生活3 

November 15 [Tue], 2005, 12:23
着衣を脱ぎ捨て、新しい下着を着ける。通常の新陳代謝が行われることのない体に入浴は必要ない。シュミーズの上からコルセットを被せ、自分の手で絞り上げる。あたりまえの人間の少女が完璧に着けるには必ず人手を必要とする補正下着を、ひとりで容易に身に着けうる腕力を持ち合わせているので。
その日の気分で小さな衣裳部屋からドレスを選び、それに合わせた靴下を吊る。靴も出しておかなければいけない。衣装が決まる頃にはまるで部屋の中が衣装箪笥になったかのよう。しかしそんなことは少女の関知するところではない。帰ってきたときには跡形もなく片付けられ、ソファも書き物机も全て何事もなかったかのように、本来の用途で使われることを待っている。
衣装を着けたら髪をターバンで巻き、鏡台の抽斗から道具一揃いを取り出して化粧に取り掛かる。白い肌に薄く白粉をはたいて頬紅を差し、温めた鏝で睫毛を巻く。そして最後に、紅筆を取り出して血の気のない唇に桃色を引く。息を止めて輪郭をなぞるその眼差しは、痛々しいほど真剣だ。艶を持つほど厚く塗り重ねたらその上から薄紙を宛て、余分を押さえる。最後にターバンを解くと、縺れて絡まる巻き毛を粗いブラシで梳き、流れをつけて均等に空気を含ませる。必要とあればリボンや組紐で結えもするだろう。
隙なく装った少女がアパルトマンの3階から夜に降り立つと、外には既に二頭立ての馬車が止まっている。御者と言葉を交わすこともなく乗り込んだその行き先は郊外、日課である彼女のスポンサーとの憂鬱な夕食及び少しの戯れ。
厚くカーテンを下ろした車内で、今日は人間の血にありつけるのかしら、などと取り留めのないもの思いに耽る。この憂鬱な数時間の後を如何に面白可笑しく過ごすかを考えながら、少女は馬車に揺られるのだ。

生活2 

November 13 [Sun], 2005, 8:12
深紫色と淡緑色のストライプという毒々しい色合いの壁、飾り物の小さなシャンデリア、黒と白の市松の床。窓は厚く漆喰で埋められ、壁の一部と化している。金の柱に支えられた巨大な黒い天蓋にはところどころに四角い継ぎがある。その裏には小穴があり、中から覗いて誰かが太陽光を部屋に入れていないか調べるのだ。内側の天蓋も同じ構造で、三層に日光を遮る仕組みになっている。
頭をかき回しながら鏡台へ立つと、そこには微かに湯気の立つぬるま湯が盥に入って置いてある。それで簡単に顔を洗うと濡れた手で鏡台の引き出しからタオルを取り出し、使ったらそれをそのへんに投げておく。次にそれを見るときには、先程指笛の合図で洗面の用意をさせた小間使いの老婆によって洗い桶に放り込まれ、再び抽斗に収められているだろう。
老婆は少女の前に姿を現したがらない。吸血鬼の世話をすることを了承させたうえで破格の高給を渡しているのにいいご身分だ、と雇い主は毒づく。しかし少女には、老婆が自分を恐ろしがる気持ちが分かるので不満には思わない。むしろ自分が何者であるか知っていながら進んで顔を見せたがる人間など、腹に一物ありそうで。そしてなにより他者―しかも食指も動かない皺々の老婆―の顔を見ずに済むのは好都合だ。自分よりゆうに百歳も下の老婆という生き物のおぞましいこと!
寝間着に東洋の鮮やかな絹で誂えたガウンを引っ掛けたまま適当に菓子をつまんでポットに入った紅茶を飲む。普段はビスキュイやマカロンの類が多いが、この日用意されていたのは果実の砂糖漬けだった。林檎、桃、強い香りの南国果実などとりどり。五、六切れ立て続けに砂糖を噛み砕く音をさせ、さすがに胸焼けがしてお茶を口にする。お茶は大抵、一杯目はそのまま菓子に合わせ、二杯目は季節のジャムを加えてのんびりと。気分によっては三杯目を用意させて手紙など書き、それから身支度にかかるのだ。

生活1 

November 13 [Sun], 2005, 8:10
涙がこめかみを濡らすのに気付いて目覚めた少女は、暗闇の中で瞬きをする
いちど闇と同化した黒い羽根布団に頭まで潜り込むと大きくあくびをしながら体を伸ばし、再び顔を出す。綿びろうどのベッドカバーで目元を拭ってベッドの上に立ち上がると指笛を吹き、暫く呆っとした後で、天蓋の上布を指で探りはじめる。何かを確認したら次はベッドから飛び降りて頭の方向へ。同様に右側、足元、左側と点検し、それで初めて天蓋を捲くる。
しかし闇はまだ続き、ぺたぺたと裸足の音をさせて手を伸ばすとそこにはすぐに一回り大きい天蓋がある。壁沿いに指先を滑らせ、時折止まっては何かごそごそ動いている。四辺を全て調べ終えると、ベッドの足元にあたる部分から滑り出る。小部屋からは出たようだがやはり暗いことに変わりない。
しかし少女はそんなことはお構い無しに脱ぎ捨ててあった室内履きを拾って履き、周囲を見回して一息つくと、壁にずらりと並んだ照明にひとつずつ明かりをつけてゆく。蝋燭を模した高圧気の照明は全部で20本ほど。それら全てと、マントルの上の七叉燭台に灯を入れると部屋は真昼のように明るくなり、ここでようやく少女の寝間着が空色の薄絹であることと、赤毛がひどく寝乱れていることが見て取れるようになる。

過去 

November 11 [Fri], 2005, 6:37
真昼、少女は夢を見る。
暗い小部屋の天蓋の中。
黒いシーツに包まって。

本来高く鳴るであろう靴音を忍ばせて、つめたい石の廊下を少女が行く。くせのある赤毛は耳元で切り揃えられ、陽にあてたことのない白い項が冷気に曝されている。首の詰まった素っ気無いブラウスに胴着、半ズボンの裾は布で巻かれて実用的なブーツの中に押し込まれ、格好だけなら騎兵隊の少年と変わらないように見える。
ただ違うのは、巻きスカートのように腰に巻かれた幅広のサッシュだ。これで男の服装と差異をつけるよう言われたものらしいが、遠目にはそんなもの分かりはしない。
落ち着きなく辺りを見回す緑色の目の前に大きなドアが現れる。一枚板から削りだされたそのドアはニスもかけないのに鈍色に光り、見るからに厚く、重い。
素早く身形を点検し呼吸を整えると潰れたばかりの手のひらの肉刺を握り締め、その拳の裏で力強く三度叩く。
音は内側へ吸われるのか、思いの外響かない。もう一度叩きなおしたほうがよいかと拳をドアに当てたまま思案しているところへ中から声がかかる。
「入りたまえ」
そのまま手をノブへ滑らせ、力を込めて内側へ押す。すぐに戻ろうとするドアを押さえながら過剰に暖気された部屋の中へと滑り込む僅かの間に見えたその断面は、厚い板の間に鉄板を挟んだ三層だ。
そこで少女は自分の置かれた状況を見せ付けられ、微かに戦慄する。
しかし表情にそれを上せることはなく、唇を引いて窓際の大机へと歩み寄る。座っているのは並みより二回りも大きい髭面の男。流行遅れのひだ襟のついた毛織物など着て、なりはそこそこ良いが表情は粗野だ。
「おお、君か」
その声量に少女は面食らう。まるで耳元に紙筒を当てて叫ばれるよう。道理であの扉を隔ててもも難なく聞こえるはずだと合点する。
「ギャロウェイ君だね?」
遠くない鼓膜の限界を感じながら、この話し方がここでの流儀と解した少女は胸いっぱいに息を吸う。
「ルースライン=パトリシア・ギャロウェイ、命を賜り参上致しました!」
割れそうに張り詰めた震えるメゾソプラノでそれだけ言うと俯き加減に一礼して、思わず一歩下がったところで銅鑼のような相手の笑いが押し寄せる。
「どんなおっかない魔女が来るのかと思ったら、痩せっぽちの小娘じゃないか!」

周辺のよた話 

November 09 [Wed], 2005, 11:47
わざわざプロフィールに書くほどじゃないけど思いついた設定を。

・異常な猫好き(Lが病的な猫好きで、猫にノータッチでいられないため。一度、猫に興味のないCを動かして背後の人が悶え死にそうになった)
・甘いものがやたら好き(Lが以下略)
・ミドルネームが「ジェレマイア」。本名はルースライン=ジェレマイア・ギャロウェイ。長い。

見た目に命をかける 

November 09 [Wed], 2005, 9:28

プロフの元絵。無駄にでかい。そして重い。
内容は全く読む必要ないです。


どうせ縮小かけるし、ってことで適当です。
目と髪の黄色味は縮小してから足したんだった。
服は胸元の広いパフスリーブのエンパイアドレス(膝丈)と飾りカラー。
深いU字ネックで谷間が見えます。
生地は薄いベロアで色はヘリオトロープ(別名メイデン紫)
腿までの靴下(薄い灰色のストライプ)はコルセットのベルト(留め具にリボンがついてないやつ)で吊ってて、靴はたぶんT字ストラップのラウンドトウハイヒール(白いトカゲ革)。背後の趣味全開。でもバッグが分からない。靴と共革とかだろうか。しかしこんなに細かく考えても実際はほぼ毎日違う格好なのだ。
ルーシーの外見はとにかく、面白さとか独自性は無視、好きな要素のみで構成。
どこまでもファンタジー満喫な女の子にしてやろうと。性格は後付けで。
クラシカルロリの女の子は実在するけど赤い巻き毛なんかしないし。
顔はもっと垂れ目でもよかった。
唇は最後まで赤と迷ったがせっかく肌まっちろだしピンクで。

最初色を塗る気はなくてJPEGで線画を保存して死ぬほど後悔した後仕方なく薄塗りしたがついさっき透過の仕方が分かって脱力した。
髪のもこもこは手首が攣りそうでバランスとか遠近どころではなかった。
どうせ切り出して縮小するし(言い訳)
マウスの限界を感じた。でも透過も出来ない奴にペンタブなど必要ない。
それにしても私の描く絵は可愛くない。しかし練習する気は特にない。見る専門でいいや。
モデルはmana様+栗山千秋で。見る影もないですが。

登録内容 

November 09 [Wed], 2005, 9:08
名前 ルーシー・ギャロウェイ
種族 Vampire【吸血鬼】
性別 女
年令 外見16歳
身長 160cm
体重 43kg
血液型 不詳
誕生日 不詳



-- 容姿 --
【髪の色】:赤毛
【髪形】:大抵二つ結びの巻き毛
【目の色】:黄緑

ウエストを細く絞り上げ、見た目は貴族のお嬢様風。
派手好みで、たまに半ば本気でティアラなど載せている。
犬歯は鋭いがあまり長くなく、吸血するときは
牙を立てるというより皮膚を噛み切るような具合になる。

-- 性格 --
【恋愛:バイ】

色恋沙汰に興味はないが、時折無駄に相手を挑発して面白がる傾向あり。
容姿も内面も、ありふれた人間の16歳程度で
長い生から何かを学んだ様子はあまり感じられない。
栄養にはならないが、酒と甘いものが好き。
趣味は日中の風景の写真を集めること。


-- 詳細設定 --
【属性】闇 風

過去には夜盗や娼婦など、チャチな汚れ仕事に一通り手を染め、
現在は好事家の愛玩物として何不自由ない暮らしをしている。
血液を主食とし、必要分は与えられる家畜の血液などで補っている。
他人を襲ってもそれは単なる愉しみ。死に至るほど血を奪うことはない。
太陽光に非常に弱く、浴びたところは爛れ、灰になる。
表面だけであればすぐに修復が始まるが、長時間晒された場合死に至る。

直径1m程度までの黒い球状の暗闇を作り出し、
それを風に乗せて自在に操ることができる。
しかし使い道はあまりない。

スカートの中に、弾二発を込めたデリンジャー銃を持っているが
射撃の腕は甚だ疑問。

-- 裏設定 --

実年齢200歳程度。性格上、数えていよう筈もなく。
本当は「ルースライン」という名だったことさえ覚えていない。
力の強い吸血鬼の「餌」になったとき、何かの拍子で自分も吸血鬼となった。
しかし意識が混濁していたため、そのとき何があったのか覚えていない。
元が人間であるため、不自然に年齢を重ねているという意識が強い。
その反動か、少女性というものにやたらと拘るところがある。

はじめに 

November 09 [Wed], 2005, 8:15
警告
こちらは、PBCサイト「久遠の都 ILLUSIONE」登録キャラクターの
日記帳という設定で運営されるブログです。
何かの手違いでいらっしゃった方はお戻りになるが吉。
PBCってなに?と思われた方は検索サイトへ。
ご覧になって不快に思われても、関係者様からのご指摘以外は
適宜受け流しますのでご了承ください。


関係者の方へ
この記事は載せるな、これは間違っている、等ありましたらお手数ですが
私書箱または当該記事のコメント欄へご連絡ください。
出来る限り対処致します(お名前と場所のみ記載、等。備忘録を兼ねていますので…)

その他何かありましたら適当に最新記事のコメント欄へ。
忘れた頃にレスがつきます。

新しい街 

November 09 [Wed], 2005, 7:48
イルシオーネは大きな街だ。
街の真ん中には大きな塔、そして聖堂がふたつ。
空では昼夜なく長距離輸送の船が飛び交う(夜にしか動けない私には有難いことだ)
大通りでは人間やら獣人やらを一緒くたに運ぶばかでかい機械が走っているとか。
どうやらバスとか言うらしいが私はそれを観光案内の冊子でしか見ていない。
私が街へ出掛ける時間にはもう走っていないので。

ここに来て最初にしたのは塔に登ること。
船から街を見下ろしているときから気になって仕方なかった。
荷解きは人にまかせて(お陰で日記帳が見つからなくて難儀した)まっすぐ塔へ。

そこで月を見にいらしたという方とお話した。
眺めは最高だったが、あの魔法陣の転送は頂けない。
往きはこらえたが復りは駄目だった。
あの方の前で醜態を晒してしまった。

階段もあろうがいちどきには降りられそうにないと申し上げたら、
真面目なお顔で泊りがけで降りれば良いと仰るので笑ってしまった。
エルフでいらっしゃるとのことなので
白いエルフと黒いエルフのことを口にしたら怪訝な様子をなさった。
きっと間違ったことを言ったのだと思う。
私はエルフについてあまりにも無知だ。

それにしても牛の血の美味しくないのには閉口する。
しかし飢えずに済むだけ感謝しなければ。

こんにちは、新しい街。
これからよろしく。



物見の塔にて、ベルリアさんと。