あいというぞうお

October 03 [Mon], 2011, 23:22
だいぶ前の話になるのですが、今日思い出したので。

ひと月ほど前、渋谷のシネマライズで 「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」 を観ました。

ヘンリー・ダーガーについては こちら
生前、発表を目的とすることもなく、ひたすら 「非現実の王国で」 という特異な作品を編み続けた、アウトサイダー・アーティストです。

…とか書いてますが、実はわたくし作品は未読
何かの雑誌でダーガーについて短い論文を読み、そういえばそんな作家もいたなぁと検索してたら、たまたま上映を知ったのでした。

彼のイラストは、コラージュやトレースを利用した独特の画風。
特に、写真をトレースされたことによるのか?関節が無いのに(笑)人物全体のバランスがとれていてる点が、不思議な魅力を醸し出していました。
同じ構図の少女が繰り返しトレースされているのも、悪夢のようで良い効果。

彼の描く少女にペニスがある点は…まぁいろいろ解釈されていますけど。
女性の身体を知らなかったから、と書かれていることが多いように思いますが…
美しい少女の外観と×大人に立ち向かう勇敢さ、が、彼の理想だったんじゃないのかなぁとか、勝手に妄想したり。

さて、映画の内容ですが。
「非現実の王国で」は、子供奴隷制を持つ軍事国家『グランデリニア』と、カソリック国家『アビエニア』との戦争を描いた作品です。
映画では、そのストーリーとダーガー自身の生涯が並行して描かれています。
キリスト教への篤い信仰、そして、神に裏切られた怒り。

当時の私のメモには、「神への愛と憎悪」とあります。
家族も伴侶も持たなかった彼にとって、イエスが唯一の拠り所だったのでしょう。
愛すれば愛するほど、彼を裏切る神。
他者との交流もなく、自己の中で醸成していく、神への愛と憎悪。

ダーガーを現代のオタク文化に絡めて?論じたものを時折目にします。
しかし、彼が現代に生きていたとしたら、「非現実の王国で」はこれほど禍禍しい魅力を秘めた作品になったでしょうか?
ダーガーがネットを利用して作品を発表し、作品を通して誰かと交流していたら、「非現実の王国」は(一定のコミュニティーに限定されるとしても)もはや彼一人の王国ではなくなるでしょう。
そのとき、彼はあれほどまでの神への感情を、作品に投影できたでしょうか?

多神教もしくは無神論者の多い日本人よりも、キリスト教(一神教)信者の方が、いろいろと考えさせられるのではないかなぁという印象でした。
神に愛を裏切られたとき、人はどうなるのか、という。



…だんだん纏まりがなくなってきたので、取り敢えずここまで。
皆さんも、観る機会があったら是非鑑賞してみてください。
そして、お酒でも飲みながら、語りましょう(笑)。

ではでは


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