習作 

2006年06月02日(金) 14時33分
金時計
赤いネズミ

おかあさん、おかあさん、
どうか妹だけは食べないで。


ゲノムと別でス。

ドッペルゲンゲル 

2006年03月22日(水) 23時29分
ヴァーチャル世界へログイン時に、情報が反射して投影された二重体。二重映像。
位置データ等が重複して残されるが、バグ処理やアップデートの際に通常は自動処理される。

全く同じ自我を持つほど高性能な投影は基本的にはない。

ロジック・バインド 

2006年03月20日(月) 23時54分
ダブルバインドを人為的に引き起こす、など方法は様々ながら
強制的にユーザーをヴァーチャル世界内へ束縛する手法の総称。
主に拷問や恐喝に使用されるため、
長時間のログインが見られるユーザーはホストから状態チェック或いは
直接の問い合わせが入る場合がある。

脳内走査 

2006年03月18日(土) 23時50分
ブレインスキャン。


直接脳を走査することにより記憶や思考を電位的に読み取ろうとする試み。

生体素子 

2006年03月16日(木) 23時36分

グリア細胞質、ロジック塩基、塩基配列によるデータ保存
分裂速度をコントロールされたガン細胞。

※正常な細胞は分裂50回程度で死滅するため不適。

ヒュプノ・メディカ 

2006年03月14日(火) 22時57分
見渡す限りの目のさめる青の海、その真ん中の寝台で彼女は本を読んでいた。

見舞い人のパーミッションでは、この白い砂浜から先へ踏み出せないために僕は困惑する。
リータ、と呼ぶと彼女はようやく顔を上げると微笑んだ。




患者達にはある程度、好きなように病室の空間を作り変える権限が与えられている。
――…トラウマを癒す為に、耐え難い悲しみを慰めるために、本来の意義を求めれば社会復帰の訓練の為に。

しかし、弊害はどこにでも発生する。
自らの箱庭の楽園に執着し、強制ログアウトさせれば発狂する『引きこもり』の患者達。

期待通り、は期待を超えることが出来ない。
思い通り、は『思いがけない』ものとはならない。
その不毛で孤独な楽園。

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502号室、リータ。
海難事故の後遺症、脳障害による半身麻痺。
家族の遺体発見時の画像データを依頼、書物の外装にて見舞い品の体裁をとり、受け渡し完了。

彼女の海は荒れることは無いだろう。
醜くはなれないだろう。
記憶と戦う事を望んでいるのに。

異端回路 

2006年03月13日(月) 16時05分
仮想・武蔵野市の空は夕暮れに差し掛かる頃、西南の方角にたまにバグが出て立体ホログラムの色調を乱す。ご丁寧に『毎日違う色の空を!』という自然に忠実で贅沢な、そしてよりリアルにするがための煩雑条件を組み込んである弊害だ。

――このあいだ、直してやったのに。

どうせ季節データの切り替えにも失敗したんだろう。またバイトの依頼が来るかもしれない。

黒猫『こんにちは』

漆黒の毛並みがしなやかに現れると、足元から彼を見上げてくる。
猫のペルソナを持つ情報体だった。
この視覚がヴァーチャル網膜ディスプレイである事も、特に意識にはない。

黒猫『あなたかしら。 ちがうのかしら』

猫のやわらかな囁き、景観のオプションの為のヴァーチャル・アニマルかもしれない。
彼らが不思議の国よろしく言葉を話すことなど珍しくはないが、奇妙な事に名称さえアナライズできなかった。――否、それ以上に、データ量が汎用ペットの域を超えて計測エラーを叩き出している。

これはなんだ。


黒猫『もっと探さなきゃ… 』

長い尻尾を揺らすとそれっきり、見向きもせずに猫はホログラムの路地裏に消えた。外部アクセスの偽装者がいる可能性はあるものの、この単調な問いと行動。
フォーマットに失敗されたか、登録された主人のデータを見失ったバーチャル・ペットだろう。
身勝手な主人が自分のペットを好き勝手に改造するのはよくある話で、そのうち飽きて忘れ去るのもありきたりな話だ。ただなんとなく、無機質なものというには繊細な印象を受けたけれども。
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