みっつ 人違いじゃないかしら? 

2006年07月02日(日) 21時28分
「     」

誰かが、呼ぶ声がする。
白い闇の中で、誰かが呼ぶ声がする。

私?  私を呼んでいるの??

「     」

違う、違うわ。
私じゃあない。それは、私じゃない。

「     」

違う!違う違う違う!!
私は「      」なんかじゃ、「      」なんかじゃ……!

「     」

ちが、う…ちがう、のよ……
私、は……私はぁ……!!

「僕、……」

私は

「僕の、……」




意識がその声に飲み込まれて、混濁して何も分からなくなりそうになった時。
急に、ガシリと肩をつかまれた。  強い、力で。引き戻すかのように。

『人違いじゃあ、ないかしら?』

鈴を転がしたような声。ふわりと薫る、甘い花の香り。
柔らかな腕に包まれた時、私の視界は、白い闇から黒い世界へと移り変わった。


―ごめんなさい。 私、一緒に…行けないの。
      もう、貴方の呼んでくれていた、その名前は使わないの。
            だってもう、呼んでくれる貴方は    いないのだもの。

ふたつ   認識困難「堕ちていく。」 ( 遭難 ) 

2006年06月14日(水) 20時02分

開いた花の上、眠る君。
何も知らず、何も覚えておらず、ただ眠る君。

触れては枯れると理解していながら、
ただただ、心の底からの欲望と葛藤する日々。

目覚めた君は、何故触れぬのかと、残酷に聞いてくる。
答えられる、筈もなく。 僕は望まぬ言葉で、君の事を傷付ける。

ついに花は枯れ、君は他へと心移す。
枯れた花の中、空を見る君に、軋んだ音を立てていた理性は、弾け飛ぶ。

無理に掴んだその手は、酷く白くて折れそうで。
いっそ手折れば、君は僕から離れぬかと、そう思って、恐怖で出来なくて。

喉の奥から迸る、血の色に染まったような絶叫。
もう、弾けた理性は戻らない。ただただ、欲望に突き動かされて、


嗚呼、もう、本当に         「堕ちてゆく」

ひとつ 演技をしているんだ(群青日和) 誰も彼も、皆して僕を哂っている。 

2006年05月26日(金) 17時40分
僕の目の前には、顔ばかり。
いくつもいくつも、沢山の笑った顔が並んでいる。
瞳に光の無い、笑い顔ばかりが。

白いその顔たちが、笑顔の形のまま動かないのが、気味が悪くて。

そのまま、雨降る新宿の街に飛び出した。


そこで僕は、初めて笑顔以外の表情を僕に向けてくる人間に…君に、出会った。


演技をしているんだ、誰も彼も。皆して僕を哂っているんだ。
−そんなこと、無いわ。少なくとも私は、貴方を笑うつもりなんてないもの。
うそだ。心の奥底では、哂っているんだろう?
−そんなこと、無いわ。本当よ。 だって…
だって?だって、何だよ。
−だって…そんな、辛そうな顔をしている人を、笑うはず、ないじゃない。
……………え?

−大丈夫よ。たとえ貴方が何者でも…私は、貴方に対して…演技なんか、しないから。


その言葉に、僕の心は救われた。
だからこそ僕は、僕であった自分を棄てて、俺になれたんだと思う。

ありがとう…我が最愛の、妻たる人よ。

早く大人に、なりたいの。それなら相応の教育がいる。 

2006年05月26日(金) 17時31分
東京事変の歌詞で10のお題  配布元サイトさま

ひとつ   演技をしているんだ。 ( 群青日和 )
ふたつ   認識困難「堕ちていく。」 ( 遭難 )
みっつ   人違いじゃないかしら? ( 入水願い )
よっつ   ああそうそんなにしたいの ( クロール )
いつつ   I want to be you ( 現実を嗤う )
むっつ   さあご覧遊ばせ ( サービス )
ななつ   私ならここです ( 駅前 )
やっつ   見世物小屋の嘘 ( 御祭り騒ぎ )
ここのつ  春夏秋冬雲の色まであなたとお揃いで ( 母国情緒 )
とお    麗しき寝顔に問う ( 夢のあと )

ひとつひとつ、クリアーして行けたら、嬉しいな…。

物の怪。それは怪しき物で、人ではなかったのか。  枠組みから外れた人は、もはや「人」とは呼べぬのか。 

2006年05月25日(木) 19時58分
昔、ひとりの男がいた。
ただの、平凡な男だった。

田畑を耕し、作物を作って、家族と共に細々と生きていた。

けれど、男の日常は、無常にも破壊される。


近隣の国との、戦。 攻め入られた自国。 責任を放棄して、逃げ出した領主。

護られる事の無かった、立場の弱い者たち

年老いた両親は、無残に嬲り殺され。笑顔の美しかった妻は連れ去られ。
5つになったばかりの娘と、今年産まれたばかりの息子は、血に染まった衣を残しただけで、
その小さな遺体すら、髪の毛ひとつすら、見つからなかった。

男は、瀕死の重症を負わされて、崖から落とされてなお、生きていた。
怨み辛みを糧に薬にして、男は生きていた。
両親に妻に子に、楽をさせてやれなかったこと、護れなかったことを後悔して、生きていた。

そして。

民を置いて逃げた領主を、
戦を仕掛けてきた隣国の者たちを、
この戦乱の世を招いた者たちを、
この無常な世界を作った、神と言う存在を、

憎んで、憎んで憎んで憎んで、 生き続けた。


そうして、男は。
生きながらにして、物の怪と成り果てた。

身体は青紫に膨張し、額には角に似た瘤が隆起して、耳まで裂けた口からは黄色な歯が剥き出しで。
膨張した身体には、毛駄物(けだもの)の皮で出来た襤褸を纏い、血に染まった眼は、光無く濁る。

男は、怨み辛み妬み嫉み、人のあらゆる悪心をその身に受け入れて、悪鬼邪神と成り果てた。


そうして、十と幾年がすぎた時。
男は、自身を討伐に来た武士たちの中に、確かに自分の息子の姿を、一瞬だけ、澄んだ眼に、映した。

その真っ赤な毒林檎を食べたのは、お姫様ではなくて、小さな小人。 

2006年05月22日(月) 22時27分

真っ白な肌、紅色の唇、黒い髪。

まるでお城に閉じ込められたまま、儚くなったお姫様。

そんなお姫様そっくりな、腕に抱えられる小人は、
お城の女王の嫉妬によって、真っ赤に熟して、甘い蜜と共に、黒い毒をその実に宿した、
深紅の禁断の果実に心奪われて、それを口にして、

深淵の眠りに近い死への道筋を辿っていった。

 
さて、その小人を死の淵から呼び戻す口付けを施すのは…      誰  だった?

緩慢に、緩慢に、朽ち逝く木々。その洞に、1体の、人形。 

2006年05月21日(日) 21時01分
「愛している」「愛していない」「愛している」「愛していない」
ブチリ、プチリ、ブチリ、プチリ。
『何をなさっておいでですか?』

「「花占い」」
顔を見合わせて、哂う。
「「でも、変だよね。相手もいないのに」」

真っ白な空間。 一枚の鏡。
いるのは、黒服の陰のような青年と、
真っ赤な花びらを膝に積もらせて、鏡の前で哂う、

たった一人の美しい人形。


『御前様、楽しそうですね』

「「うん。楽しいよ。 何で、こんなに楽しいのか、解らないくらい」」

人形は、鏡の中と外とで、哂い合った。

少しずつ、けれど確実に、腐り逝く花々。 

2006年05月21日(日) 17時32分
此処は、腐女子の妄想・妄言を徒然なるままに書き連ねてゆくブログです。
お気に召したら、幸いかと…。

管理者は、仮に『黒蓮・天亮』と名乗らせていただきます。
以後、よしなに頼みます。

更新は極端に遅いやもしれませんが、お気に召した方々、お言葉をいただければ幸いです。

それでは……