独特の感性

May 12 [Tue], 2015, 17:00
今では殆どの学校や企業が四月に新年度を迎えるなか、東京大学では九月入学制度を復活させるそうである。東京大学も遠い昔、帝国大学になる遥か前の明治時代初期には、欧米に倣って九月入学を行っていた。夏目漱石著『三四郎』の主人公も入学が決まって上京したのが九月であった。

 しかしながら、九月の新年度は日本人の情緒に合わないと誰もが思いはじめた。やがて日本中の学校が、初等教育から高等教育に至るまで四月入学を実施するようになった。あらゆる新しい命が芽吹く四月に新年度を開始するやり方は、日本人にしか解らないに拠るところが大きい。
春軍が三月の太陽を味方につけて勢力を巻き返しつつあるからである。冬将軍の最も恐れるのは、押され気味となったシベリア寒気団の一派が、移動性の高気圧となって春側に寝返ることである。そうなる前に、何としてでも春軍を叩かなければならぬ。春軍は春軍でこれ以上冬軍の横暴をゆるす訳にはいかない。シベリア寒気団という大軍を前にしても、春軍には勝算があった。春軍と同盟関係を結んだ太平洋高気圧が後方に控えているからである。もしもの場合、太平洋上から「春一番」という援護射撃を放ってくれる手筈となっている。そうした思惑がぶつかり合い、両軍の最前線が先月の閏二十九日、関東上空で戦火を交えた。戦いの火の粉はやがて地上界にも舞い降りた。舞い降りた火の粉は人の目に触れた途端、雪へと変わった。雪となったからには天上界の激闘も、地上界では甘美な詩にすり替えられる。
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