ロイバレンポの最期

November 16 [Tue], 2010, 16:46
ロイバレンポは、母の死を確信していた。
生命保険のことは気になったがどうせ自分が受取人であるとは思わなかった。
なのであまり考えなかった。

昼過ぎ、電報が来た。
「ハハシス、ソウギジッカ、アシタ」
仕方なく、親切なおっさんおところで5万円借りた。
母は唐津に戻っていたので、ジッカというのは唐津だろう。
羽田空港から、飛行機に乗ることにした。
せっかくなのでプレミアムシート的なものにした。
唐津につくと、実家まで歩いた。
2時間かかった。
そこにはぼろぼろになった実家があった。
実家には、かすかに記憶のある親戚たちがいた。

母はロイバレンポが知っている姿ではなかった。
ましてや昨日夢に出た骸骨でもなかった。
適当に焼香をすますし羽田に帰ろうとすると、
よく知らないおばあさんから声をかえられた。
その手には封筒が握られていた。

封筒には手紙が入っていた。

ロイバレンポへ

ロイバレンポ。今どこにいるのですか?
私は、あなたがいなくなってせいせいしました。
でもちょっと寂しかった。
あなたは私の子ではなかったのです。本当は。
おとうさんが、どこから拾ってきた、いや本当はよそで作ってきた子でした。
おとうさんは、その後どこかに消えてしまったけど、私はしかたなくロイバレンポを育てました。
一緒にいれば愛着が湧くもので、あなたを我が子のように育てました。
我が子になったと思っています。
そんなあなたに、生命保険を残しています。
生保レディはヌメラカソンさんと言います。
連絡先残しています。

それから最期に、あなたには、ひとりの妹がいるそうです。
名前はヌメラカソンとかいう・・・・。

・・・・学生運動のさなかヌメラカソンの父つまりロイバレンポの父は、アパートに寄り付かなくなっていた。
その間、ロイバレンポを別の女にはらませて唐津に逃亡していたらしいのだ。
ヌメラカソン父に、ヌメラカソンもロイバレンポも運命をもてあそばれていたのだろうか・・・。
いまとなってはどうでもいい。
ひとりでもこの世の中で自分を愛してくれている人がいたことがわかったのだから。

ロイバレンポは満足げに、ネクタイを握り締めて森の中に消えていった。
その後、ロイバレンポがどうなったか誰も知らない。
実家近くの山林で、ネクタイでクビを吊った白骨死体が見つかったのはそれから2時間後のことだった。(早っ)
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