ウルトラ怪獣列伝 15 リドリアス

February 04 [Wed], 2009, 1:35
 リドリアスは『ウルトラマンコスモス』に登場した中でももっとも重要な怪獣だ。それは『コスモス』のテレビシリーズおよび映画に繰り返し登場するだけでなく、シリーズ全体を象徴する怪獣でもあるからだ。『コスモス』は、「怪獣保護」というそれまでのウルトラにはあまり見られなかったテーマを前面に押し出した作品として知られている。そのテーマを全身で体現していたのがリドリアスだったのだ。 リドリアスは、まず第1話で初登場を果たす。主人公春野ムサシのなじみの怪獣として鏑矢諸島という怪獣保護区域に生息していたリドリアスは、宇宙からやってきた「光のウイルス」カオスヘッダーによって凶暴化しカオスリドリアスとなる。ムサシがウルトラマンと一体化し、カオスヘッダーを切り離すことでリドリアスを元のおとなしい怪獣に戻す。以降も『コスモス』のシリーズの節目となる回(たとえば、コスモスがエクリプスモードを獲得する第30話や最終回)にたびたびリドリアスは登場する。 リドリアスが『コスモス』登場怪獣の先陣を切る存在として象徴的だったのは、鳥型の怪獣だったということだ。鳥は言うまでもなく空を飛ぶことが出来る。ウルトラマンもまた空を飛ぶ。この「空を飛ぶ」という行為に、作り手の思いのようなものがこめられているような気がする。「夢」「勇気」「優しさ」といった、ともすれば歯の浮きそうになる言葉に『コスモス』は正面から向き合っていたが、それは『コスモス』が掲げた「怪獣保護」という見かけのテーマの裏に隠された「他者との共存」「コミュニケーションの重要性」といった真のテーマにかけられていた。そのテーマの実現。すなわち夢の実現というものが、「空を飛ぶ」という行為に象徴的に託されているように思える。だからこそ、『コスモス』第1話の怪獣は鳥型の怪獣でなければならなかったのではないだろうか。 『コスモス』はテレビシリーズ放送開始とほぼ同時期に、映画も公開されている(註1)。それはテレビシリーズ第1話の8年前の出来事を描いたもので、ウルトラマンコスモスがはじめて地球にやってきた時のこと、子供時代の春野ムサシとコスモスの出会いが語られたものだ。その映画の中で、まだ小学生だったムサシがコスモスの手の上に乗って空を飛ぶシーンが出て来る。映画でのこのシーンが、そのままテレビシリーズ第1話での鳥型怪獣リドリアスと重ね合わされているのではないだろうか。ウルトラマンの手の上に乗せられて空を飛ぶ少年ムサシ。その時、彼の心の中には(まだ明確なかたちになっていないとはいえ)ひとつの夢が生まれたのではないだろうか。長じてSRCのパイロットとなったムサシは、怪獣保護チームのTeam EYESに入隊する。ムサシとリドリアスは第1話冒頭の時点で既に友達であり、いっぽうは飛行機を操縦して、もういっぽうは巨大な翼を動かして、ともに空を飛んでいる。それは、ウルトラマンの手の上に乗って空を飛んだ少年が、その時の思いを濁らせることなく成長していたことを示している。 円谷プロの創設者であった故円谷英二は、その昔飛行機に憧れ空に憧れていた。『コスモス』の物語の冒頭を飾る映画とテレビシリーズ第1話は、そんな円谷英二へのオマージュであるかに見える。そう考えると、鳥型怪獣であるリドリアスは、ウルトラシリーズ第1作である『ウルトラQ』第1話に登場した鳥型怪獣リトラの末裔であるようにも思えてくるのだ。リトラとリドリアスという同音で始まる名前の類似性とともに、どちらも正義の怪獣である点が共通している。リトラは悪役怪獣であるゴメスを倒し、リドリアスは一時カオスヘッダーにとりつかれて凶暴化したものの、コスモスの力で元のおとなしい怪獣に戻り、これ以降友達であるムサシのピンチにたびたび訪れて彼を助けている。つまり、『コスモス』はその第1話の時点で高らかに原点回帰を謳い上げていたのであり、いっけん奇異に思えた「怪獣を殺さないウルトラマン」という路線も、ウルトラシリーズの歩んできた道の当然の帰結であったのだ。 だが、いっぽうで問題もなかったわけではない。リドリアスをはじめとして、『コスモス』登場怪獣たちは総じて「守られるべき者」として存在する。だから、そこにかつての怪獣たちにあったような荒々しさはない。それまでのウルトラマンの優しい側面のみをクローズアップしたような『コスモス』だが、コスモスが優しさを発揮するためには、怪獣は決してコスモスより強くあってはならないのだ。そこにある種のジレンマが生まれたことも確かであった(註2)。リドリアスを代表格とした『コスモス』の怪獣たちはただの巨大生物であり、ともすればムサシのペットのように見えてしまうことがあった。怪獣というものの存在意義を根底から揺さぶりかねない危険な側面も『コスモス』は持っていたわけだ。しかし、リドリアスのみに話を絞るならば、その意図は明確であるし、他の怪獣たちとは存在感が桁違いである。批判や賞賛など毀誉褒貶の激しい『コスモス』だが、その物語の幕開けを飾る怪獣として、リドリアスの存在は群をぬいている。(註1)2001年公開の映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』。これ以降、2002年に映画二作目『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』とそのヴァージョン違いの『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET ムサシ13歳少年篇』、2003年に三作目『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』と合計3本(プラス1本)の映画がつくられている。(註2)こうしたジレンマを解消するための一種の方便として、「光のウイルス」カオスヘッダーの設定が考え出された。おとなしい怪獣にとりついて凶暴化させるカオスヘッダーは、かつてのシリーズで強豪怪獣や宇宙人たちが受け持っていた「ウルトラマンを苦しめる」という役割を一手に引き受けることとなった。(註3)画像右がカオスヘッダーにとりつかれたカオスリドリアス。普段の状態(画像左および中)に比べて顔つきや体つきが目に見えて変化している。友好巨鳥リドリアス身長 48m体重 5万8千t出身地 鏑矢諸島能力 高速飛行、高い知能弱点 カオスヘッダーにとりつかれて凶暴化登場 『ウルトラマンコスモス』第1話「光との再会」、以降セミレギュラー。カオスリドリアス身長 50m体重 6万t出身地 鏑矢諸島能力 口から光線弱点 ルナエキストラクトでカオスヘッダーを除去登場 『ウルトラマンコスモス』第1話「光との再会」
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