担当:夾 

December 10 [Sat], 2005, 23:00
「おや?行くのかぃ?」

むさ苦しいくらい香を焚いて、爪には紅を塗った女


そして女の目の前には少女が   



ひ  と  り








■序章:An opening of a girl and a woman and a trip■






女が“天使”に出会ったのはまさに運命。

神様なんざこれっぽっちも信じていなかった女が

おそらく人生の中で唯一神様に感謝かしら? と考えたのは


この“天使”の仕業 だった。



朝と呼ぶにはまだ早すぎるか、ようやく空も白みを帯びてきたこの時間
女はいつものように湯浴みをしていた。
普段は五月蝿いくらいのこの裏通りもやはり静まり返っていて
 この時ばかりは女の浴びている湯の音しか聞こえない




…はずだった。






ッメキメキメキ!!


という(おそらく)壁を突き抜けた音



ドカッ!!!!!バキィィィ!!ミシミシ…

という何かが降ってくるであろうという前触れ

そうして降ってきた。風呂場の天井から






少 

女 


が。




一目見たとたん少女がまともな職を持っているような者ではないということはわかっていたし、
正直面倒ごとに首を突っ込むのも迷惑だ。

それでもこの少女に興味が涌いたのは少女が女の顔を見た時のこの一言にあった。
  



「 腹…減った 」







面白い と 思った

だから 拾って やった。



担当:夾 

December 10 [Sat], 2005, 23:12
とりあえず風呂場から移動して救急箱を探す。

「突然降ってきてびっくりしたよ“天使さん?”」

私の声に反応してゆっくり顔を上げた天使の服は所々を血に濡らしていて、
其の腕には不似合いなくらい豪華な腕輪。
それに気づかないふりをして女は少女の手当てをしていた…つもりだったのだが

其の腕輪。




どこかで見たおぼえがある。 


どこでだろう? 



あぁそうだ。






「…天使さん、其の腕輪。この前新聞で見た気がするんだけど」

「………。」

「確か今、美術館かどこかに展示しているんじゃなかったかな?」





「………。(汗)」





少女の正体は天使ではなく悪魔だったのか。






■■■






 
数日もすれば少女の怪我も治りきっていたが、少女は此処から出てゆく気配も無かった。
美術館では国宝級の腕輪が盗まれた と話題になっていて、明らかにこの少女が犯人。

それとなく正体を探ればストレートな答え


「正体?盗賊だよ。」


担当:錫 

January 06 [Fri], 2006, 11:22
この“天使”に出会ってからというもの、
長い間独り身だった私に『ペット』というものが出来たようだった。



「なー姐さん〜、腹減ったよーぅ。」

天使は胡坐をかき、クッションを包帯だらけの腕で弄びながら訴えた。


「あらあら、あなたそんなに細くて小さな体してるクセによく食べるのね。」

私は苦笑しながら皮肉を一つ、
そうすると天使は子どものように、その言葉に頬を膨らませた。





■■■



ここ数日住まわせてやっている限り、この子どものような人物が“盗賊”をやっているとは思えない。
それも盗むものは一級品ばかり。


「そんな事ないぞ、生活に困ったらスリぐらいやってるし。」

“天使”は当然のようにこう口にしていたのを覚えているが、
これを咎める気になれないのは、この“天使”の気質と言うものだろう。


「なぜ盗賊をやっているのか。」

それを聞いた事もあるが、天使はポカンとした後、ニヤリと口を歪ませながら、


「どーしてだと思う?」

そう言ってのけた。


理由はともあれ、只おもしろがっているのだろう。
別に理由がないにしろ、この天使なら






男たちがよく口にする、この安っぽくなってしまったこの言葉が似合うと思ったし、
逆に彼女になら高貴な言葉だと思えた。




■■■



「!そーっだ、姐さん!このまま無賃で居座ってるのもなんだからなんか盗ってきてやるよ!なんかほしいもんはないのか?」


天使ご所望の食事中、彼女は弾かれたように言ってのけた。
箸を口に咥えたまま。

私は半ば呆れながらも、多少嬉しく思いつつ返した。

担当:錫 

January 12 [Thu], 2006, 23:31



「なんか欲しいもんはないのか?」



天使がこういった後、私は微笑みながら、

「貴方がいるだけで十分満足よ。」

そう返したが、胸中、微かな揺らぎが波打った事に気がついた。



勿論、天使がいるのはとても嬉しい事だ。恩を返して貰おうなんて思った事はない。

しかし・・・、



「姐さんって無欲だよな〜。」

と、天使が返した言葉がなんだか皮肉に聞こえたのは、そうでないと自分でわかっているからだろう。

心がチリと痛むのは、己の深い深い欲望。
欲のない人間なんて、この世にはいないのよ。





この穢れなく罪を犯す天使が、また箸を進め始めたのを眺めながら、そんな事を、ふと、考えていた。

担当:こぷた 

February 04 [Sat], 2006, 18:20

担当:こぷた 

February 04 [Sat], 2006, 23:41
「キィ〜口惜し!!」

美術館の館長デデロは、奇声なのか悲鳴なのか分からない声を上げ
口髭を指になぞり、小柄な体を揺らしながら歩いていた。
それをまるで見下すかのように見ている男がいた。
いや、銀髪の長髪を束ね、前髪には少し金色が入っている
その顔は『男』と言うよりむしろ『美女』と言ってもいい顔であるが
長身な体で、その顔には余りにも似合わない鍛えられた体
で彼が女と間違えられることはないだろう。

そして彼はその館内にいる者とは明らかに違う点があった。

銀色の髪からは長く尖った耳が出ていた
そう男はこの時代には珍しいハーフエルフなのだ


「まったく初日ですよ!?ショ・ニ・チ!!このデデロがあらゆる手で手に入れた
コレクション達を公開した初日に盗賊に盗まれるなんてキィーーーー」
「ハァ・・・館長そう言われましても」
「お黙りんシャイ!!」
館長の身長を2倍はある警備員はその甲高い声で
デカイ体を小さくし小声でボソボロと
「そんなぁ・・・」と言っていた。

「で・・・何をすればよろしいのですか?」
このままだと館長の奇声を長々と聞きそうになると思い
男は館長の機嫌を損なわぬように言った

「おぉ、そうじゃついつい我を忘れてしまったわい・・・
用件をまだ言ってなかったねスゲくん」
「・・・シュガです」

はぁ・・・こんな低脳な人間に依頼されるなんて
しかしこのままだと次の街に行く金がないしそしてなにより・・・

「おひぃ〜シュガご飯まだかよ〜」

小動物のような人形のようなペットがシュガのフードから出てきた
そうそう、コイツのエサ代を稼がないといけないんだよな・・・
 


館長は奥にある部屋を案内しシュガと一匹に言った

「こいつを一週間の間に守ってくれそれができれば報酬はいくらでもやろう」

          そこには一つの古びた首飾りがあった 
 
  

担当:シュウ 

February 05 [Sun], 2006, 19:17

担当:シュウ 

February 05 [Sun], 2006, 19:24
■■■

「さぁ、もう寝る時関よ」

食事を終え、いくつかのくだらない話をしたあとに女は言った。

ふぁい、とあくび交じりの返事をして、天使は階段を上り始める。

2階でパタンとドアが閉まる音がすると、女は部屋の隅にある机の引き出しを静かに開けた。

そこには一枚の古い写真。2人の人物が並んで写っている。

一人は長身の女で、茶色の髪を結い上げ美しい青いドレスを着ている。

天使が姐さんと慕う女の若い頃の姿だ。

もうひとりはまだ幼さの残る少女。

肩までの黒髪でピンクのドレスを着ており、首には花の形をした首飾りをつけていた。

「ローラ・・・」

静かに女は呟く。

それが少女の名だった。

■■■

t担当:夾 

February 19 [Sun], 2006, 0:43
願えばか叶う?

違うでしょう。

動き出さなきゃ始まらない。





其の日は朝から騒がしかった。

人々の声 舞い散る色とりどりの紙吹雪。

「今日は何か特別なことでもあるのか?」

あまりにもいつもと違いすぎる町の様子を見て天使は尋ねた。
心なしかウキウキとした声色とは対照的に女は一言答えた。

「えぇ、そうね。」

まるで他人事のような其の様子に天使が気づかないわけも無く
不思議そうな其の顔に答えるように女は目の前のテーブルに静かに一枚の紙を置いた。
それにはこのように書かれていた。

『美術館十周年記念展示会 今回のメインはコレだ』

其の文面の下には美しい花を模った首飾りの写真。
モノクロにもかかわらず目を引いた其れはどうやら天使の目にも適ったらしい。

「これ…“イイモノ”だね?」

そういいながら写真から目を離さない天使の様子を見ていた女の表情は硬かった。





天使が“獲物”の価値を図る基準を女は知らない。
装飾がどうだと専門的な知識も持っていはしない。
それでも、少なくとも自分には命を懸けるほどの価値が其の首飾りにはあった。



天使は写真を見つめている。

女の中にほんの少しだけ生まれた 期待。
 
其れは希望というには少し卑怯で後ろめたい感情。

担当:夾 

February 19 [Sun], 2006, 1:02
そんな感情に押しつぶされそうになっているときにあの男はやってきた。



「失礼しますよ」





バタン





という扉の開いた音と同時に金切り声のようなものとコツコツという杖をつく音。

「まったく…あいかわらず汚らしい街並みですね」

そういいながら家の主の断りも無くずかずかと入ってきた男。

「デデロ…さん」

とってつけたような女の言い回しににんまりと顔を歪めた其の男は
机の上にある紙を見て更に笑みを深くした。

「おやぁ?見ていただけましたか。今回のメインコレクション」

そう得意げ言うとゆっくりと部屋の中を歩き回る。

「これを手に入れるのにも苦労しましてねぇ…」

コレクションの自慢話をするのがこの男の癖だ。

「毎回そうですがこの手の装飾の首飾りは本当に珍しく―…



女の体が小刻みに震えた。




「おっと…失礼。これは確かあなたの妹さんのものでしたかな?」

デデロの顔はこちらを向いてはいない。
だが、女を侮辱しているととるには十分。

コツリコツリと耳障りな音を立てる杖の音でさえ癪に障る。

「妹さんは本当にお優しい方ですねぇ。この街を守るためにコレを私に譲って下さった!」

うっとり という効果音が似合いそうな言い回しでそういう男。

「其のおかげでこの古臭い街並みは守られてきた!!!」

宝●にでも入団したいのか?
窓辺に向かって両手を広げている其の光景はなんだか滑稽だ。


女の顔に表情は無かった。
其れが意識してか、それとも無意識でか其れは誰にもわからなかったが
次の一言で其れはいとも簡単に崩れる。


「あぁ、でも其れもここまでですね」
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