いが、
結構おもしろいかもと思った。
いわゆる館ものというか、
閉ざされた空間で起きる殺人事件。
ひとり、またひとりと殺されていく。

OGが直接手を下さずにやらせた殺人?
そう思ったのだが、最後で、
これって叙述トリック??

タイトルも「赤い夢」のさらに「迷宮」となっている。

叙述トリックのミステリ作家として
大ファンなのが折原一。
折原一の作品も、中には結局なに?
というようなものもあるが、
叙述トリックの作家として認識があるため、
それはそれで楽しめている。

この作者のは、はじめて読んだので、
おもしろかったのだが、
最後の最後で、正直、不満が残った。

そして、かつての仲間が殺されたのであれば、
主人公「ぼく」の妄想とされる前に、
その安否確認の調査は行われるであろうし、
そろってみんながいなければ、
事件性があると思われるのでは?

それに、ユーレイになりすましていた
探偵(?)のキャアは、結局なに??

エンディングは一体なに?
どこにいる?
天井から吊り下がっている男の子は、だれ?

娯楽としてはとてもおもしろかったけれど、
ミステリ&ホラーファンのわたしとしては、
いろいろ読んだ作品に比べると、
不満が残るものだった。




赤ずきん 吉村 達也 

2010年06月13日(日) 19時04分

吉村達也の作品。
近頃読んだものは、「人間失格殺人事件」と
「卑弥呼の赤い罠」
なかなか感想をupできずにいる。

続けて、読んだのが「赤ずきん」
これは、文句なくおもしろかった。
近頃、吉村達也の作品は、ホラー系がいいように思う。

はじめから、不可思議なできごとが続く。
運命に導かれるように、
家庭教師のバイトのチラシを発見する。
姉の家で見た、まともとは思えない光景。

大学のサークル。
そこの先輩、橘の夢。

家庭教師先の、赤い頭巾をかぶった
29歳とは思えない女。

その原点が、24年前のことであって、
最後にはすべてがつながる。
その原点には、今の世の中を映し出すような
できごとがきっかけになっている。

そしておもしろいというか、
エピローグ。

終わらない赤ずきんの呪い。
「リング」や「呪怨」とはまた違うかもしれないが、
赤ずきんの呪いは、
その対象者には終わらない。


黒い森 折原 一 

2010年05月14日(金) 22時19分
先日、「赤い森」を読んで、
いろいろ気になることがあった。
なので、「黒い森」も読み返した。

最初、タイトルだけでは細かい内容を覚えていなかったが、
読みはじめたら、記憶が甦ってきた。
2年前に読んでいた。
その当時の感想は、
ココをクリック。

今回は、「赤い森」と絡めての感想をupしたい。

「黒い森」の時点で、
樹海の中に山荘があって、そこは惨劇の舞台だったという
設定になっていた。
そして、民宿の主人も「黒い森」から登場していた。

ただ、その伝説になっている惨劇。
それは、明確に描かれていない。
むしろ、「赤い森」でその謎が解明されたような?

だが、「赤い森」では、
話が複雑になっていて、
再現劇まで描かれている。

結局、伝説は、民宿の主人が、
真相をかくすために流したもの?
当然、自分の民宿の利益のために。

そうなると、「赤い森」の“第一章 樹海伝説”の
犯人は誰?
亀頭武彦?
シチューに入っていた肉は、
殺害した人の肉?
そう思えてくるのだが?

作中に出てくる「遭難記」も別に
作品があったっけ?



赤い森  折原 一 

2010年05月09日(日) 19時38分

第一話 樹海伝説
この章を読みながら、
これ、どっかで読んだような?

「黒い森」というのがあったことを思い出し、
再度、図書館で借りてきたところ。

この叙述トリック。
大好きなのだが、読み終わってから、
ん? 結局、何?
って理解できないこともある。

そんなわけで、2度読み。
第一話の犯人は?
第一話の麻衣が、民宿の主人の奥さんに?
当然、時は流れているわけで…。

鬼頭武彦をある意味かくまっているような、民宿の主人。
罪にならないの?
という余計なことも思ったが…。

赤い森、赤羽。
このあたりの掛け具合は、おもしろい。
木を隠すのには、森。
事件を隠すのには、事件。

記憶喪失の男が、教授、
そして、本当にあった事件の被害者の夫。

山荘は、2つあった。
演劇用と本物の三層。

記憶喪失の男の記憶回復のため、
行った劇。
あのあと本当に殺人事件が起こり、
その犯人は?

第三話 赤い森。
シチューに入っていた肉は?
人の肉??
鬼頭が、樹海の山荘で殺人をくり返していた?
その肉?

民宿の主人は、一体何者だったのか?

作品の最後に、∞のマーク。
山荘の樹海伝説にひかれ、興味本位に樹海に入る。
そして、同じような惨劇や恐怖がくり返されて、
いつまでも続く??

おもしろかったけれど、?マークがいっぱい。
またそのうちに読み返すかも?

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