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アナリストに聞く製薬業界の動向(下)―舛添憲司氏(ドイツ証券シニア・アナリスト) / 2010年07月28日(水)
―アステラス製薬が米OSI社を40億ドルで買収したことも大きな話題になりましたが、どうみていますか。

 アステラスは医療用医薬品に特化したビジネスをやると言っていますし、2007年の後半からは、がん領域を自分たちの一つの柱にしたいとの考えを示していました。それにはのっとっていますよね。アステラスは、米国でがんのプラットホームを持っていなかったので、少々高いお金を出しても買っていいのではないかとはこれまでも指摘してきました。

 ただ、最近のリポートでわたしは「現時点では業績への影響は不明」と言いました。例えばここ数年間で、中外製薬の抗がん剤アバスチンよりいい抗がん剤をわたしは見ていません。そのアバスチンについても、07年6月の全米癌治療学会(ASCO)で米国の医師らから「高過ぎる」という話が出ました。

 わたしは、がん領域をやるならば、抗体、バイオシミラー、痛みなどへのサポーティブケアやバイオマーカーといった、トータルでやっていくならばいいと思っています。例えば、バイオシミラーに関して言えば、日本の糖鎖研究は世界で一番進んでいます。日本の大手はこういう分野に取り組むべきではないかと考えます。最近、第一三共が今後バイオシミラーもやっていきたいという話をしており、ポジティブにとらえています。

―バイオマーカーのようなところに大手が入っていくべきだということでしょうか。

 わたしは「ピュアファーマ」、つまり医療用医薬品に特化したビジネスはある程度終わったのではないか、今後は「ハイブリッド」か「スペシャリティー」に行くべきではないかと思っています。

 以前は、製薬企業も食品や農薬を取り扱っていました。しかし、1990年代にさまざまな産業で「選択と集中」がうたわれ、医療用医薬品に特化して米国のマーケットでブロックバスターを出していくことに方針を転換しました。それはそれで正しかったとは思いますが、やがて心配が出始めたわけです。「この何十億ドルという製品の特許が切れたらどうなるのか」と。

 医療用医薬品ビジネスでのハイブリッドというのは、例えばジョンソン・エンド・ジョンソンのように、医療用医薬品からOTC、メディカルデバイスへの転換というパターンや、ノバルティスのようにワクチンやジェネリックを入れるなど、いろいろな形のハイブリッドがありますよね。大手がハイブリッドに転換する上で、バイオマーカーなどを取り込んでいくことも一つの方法だと考えます。

 一方、中堅企業はスペシャリティーというものがあります。例えば参天の目薬。何かの領域に特化していくのは、それはそれでいいと思います。

―今後の製薬業界の中長期的キーワードは「転換」ということになるのでしょうか。

 一言で言えば「パラダイムシフト進行中」です。いろいろなことが変わる移行期です。例えば大手4社という表現すら、なくなる可能性があると思います。
 各社の時価総額を見ると、3年ほど前に比べ、ほぼ半減しています。株式市場が百パーセント正しいとは言いませんが、株価というのは「将来どうなるのか」というコンセンサスでつくられていきます。その結果がこうした状況です。売り上げで言えば、まだ大手4社という言葉は使えますが、少なくとも株式市場の評価は変わってきているということです。

 今後の展望を考える上でポイントになるのは、一つは「特許」です。特許というのは「確実」な要素で、必ず切れる。もう一つは「パイプライン」。これは、臨床開発の失敗や、厚生労働省やFDAに「ノー」と言われる可能性もある「不確実」な要素です。株式市場の評価はこの2つのバランスで決まります。

 医療制度改革や薬価改定などいろいろありますが、有望な新薬を持っていれば、その企業は利益が出ると思います。利益が下がっている会社と、これから利益が出る会社があれば、株式市場は利益が出る会社に注目します。

 大型製品の特許が次々と切れれば、製品買収などいろいろなことが必要となるでしょう。そういう意味では、第一三共がランバクシーを買ったのは、いい決定だったと思います。これによって第一三共はいろいろなビジネスができるし、もっといえばアフリカなどでも医薬品事業を展開できる。医薬品事業の展開は政府とのつながりが強いので、そこにプラットホームを持っているかどうかはすごく大切なことです。まだ数字には表れてこないし、ランバクシーの工場問題が出てしまっているので、株価はさえないですが、第一三共の決定は面白いと思います。


【7月28日14時35分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100728-00000000-cbn-soci
 
   
Posted at 15:33/ この記事のURL
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