税金のお話

August 11 [Mon], 2014, 13:44
ある所に、ひとりの村長が治める小さな村がありました。
村には、お金が沢山ある「富民」と、それとは逆の「貧民」がいます。ある朝、貧民達は言いました。
「私達の中には綺麗な水が飲めなくて、腹を壊す者が沢山いる。けれど、綺麗な水は貴重だから高い。どうにかして、安くて綺麗な水を飲めるようになりませんか」
これが《世間の声》です。

それを聞いた村長は言いました。
「そうか、では村にみんなで使える共有(=公共)の井戸を掘ろう。けれど、井戸を掘るのには沢山のお金が掛かる。だから少しづつ、同じ額だけ、お金をみんなで出し合おう」
このお金が《税金》です。
また、何に使うか
ということが《税金の使い道》になります。

貧民達は言いました。
「ありがとうございます。けれど、富民はあれだけお金を持っているのに、同じ額では負担が不公平ではありませんか?彼らはリンゴを幾つか使って朝のジュースにしますが、私達はその一つのリンゴを手に入れるだけでも一苦労なのです」
なるほど、と思った村長は言いました。
「では、富民は多めにお金を出すように」
これが《所得税》です。

これを聞いた富民は怒りました。
「払わなきゃいけない額が違うなんて、それこそ不公平過ぎる。金は元々沢山持っていた者も居るが、頑張って働いて沢山手に入れた者も居るんだ。それをただ持っている額が多いからって、沢山払えなどと」

富民側の声は瞬く間のうちに大きくなり、やがて富民の中から、自らを貧民だと嘘をついて払う額を減らそうとする者まで現れました。これが《脱税》です。

貧民は言い返します。
「沢山持っているんだから、負担が多くなるのは当たり前でしょう。同じ村人なんだから協力してください」
富民も負けません。
「それを言うのなら言わせてもらうがね、こっちは井戸なんて不要なもの、なくても困らないんだよ!」

言い合いは夜まで続き、ついに見かねた村長が口を開きました。
「分かった、分かったよ。お金は私が頭を下げて隣の村から少し、借りてくる事にしよう。そして、代わりに額を全体的に減らそう。それで良いだろう?」
これが《減税》です。
また、他の領地からお金を借りることを《国際的な借金》と言います。

村長はそこまで言うと溜め息を吐きました。
「… 但し、ここも隣村も治めているのは人間だ。出せる額には限界がある。だから富民よ、すまないが額を増やしてはくれないかね」
真剣な村長を見て、富民達は渋々了解しました。

それからというものの、貧民が通えるような安い学校、病院、道路…何を作るにも村長は、みんなからお金を集めて作りました。

しかし、このままでは隣村からの借金が増えるばかりです。
「助けてくれ…」
どうしたのものかと村長が頭を抱えていると、そこに一人の女性が現れました。

「みんな、村長が大変だと思わないの!?なのに誰も助けようとしないで支払う額を減らせ減らせって。このままではこの村は諸共信用を無くして、どこの村からもお金を借りれなくなってしまうわ!そうなったら、みんなこれからどうする気?」
彼女は《財政破綻》のことを話しました。

「だから私は村長に協力する。村長、私のお金を貸すから、これををこの村のために使ってちょうだい」
そう言うと、彼女は自分のお金を、元々払う額だったものよりも多く渡しました。
これを《国債を買う》といい、このお金を《国民への借金》といいます。

「そうかもしれない」
やがて彼女の意見に同意した貧民、富民が現れ始めました。少しだけお金を多めに渡す者、沢山渡す者。人それぞれでしたが、それでもお金は沢山集まってきます。
村長は申し訳なさと、救われる気持ちでいっぱいになりました。

…数年後。村人の生活も落ち着いてきた頃。村が裕福になり始めたある日、村長はあの女性に話しかけました。
「君があの時言い出してくれなかったら、今頃この村は荒れ果てていただろう。本当に、感謝している」
「何を今更」
女性は微笑みました。
「困ってる時はお互い様でしょう?」

村長は頷きました。
「本当に…本当に有り難いよ。でもね。私もいつまでも君達に甘えたままではいけないと思うんだ」
「だから、村人の払う額を増やそうと思うよ。そしてその中から恩返しとして、君達へのお金に利子を付けて返そう」
こうして集めるお金の額を増やすことを《増税》といいます。

村長は自信あり気に言いましたが、しかし女性はあまり良い顔をしません。
「確かに私がいつまで村を支えて居られるか分からないし、返して貰えるのなら喜んで受け取るわ。でも、本当にそんな事できるのかしら」
「出来ないというのかね?」
「だってそうじゃない!」

女性はきっぱりと言いました。
「これ以上村人の払う額を増やしたら、払えなくなったり、文句を言う人が沢山出てくるわよ!」

これが《今の日本の課題》です。

今、日本では
外国から借りた借金より、国民から借りた借金《国債》の方が多いとされています。
国債を買うかどうかは任意ですが、このお金は必ず本人に返さなくては成りません。
何故なら借りるときに《利子を付けて返す》と約束しているからです。
これを目的として投資する人も少なくないでしょう。

けれど、これが外国からの借金と共に国の負担になっているのもまた事実。
そこを踏まえて、税金がアリか否か。増税がアリか否か。
もう一度、考えてみましょう。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:八歌@ラルス
読者になる
2014年08月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新記事
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/raru7577/index1_0.rdf