煮卵
October 01 [Sat], 2011, 0:00
パジャマの上から匂いを嗅いだ。
午睡の微熱に重く温もったおまえの肉の、忍冬の花のような匂いがした。
少し本を読んで、酒を飲んで、朦朧とした午後の淵に身を投げた。
寝覚めを知らないおまえの夢の中で、堕落の空は青く輝いていた。
伸びやかな手足を劣情に撓ませて、おまえは一頭の仔鹿を掻き抱いていた。
褥を乱す淫らな遊戯を羨望の眼差しで見つめていると、長い接吻に濡れた唇が呟いた。
──煮卵ってあんまり好きじゃない
気がつけばそこで俺は一個の煮卵だった。
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