第8章

January 07 [Sat], 2012, 17:11
第8章


しまった・・・お父さんの家は私知らないんだった・・・

「まいったな・・・どうしよう。」

考えながらとぼとぼ歩いていると、

正面からスエルが歩いてくるのが見えた。

「ちょっと、スエル!!ずいぶん探したのよ!?

・・・あなた、何持ってるの?」

ルナはスエルが抱えている

大きい本を指差した。

「これは希望の本と言うんだって。父さんから

譲ってもらったの。」

スエルは、父親に聞いたことや、

契約、魔女のことをルナに話した。

「じゃぁ、それが魔女に対抗する唯一の手段なのね?」

「そうなるね。とりあえず、その魔女の魔力を封じた

魔石って言うのが、神霊山という天麗宮にある

霊峰の洞窟にあるらしいの。そこを見に行こうと思う。」

スエルは自信が溢れているように見えた。

「じゃぁ、取りあえず天麗宮に戻らないとね。

・・・あ。」

ルナは思い出したかのように、

「悠汰くんって一体何なの??」

スエルは目を丸くした。

ルナも、蒼井に会ったのか。

「あ・・・蒼井の、事?」

「そうよ、蒼井悠汰君。

何故人間なのに妖精の羽が見えるのかな・・・」

ルナはその事が不思議でならなかったのだ。

「な・・・なんでだろうね。不思議だよねっ うん。」

何だか、スエルの様子が変だ。

「どうしたの、スエル。汗すごいよ?」

「え・・・あ。なんでもないよ!?

沢山歩いたから疲れちゃったのかなっ。」

そっか。と、スエルの気持ちに気づけない

ルナは微笑んだ。

スエルは心配だった。

ルナも蒼井のことが好きなのではないかと。

「ル・・・ルナはさ。」

ルナの少し前を歩きながら話しかける。

「蒼井のこと・・・どう思ってるの?」

振り返らずに。

赤くなっているのがバレてしまわない様に。

「ん?悠汰君?普通にいい人だと思うよ。

助けてくれたし。かっこいいよね。」

微笑みながら思い返すルナ。

スエルはドキッとする。

『助けてくれたし。』って何だろう・・・

『かっこいい』って、それは好きって事?

「好き・・・なの?」

声が震えてしまったかもしれない。

「好きって・・・やだ、もちろん友達としてよ?」

スエルが何を言いたいのかわかって、

ルナは慌てて否定する。

「スエルは、好きなのね。悠汰君の事。」

思いがけない一言にスエルの顔は

ますます紅潮する。

「なっ・・・ななな何言ってるのよっ!?

別にそんなんじゃないってば!!」

あからさまなスエルの態度に、

思わず笑ってしまう。

「別に隠すことじゃないじゃない。

応援するからね。」

もうすぐ、天麗宮へ通ずる扉のある時計塔に着く。

スエルは溢れた涙を拭き、

笑顔で振り返った。

「ありがとう、ルナ。次に蒼井に会った時頑張ってみる。」

その意気よ。と言いながらルナはスエルの手を取り、

天麗宮への扉を開いた。

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