イタリア撃破! 日本ラグビー、進化の理由。〜スクラム強化が呼んだ10連勝〜

October 15 [Sun], 2017, 16:48




(Number Web)



 秩父宮がひとつになった。


 6月21日のイタリア戦。26−23に追い上げられて迎えた残り5分。スタンドの1万3816人から、期せずして大きな拍手が沸き起こったのだ。


 絶対に勝て! 絶対に勝とう! その思いはピッチ上の15人に届いた。イタリア陣でスクラムを得た日本は低い姿勢で相手FWを押し込む。反則を得ると再びスクラム。大歓声の中、再びスクラムを押し、タイムアップのホーンが響く中でまたも反則を勝ち取る。スタジアムが歓喜の雄叫びに包まれる。勝った!


 相手は過去5戦5敗のイタリアだ。主力数人を欠くものの、この日で107キャップのLOマルコ?ボルトラミ、ちょうど100キャップのFLマウロ?ベルガマスコを筆頭に、BKの若手マーキュリアル スーパーフライ -ハイパーダンク 2017で全員が欧州6カ国対抗で揉まれている猛者揃い。日本代表はそんな難敵を破り、昨秋からテストマッチ10連勝を飾ったのだ。


「勝因はスクラム。それ以外に勝てる要素はなかった」


 エディ?ジョーンズ?ヘッドコーチ(HC)がFWを称える。しかし日本のスクラムは、-12年秋の欧州遠征ではルーマニア、グルジアに粉砕されていたのだ。


 いったい何が変わったのか。


「スクラムの文化が変わりました」と選手が語る根拠。


「スクラムの文化が変わりました」


 と明かすのは-11年からテストマッチ皆勤を続ける日本FWの柱?畠山健介だ。


「以前の日本はスクラムはボールを出すだけだったけど、今は反則を取ろう、ペナルティトライを取ろうというメンタリティに変わった。何よりフロントローだけじゃなく、バックファイブ(FW第2列と第3列)の押す意識が変わりました」


 意識だけではない。日本代表は-12年秋の欧州遠征から、元フランス代表HOのマルク?ダルマゾの下、FW8人が一体になって組むスクラム構築に一貫して取り組んできた。8対8で組み合ったまま円を描くように動き、上下左右に動き、人を乗せて組み続けた。足を置く位置、膝の角度、相手の動きへの対応と味方の連携を細かく反復し、修正を重ねてきた。


 試合後、最前列でスクラムを支えた三上正貴、堀江翔太、畠山が次々にテレビのインタビューを受ける。「初めてです」と三上が照れる横を、チームメイトが笑みを浮かべて通り過ぎる。チームの一体感を感じる、温かい光景だった。

文=大友信彦

photograph by Shinsuke Ida