昨日、今日は店の営業がなくても1日、店で過ごしました。それはギャレット・デ・ロワの仕込みの為です。中身のクレーム・ダマンドゥ。この出来が美味しさを左右します。一般的にはアーモンド・パウダーを使うようですが、僕は皮付きの粒で仕入れて使う都度、湯剥きして一晩乾燥させてから挽いて使っています。手間のかかる工程なので皆さんパウダーなのですが、この工程抜きにはギャレット・デ・ロワは美味しくなりません。
アーモンドは油脂が多いので挽いてしまうと驚くほど早く劣化します。油脂が多いコーヒーやショコラ等にも言えますが、使う都度挽くしか劣化から逃れる方法は無いようです。逆に油脂が少ない小麦は挽いてから数ヶ月は大丈夫でした。八戸でフランス菓子ロゼ・コローレをやっていた頃、南部地粉が簡単に手に入りました。製粉したてと1ヶ月後を何度か試しましたが、大きな違いはありませんでした。ただしそれは熱が着かない挽き方の場合だけで、石臼挽きや、カット式でも大きな機械なら挽いた摩擦熱があり、すぐに劣化します。
油脂が少ない小麦でも熱による劣化があるのに、油脂が多いアーモンドに熱がかかると劣化のスピードは二乗になります。しかし皮を取り除くために湯剥きは避けられません。自社製粉しか方法が思い付きません。
それとアーモンドの種類の見直し。日本で流通している多くはカリフォルニア産。マカロンには最適ですがギャレット・デ・ロワには不向きです。
ギャレット・デ・ロワに使うアーモンドは本当に今のマルコナで良いのか?今一度サンプルを取り寄せたのはイタリア、シシリー島産、スペインのバレンシアと他の生産者のスペインのマルコナを数種類。結局、今まで使っていたスペインのマルコナが一番良かったのでギャレット・デ・ロワはマルコナ100%で行きます。
香り付けにはブルボンバニラとフランス産のラム酒。フランス産と言ってもラムの原料はサトウキビ。当然、熱帯、亜熱帯のもので、原産はレユニオンとかマダカスカル、セイシェル等ですが、そのラム酒をフランスに運び、コニャックの古樽で3年以上熟成させたものがフレンチ・ラム。熟成によりまろやかになると同時にコニャックの香りが移り上品な仕上がり。パリの空の下ではタルトやカヌレ、クロワッサン・オ・ザマンドにも使っています。
これで2008年に作ったスペシャルなギャレット・デ・ロワ、復活できそうです。あの年のギャレット・デ・ロワ。僕にとって忘れる事が出来ません。年明け早々にエリゼ宮(大統領官邸)に納め、サルコジ大統領に食べてもらいました。
さらにパリのコンクール。5つの項目中、食味の3つは満点でトップでしたが、続く2つの見た目のうちの放射状の模様の規定を無視して作った為に失格。しかし、パン業界最大手の雑誌の表紙を飾り、ギャレットコンクールのトップ記事になりました。何故に優勝にしなかったのか?という論調。
パリを震わせたギャレット・デ・ロワ、明日から披露します!



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