インベーダー・サマー 

July 27 [Wed], 2005, 1:59
 菊地秀行氏が初期に書いたSF小説である。物語は信州の街の夏だ。舞台は小さく、静かなものだ。しかし、この街の不思議な夏の物語。奥への広がりは果てしなく……切ない。確かに夏の恋物語はあまりにも多く、食傷気味と思われるかもしれない。この小説も一種の夏の恋物語だ。だが、SFである。普通のそれとは大きく異なる。男たちが一人の少女に恋をし、夏は特別なものになり始める。全編に渡り、夏の匂いが充満している描写は見事。とんでもない飛躍をあくまで夏の日常の中に描いた名作。
 今年も、先日、夏が始まる前に読んだ。この小説を読むと、夏という季節が期待に満ち溢れた季節だと思わせる。また、同時にそれは期待と同じ振れ幅を持つ切なさを孕んでいることも感じさせる。京都に住む僕にとって、昔から夏の始まりは祇園祭りだ。今年はもう終わり、十分楽しんだ。夏を楽しみたいと思う。夏休みの前にこの小説を読むことはちょっとしたお勧めである。
P R
2005年07月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
recent comments
category
http://yaplog.jp/route66/index1_0.rdf
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:route66
読者になる
Yapme!一覧
読者になる