日本のものづくり(製造業)の復活について

March 31 [Mon], 2014, 20:10
日本のものづくり(製造業)の復活について

■日本のものづくり(製造業)の復活について
今日の大学の経営の授業は、日本のものづくりの復活を目指すという内容のビデオでした。そのビデオを見て学んだことを、思いつくままに書いていきます。

・iPodとウォークマンの争いについて
ジョブズが「iPodはソフトウェアなのです」と言っていました。ウォークマンは、MSウォークマンという、iPodと同じ機能を持つものを、iPodより2年早く出していたのですが、ソフトウェアの面で負けたんですね。どのように負けたかというと、iPodは、iTunes Storeで、レコード会社の枠を超えて音楽をダウンロードできるようにしたのに対し、ソニーのMSウォークマンは、ソニー・ミュージックの音楽しかダウンロードできないようにしてしまったのです。また、自社が音楽レーベルを運営しているということもあり、どうしても著作権保護に力を入れてしまうんですね。

著作権保護に力を入れるということは、様々なコピー防止技術を、ダウンロードの時に動作させることになる。となると、ダウンロードに時間がかかるわけですね。こうしたちょっとした時間の差に、消費者はイライラするわけです。そうした時間のロスがないiPodの方に人気が集まったのは、自然なことなのですね。

どんな音楽レーベルの音楽でもダウンロードできて、しかも早い。となれば、ソフトウェアを取り込むことに関しては、どう考えてもiPodの方がいいわけです。なので、ハードウェアでは勝っていたのに、MSウォークマンは、iPodに負けた、というわけですね。

実は、ソニーは過去にも「ハードで勝ったのに、ソフトウェアで負けたため、競争に敗れた」という経験があります。ビデオデッキのVHSとBETAの争いですね。ソニーが開発したBETAは、松下のVHSを技術では上回っていました。再生速度なども早いし、ビデオテープのサイズも小さいし、どう考えてもハードウェアだけ考えればBETAが上でした。

しかしながら、VHSはそれで見ることが出来る映画などのソフト、つまりコンテンツを増やしたことで、競争に勝ったのですね。例えばジブリ映画など、みんなが見たいと思うコンテンツが、BETAではなく、VHSのソフトとして発売されていたことで、それを見るために、人々はVHSを購入したのです。

このように、「ハードで勝ったのにソフトが不足していたため敗れた」という経験があったため、ソニーはMSはウォークマンをリリースした時、自社の音楽をダウンロードできるように、コンテンツを準備しておいたわけです。

しかし、今度は「自社の」というのが問題になったわけですね。確かにソニー・ミュージックにはいいアーティストが多いですが、所詮一社だけでは、世界中のレーベルから音楽を集めたアップルにはかなわないわけです。

なので、ソフト(コンテンツ)を用意した、というところまでは良かったんですが、その豊富さが足りなかったわけですね。もっと豊富である必要があったわけです。

なぜソニーがこうした失敗をしてしまったかというと、答えは「自社にレベールを抱えていた」ということです。これはいいことでもあったのですが、ここで「イノベーションのジレンマ」という言葉を紹介したいと思います。

・イノベーションのジレンマ
これは、「イノベーションを起こした企業が、そのイノベーションによって、自らの首を閉めてしまう」というものです。

たとえば、ソニーが自分のグループの中に音楽レーベルを持ったり、映画の事業部門を抱えたりしたことは、すぐれたイノベーションでした。実際に、本業である家電が巨額の赤字を出している今も、これらの音楽部門、映画部門などは、黒字を出しています。このおかげでソニーは持っているようなものです。

なので、このイノベーションは成功だったのですが、iPodとMSウォークマンの争いでは、このイノベーションが原因で、負けてしまったわけです。これが「イノベーションのジレンマ」の一例です。

「イノベーションのジレンマ」は、ソニー以外の日本の家電メーカーにも言えます。例えばシャープですね。シャープの亀山工場や堺工場などは、まさにイノベーションのジレンマの典型です。

シャープを始めとした日本の製造業は、「高い技術を持ち、それをブラックボックスの中で公開せず、生産を行う」というスタイルをとっていました。このスタイルによって一時期は世界を席巻しており、例えば液晶パネルの生産では、2001年の時点で、シャープは世界のシェアのほぼ8割を占めていました。その時、サムスンのシェアはわずか1パーセント程度でした。

しかし、それがたったの4年で、逆転されてしまいます。一時期は世界を完全に制していたシャープのスタイル「高い技術」「ブラックボックス」は、それがまた、シャープの首をしめる原因になったのです。

なぜなら、世界の人々は、そんな高い技術を求めていないからです。テレビは基本的に映像がうつればいい。そして、壊れなければいい。あとは、価格は安ければ安いほどいい。というのが世界のニーズです。

シャープはなまじ高い技術を持っており、その技術によって、先進国の富裕層に商品を売ることが出来ていたため、新興国市場にシフトするのが遅れたのですね。リーマン・ショックで、欧米の富裕層の購買力が弱まり、その時になって初めて、新興国市場に目を向けるようになったのです。

そして、新興国市場で求められるのは、わずかな違いを極めた高級品ではなく「とりあえず問題なく動く、安い商品」です。こうしたものを売るというのは、これまでシャープが掲げてきた「高い技術」とは相反するものだったんですね。高い技術でイノベーションを起こし続けたシャープですが、それが原因で、新興国市場にシフトすることがおくれ、サムスンに敗れる事態に陥ったわけです。

また、ブラックボックスも、シャープが敗れた原因です。サムスンは、製造過程をすべてオープンにしていました。サムスンの工場に材料を納品する材料業者なども、どんどんラインに入れていました。そして、アドバイスを求めました。材料業者の目から見て、ラインの改善点はないか?と。

こうしたオープンな姿勢によって、サムスンの元には多くの情報があつまり、改善案も多く出て、どんどん製造効率が改善されていき、そうして、ますます安い商品を早く作れるようになったわけです。

なので、シャープはブラックボックスによって繁栄したわけですが、そのブラックボックスによって、また落ちたわけですね。ブラックボックス化せず、サムスンのように製造工程をオープンにしていたら、もっと効率のいい生産が出来たかも知れないのです。

というように、シャープもまたイノベーションのジレンマによって衰退してしまった企業の一つなんですね。

と言っても、ソニーにしてもシャープにしても、明るい兆しも見え始めており、(例えばソニーのテレビは、インドでのシェアはトップである、など)今後の日本のものづくりの復活に期待したいと思います。


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