雲о@ 

2006年05月02日(火) 23時20分
小さな丘の上に一羽のゥサギがいましたо
ゥサギはもの心ついたときからこの丘で一人ぼっちоもちろんこの丘から出たことはありませんо


そんなゥサギの願いは、丘の向こうの世界へ行くことо
毎日毎日ピョン♪ピョン♪雲に向かってピョン♪ピョン♪







 ある晴れた春の日‥
 一片のサクラの花びらが風にのってやってきましたо
『ウサギさんウサギさん、いったいそんなところで何をしてるんですか?』
『僕はあの雲に乗って世界中を旅するんだо』

『私は風に乗って空を舞うことができるけど‥‥о』
『でも、あなたなら大丈夫оきっと大丈夫о』
そう言うとサクラの花びらはまた風に乗ってどこかへ行ってしまいましたо

『大丈夫оきっと大丈夫о』
ゥサギはもう一度自分に言い聞かせましたо







 ある夏の日の夜‥
 一羽のフクロウがやってきましたо
『ウサギさんウサギさん、いったいそんなところで何をしてるんだい?』
『僕はあの雲に乗って世界中を旅するんだо』

『僕はこの翼で大空へはばたくことができるけど‥‥о』
『でも、キミなら大丈夫оきっと大丈夫о』
そう言うとフクロウはまた大空高くはばたいて行きましたо

『大丈夫оきっと大丈夫о』
ゥサギはもう一度自分に言い聞かせましたо

雲оA 

2006年05月02日(火) 23時10分
 ある秋の日の夕暮れ‥
 夕焼けで真っ赤に染まった雲がゥサギに言いましたо

『いいかい、よく聞くんだよ、お前は私に乗ることはできないんだо』

『どうしてですか?あなたの背中に乗せてくださいо』
『もっと高く、あなたに届くようにジャンプの練習をしますからо』
ゥサギは雲の言葉を理解できませんでしたо

『私は空気のような存在о姿や形があっても、背中に乗せてあげることはできないんだよо』
『サクラの花びらもフクロウもキミがあまりにも一生懸命だったから、本当のことを言えないでいたんだよо』

『もうすぐ寒い冬が来るоお前もそろそろ冬の準備をしなさいо』
そう言うと雲は秋の夜空に姿を消してしまいましたо


その日以来、ゥサギは跳ぶことをやめました‥о


そして寒い冬がやってきましたо
夢を失ったゥサギは生きる気力を失くし、あれからずっとその場に臥せてしまったのですо
とても冷たい北風が吹いてもゥサギはそこから動こうとしませんо

ゥサギの手足は寒さでシビレてしまい、とうとう動きたくても動けなくなってしまいましたо
あまりの寒さに意識が薄れ、ゥサギはだんだん眠たくなってきましたо


その時、空からはらはらと雪が降ってきましたо
ゥサギはゆっくりと顔を上げ、空を見上げましたо
”きれいだ”
ゥサギは月明かりにキラキラ光る雪を見て思いましたо


すると一粒の粉雪がゥサギの鼻先に降りてきたのですо

『ゥサギさんゥサギさん、僕は幸せ者ですо』
『僕たちは空の上で生まれて、地面に辿り着くまでの命оみんな孤独の中で消えていくのに、僕はあなたに出会えたо』
『今度またあなたに会えたら、その時は一緒にこの丘で遊びたいなぁ‥‥о』
そう言い終えると、粉雪はゥサギの鼻先で雫となり、地面に落ちてしまいましたо

ゥサギはその雫を優しく手で覆い‥
『大丈夫оきっと大丈夫о』
そう小さな声でささやくと、深く深く覚めることのない眠りについたのですо
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