小さな恋物語 ♯0 プロローグ

February 26 [Sun], 2012, 19:30
「かえー、下りてこーい、電車遅れるぞー」
「楓ー、はやくしろよー」
「電車遅れたら三人分帰りおごれよー!」
三人の大声が飛んできて、目が覚めた。下の階からもお母さんの声が聞こえる。
「んー...と、何、時...」
ベットサイドの時計が指す時間は、七時三十分。
えっ、しちじ、さんじゅっぷん?
「わぁっ、どうしよう!」
ベットから跳ね起きて、鏡を見る。幸いなことに寝癖はあまりついていない。
「おー、楓、やっと起きたか。」
「ったく、毎日七時半起きって、一歩間違えれば遅刻だよな。」
「俺らが自転車買ったから駅まで三十秒くらいだけど。」
三人ののんきなおしゃべりが聞こえる。
セーラー服のリボンを結び終えて、スカートを整えて、髪を少し梳かして、歯磨きをして、階段を一気に駆け下りた。
「あっ、楓、お弁当と...ヨーグルトのタッパ、はい。」
「お母さんありがとっ、ね、髪はねてる?」
「大丈夫大丈夫、ほら、早く行かないと樹くんたち待ってるわよ。」
「おねえちゃん、はい、リボン。これ付けてかないと!」
リビングでのんきにベーグルを食べながら、縁がリボンバレッタを差し出した。右の方の髪にぱっちりと留めて、ポケットの中から鏡を出して確認する。
「よし、縁、ありがと。」
「ほら、おねえちゃん、早く行かないと遅刻!」
「楓、いってらっしゃーい」
2人の声におされながら、ドアを開いた。玄関の前で背の高い順に、樹・悠斗・健太が並んでいる。
「ほら、乗れよ。」
樹が自分の後ろをゆびさした。勢いで自転車にまたがる。
「ちゃんと掴まってろよー。うし、行くか!」
樹の肩に手をのせながら、立ち乗りをする。微かな桜の匂いと、樹の匂い。手から熱が伝わらないか心配。ほっぺはきっと真っ赤だろうな。
三人の自転車がゆっくりと動き始めた。
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