01.おはようのキスで 

2007年05月30日(水) 14時13分



朝の爽やかな光が薄いカーテン越しに部屋へ入り、跡部は緩やかな休日、緩やかに目が覚めた。
目が覚めた、とは言っても未だ脳は眠っているようで、視界も頭もぼんやりと霞みがかっている。

色素の薄い碧の瞳は光に弱く、数回ぱちぱちと幼い動作で瞬きしてから、そこでやっと室内の明るさに慣れた瞳を開いた。
その碧い瞳を惜し気もなく晒して、キョロ、と辺りを見渡す。

「……手塚…?」

少し肌寒く感じるのは、昨夜自分を抱き締めて眠った筈の手塚がベッドに居ないからだと、そこまでしてやっと気が付いた。やはりまだ頭が寝ているらしい。

広いダブルベッドに、(昨夜、確かに手塚が居た筈の場所だ)手を伸ばして触れる。
そこはもう冷え切って冷たくなっており、手塚が起きてから結構な時間が経っている事を跡部に理解させた。


跡部はゆったりとした動作でベッドから腰を上げた。
そして、床に無造作に散らばっている手塚のカッターシャツを拾い上げ、適当に皺を伸ばして素肌の上に羽織る。
昨夜の常時のまま放ったらかしにされていたそのシャツは、汗や精液が染み付いていた。
(しかし最中に着ていた自分のシャツよりは遥かにマシだと、跡部は思った。)

裸足の足をぺたぺたと鳴らしながら室内の光の根源に近寄り、綺麗に拭かれた窓を開ける。
寝起きの瞳には眩し過ぎる朝日に、意図せず目を細めた。

「跡部、起きたのか」

突然背後から声が降り懸かり、聞き慣れた筈のその低いローボイスに、跡部の鼓動はドキンと大きく打った。

「…ん…あぁ、今な」
「なんだ、詰まらないな」

振り返るとやはり聞き慣れた声の主は見慣れた恋人で、自分とは違ってシャツをきっちりと着込んだ姿で、薄暗い室内をゆっくりとこちらに近寄って来ていた。

「詰まんねぇってどう言う意味だよ」
「お前がいつまで経っても起きないからな」
「…悪かったな」

余程熟睡していたらしい自分が恥ずかしくなり、跡部は手塚から視線を逸らして赤くなる。

しかし手塚の方はそんな様子を気に止めた風は全くなく、一歩、また一歩と、跡部との距離を確実に縮めて行く。
影が重なる程近くまで来て、そこで跡部はやっと顔を上げた。

「お前が中々起きないから、おはようのキスでもしてやろうかと思って来たんだが」

そう言って手塚は、朝日の光で透ける金茶色の細い髪に指を通し滑らかに後頭部に掌を添えると優しく抱き寄せた。
そして、驚きに目を見開き真っ赤になった跡部の唇に、己の唇をゆっくりと重ねたのだ。











おはようのスを





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手塚が誰お前みたいなキャラになった。つか同棲中なのかな(聞かれても)
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