<原発作業>がん労災に目安 累積被ばく線量など2点で判断

September 28 [Fri], 2012, 21:29
 厚生労働省は28日、原発作業員などの放射線業務従事者が発症する胃▽食道▽結腸の三つのがんについて、労災補償する際の被ばくの目安を発表した。(1)累積被ばく線量が100ミリシーベルト以上(2)放射線業務による被ばく開始から発症まで5年以上たっている−−の2点を、業務との関連性が強いと判断する目安としている。

 東京電力によると、福島第1原発の復旧作業で累積被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた作業員は8月末現在で167人に上っている。

 同原発事故前の09年12月と11年2月に2人の原発作業員から三つのがん発症について労災申請があった。これを受け、厚労省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」が、過去の文献を基に▽被ばく線量が100〜200ミリシーベルト以上の場合にリスクの上昇が認められる▽最小潜伏期間は5〜10年程度−−などとする報告書をまとめた。発表した目安はこの報告書に基づくもの。

 厚労省は2人について労災認定したか明らかにしていない。

 労災認定された原発作業員は76年以降11人で白血病6人▽多発性骨髄腫2人▽悪性リンパ腫3人。白血病には被ばく線量年間5ミリシーベルト以上とする認定要件があり、多発性骨髄腫は累積50ミリシーベルト以上、悪性リンパ腫は年間25ミリシーベルト以上とする目安がある。【市川明代】

 ◇死亡確率0.5%増

 各国に放射線防護策を勧告している国際放射線防護委員会(ICRP)は広島・長崎の原爆被爆者の追跡調査に基づき、累積100ミリシーベルト以上の被ばくになると、白血病のような血液がんを除くがんの発症率は直線的に増加すると分析。100ミリシーベルトの被ばくで、がんで死亡する確率は0.5%上がるとしている。100ミリシーベルト未満での健康影響は不明だが、ICRPは、可能な限り被ばくを低く抑えるべきだとしている。

 また、短時間に大量の放射線を浴びると、脱毛や出血などの急性障害をもたらし、死に至ることがある。茨城県東海村で発生したJCO臨界事故(99年)では、6〜20シーベルトの被ばくをした作業員2人が死亡した。
P R
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