Seesaw game 【T】 

November 28 [Mon], 2005, 17:35
貴方を独り占めしたいなんて

そんな我儘、叶うわけない。






Seesaw game





そうか、もうすぐクリスマスか。

商店街にある、女の子向けの店の飾りつけは
赤や緑の色が目立っていた。
こんな田舎な場所でも、イベント事は昔から結構しっかりしている。

「どうかしたか?」

そんな景色をぼうっと見つめていたら
隣に居た彼が訊ねてくる。

「もうすぐクリスマスだなぁって」

こちらがそう返せば、そうだなと淡白な返事をした。
いかにも彼らしいその反応に、少し笑って彼の横顔を見た。
凛とした眉目に細く筋の通った鼻。
薄い唇に締まった顎・・・その容姿を包む艶やかな黒髪。
普通に、綺麗な人だと思う。

「今年も・・・  お誘いがいっぱいかもね?」

「・・・? 何の」

「クリスマス」

「別に 興味ない。 どうせ仕事だし」

考える間もなくすんなりと出てくる言葉に、どこか安心する。
そんな気持ちが顔に出ていたのか、彼が私の顔をじっと見つめてきた。
真っ直ぐに向けられるその強い眼差しに、思わず顔が熱くなる。

「・・・っ 何?」

「いや、何でもない。 帰ろう。冷えてきた」

しばらく見つめた後、そう言うと私の手を握って歩き出す。
彼の細い指先は本当に冷たくて、私からもきゅっと握り返した。

薄い銀色の12月の空は、どこか彼の雰囲気に似ている。


eternal love 

September 10 [Sat], 2005, 17:10
永遠なんて信じてないけど。



eternal love



「リング・・・いつも外さないね」

見えていないはずなのにそう言ったのは、彼女の素肌を撫でていたから。
耳元に顔を埋めて、息がかかる距離で聞く。

「外してほしい?」

「・・・できれば・・・」

返事を聞いた俺は、彼女を組み敷いたまま腕をつくと
眼の前でしていたリングを全て外し始める。
最後に右薬指のリングを外しかけたとき、彼女が「あ」と短く声を上げた。

「ん?何?」

「それって 2本だったんだ」

外したリングを見て言う。
手の中にあるのは確かにシンプルな細身の2本のリング。
いつも右薬指にまとめてつけているせいか、
殆どの人はこれを2本だとは気付いていない。

「ん そうだよ」

簡単に答えて、彼女の唇を塞ぐ。
口内を舌で弄っている間にそのリングも枕元に置いた。
これを買った、あの時のことを思い出しながら・・・。

それは3年前の春。 行きつけのアクセサリーショップ。
就職した記念に新しいアクセを買いに行ったときのことだった。

「新作出てんじゃん」

お気に入りブランドのアクセが並ぶショーケースを見たとき、
今まで置いてなかった形のリングを見つけた。

「お 来てたの。出てるよー、新作。見せたげよっか?」

すっかり顔馴染みになっている店員が声をかけてくる。
返事の代わりにこちらが頷くと、ショーケースの中からそのリングを取り出した。
それは一見よく見かけるようなシンプルで丸みのある細いリング。
一回り小さいサイズのものと、一緒に並んでいるあたりペアリングか。

「これってペアリング?」

「まーそんなとこかな なんか映画か何かで使われるらしくて
 それを一般発売してみようってブランドさん企画なんだけどね」

「へーぇ 映画に出るだけあって デザインは結構イイね」

「お、じゃー買っちゃう?」

「メンズ用だけね」

「あーそれ無理だわ これ2本売りだから。リングの裏見てみ?」

言われるがままにリングの裏を見る。
1本目に書いてあったのはlove  ペアリングによくあるパターンだな。と思う。
2本目に書いてあるのはeternal
P R
+ Category +
+ Recent Comment +
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:risakiss
読者になる
Yapme!一覧
読者になる