蜜のあはれ

April 17 [Tue], 2012, 18:07
先日、再放送で見てとても感激したドラマ「火の魚」

その原作が収録されている室生犀星の「蜜のあはれ」が、川崎市の図書館に一冊だけあったので借りてみた。

ドラマでは、その本の装丁をした編集者とのことが描かれていて、ほんものの金魚の魚拓を装丁にあしらったというのに興味が湧いたからだ。

予約して2週間で借りることができた。

和紙なんだけど、一瞬、髪の毛?と思わせるような趣向で、ちょっとエロチック。

で、金魚はどこに行ったのか、と必死で探したがどこにもいない。

出版は1959年で、当時の本は箱(カバー)に入っていたらしい。要するにハードカバーってのは箱のことだったのだろう。金魚の装丁はそのカバーのほうに施されていたようだ。

こういうカバーだったらしい。本物見たいなあ。



そして、本の内容は、というと、、、、

これがすごくおもしろかったのだ。

めくるめく妄想?エロチシズム


妄想なら自信がある私も、昭和の文豪の官能にはかなわないと思い知らされた。



それにしても、私が生まれた年に出版されたこの本、なんと、旧仮名使ひであったのでござゐます。


そして、

「をぢさまの胃潰瘍だって、あたいが入って行って、舐めてあげて…   あたいの燐と、鱗のぬらぬらは、みんな生きているぬらぬらなのよ」などと、金魚が言ふのでござゐます。


わたしも、黒い出目金でも飼って、「たまき」とでも名づけて、妄想しまくってやらふかしらん。

さんざん妄想に耽ったあとに、魚拓にしてあげませう。


素敵ぢゃありませんこと?

親鸞

March 22 [Thu], 2012, 10:39
  

五木寛之著

鎌倉時代初期に浄土真宗を起こしたとされる親鸞の、八歳から三十五歳で新潟に追放されるまでの話。


とてもおもしろかった。

ちょうど、今、大河ドラマでやっている平清盛が隆盛を極めた平安末期から始まっていて、今様大好きの後白河天皇の世になっていて、乱れ切った末法の世といわれている。

大河「平清盛」の画面が汚い、と神戸の市長がクレームをつけたことが話題になったが、これに描かれている都はもっと汚い。

清盛と義朝が競い馬をした鴨の川原などは、死体捨て場になっていて、疫病で死んで腐った死体がごろごろしている。犬は人間の腕をくわえて街中をろうろしている。

清盛がおごり切った(笑)頃の話らしく、京には、六波羅童(ろっぱらわっぱ)という清盛の親衛隊の14〜15歳の悪がき軍団が数百人いて、平氏の悪口を言う人間を取り締まっていて、恐れられている。その六波羅童の頭が、後白河天皇が遊女に生ませた子(清盛の子といううわさもある)で、六波羅王子と呼ばれている。これがまた、拷問が大好きなドSの美少年で、少年親鸞を目の敵にしていて、そこから次々と事件が起こる。

少年親鸞は、恋に悩み、性欲に悩み、また、仏の存在も信じられず悩みに悩みながら成長していく。

どこまで史実なのか、誰が実在した人物なのか、正直、私にはよく分からないけど、すごくおもしろい。


続きの「親鸞ー激動編ー」は、図書館に予約中。

偉大なる、しゅらららぼん

October 25 [Tue], 2011, 13:54
万城目学著

『鴨川ホルモー』 『鹿男あおによし』 『プリンセス・トヨトミ』と、万城目ワールドは好きで、面白かったけど、今回はただの超能力系SF?と思いかけたけど、最後はやっぱり、面白いかな?そうでもないかな?

ビミョーなレビューである。

ていうか、最近、本読んでもあんまり面白くない。

本屋大賞受賞『謎解きはディナーのあとで』なんて、最後まで読むことすらできなかった。どこも面白くなくて。

ただ、若い人の感性について行けなくなったのか?

ヒキタクニオ

October 09 [Sat], 2010, 10:21
『鳶がクルリと』がおもしろかったので、著者の他の作品も図書館で借りてみた。


『桜小僧』
B系のチェリーボーイ(童貞)が、紆余曲折の末、ちょっとだけ成長する話。
アキバ系とか、109とか、若者のくくり(いろいろな系)の描写がおもしろい。

『消し屋A』
博多のヤクザと、カリスマ野球選手の話。
ヤクザって、そこまで悪いのか。そんな人が本当にいるのか?実はもっと悪いのか!
こわい。
絶対、関わりたくないと思う。

鳶がクルリと

October 03 [Sun], 2010, 14:48
ヒキタクニオ著  図書館で借りてきた。

確かドラマでやってて、タイトルは聞いたことがあるが、ドラマは未見。
ヒキタクニオさんも知らないが『狂気の桜』を書いた人で、福岡出身の同世代。


桜陰出身の総合職の女が主人公で、その叔父で日比谷高校出身の学生運動上がり元左翼の鳶頭(かしら)という、東京一偏差値の高い人達と、鳶(とび)の世界の話。

面白かった。

自分の縁のない世界に触れるのは、興味深く、面白い。


私は地域でスポーツ関係のボランティアをしている。
世にはちっとも知られていないが、地域のスポーツ行事を、行政と強力して企画運営する教育委員会から委嘱される役職があって、日本中にいる。
年に10数回休日がつぶれ、月一は夜に委員会。
周囲には謝礼をもらっていると思われているけれど、無償だ。
その他に冠婚葬祭。むしろ、持ち出しばっかリ。
(ま、私は、それほど熱心じゃなく、優先順位を低くしているので他の用があったら休ましてもらうことにしているので、大声で威張れるものでもないが。)

そんなの、なんで20年近くもやってるかというと、
いろんな職業のおっさん達がいて、見てるとかっこいいからだ。

鳶、内装などの職人さん、電気工事の人、大型車の運転手さん、建設業、スポーツクラブの経営者、自衛隊の人、消防隊員の人もいる。もちろん、普通のサラリーマンでスポーツ好き(実は高校野球の選手だったとか)の人もいる。あ、残念。花火師はいない。

みんな忙しいのに、よくも休日にボランティアまでやれるものだ。
その人たちが、適材適所に人を配置して、きびきびと段取りをして、運動会などを仕切っているのを見ると惚れ惚れする。
なにせ、それぞれがその道のスペシャリスト。
驚くべき手際の良さだ。うっとりする。
ソフトボールの大会前に河川敷のグラウンドが傷んでいると、当日の朝にどこからともなく重機が現われて、奇跡のように使えるようになったりする。

周りに公務員とサラリーマンしかいない環境にいたから、最初(まだ30そこそこくらいの可愛かったころ)、ものすごい新鮮で、特に鳶の人にはいろんなことを教えてもらった。

ワイヤーを結ばないでほどいてつなぐ方法とか。
おかげで、編物するとき、毛糸を結び目無しでつなぐことができる。

祭りの時には、半纏が似合う人がいっぱいだし。鳶の人が木遣りを謡うのもとてもステキ。

それに、スノーボードも登山も、この団体の仲間がきっかけを作ってくれた。

そんなことが嬉しくて、ずっと続けてきてしまった。
私自身はあんまり役に立ってないのに。

そうなると、しがないサラリーマンの夫が休日に部屋でごろごろしているを見ると、キツイものがある。
お父さん、ほんと、残念だよ。
なんかブルーカラーの人達を上から目線で見てるようだけど。


別に、誰かに恋をしてしまって大変なことになってしまった、とかそんなことはないけどね。


よかった。
私には玉木 宏がいて。(そこ?)

やさしい訴え

September 30 [Thu], 2010, 16:52
小川洋子著 

図書館で、背表紙だけで目に止まり、装丁の感じとタイトルだけで選んだ本が、クラシック音楽にまつわるストーリーである確率が高い。どして?

夫の暴力から逃げてきた女と、婚約者を結婚直前に婚約者のもう一人の恋人に殺された女と、人前で演奏ができなくなったピアニスト(チェンバロ製作者)の三角関係のせつない話。

タイトルは、ジャン=フィリップ・ラモーのチェンバロ曲『やさしい訴え』から。
チェンバロのナチュラルキーは牛の骨、♯キーはナラの埋もれ木を使うんだって。

『博士の愛した数式』も、とてもよかった。

ちよんまげぷりん2

September 23 [Thu], 2010, 18:33
ちょっと前に観て、とても気に入っていた映画「ちょんまげぷりん」の続編。

あの時、保育園の年長さんだった友也が中学2年でちょっとグレ気味になってて、タイムスリップして安兵衛さんのいる江戸時代に行く。

とても面白い。

歴史上の有名人物と接触したりするのだけど、友也はおばか中学生だから気付かない。

私はもともとタイムスリップの話が大好きで、“ありえない話”とは思わないのである。あってもおかしくない話として楽しむのである。

面白い。

雪形

August 09 [Mon], 2010, 9:15
ご自身の体験をもとに『乳房再建』の著書のある三島英子さんの小説。1995年初版。図書館で。

北アルプスを背景にした松本を舞台に、妻と幼い娘を交通事故で亡くした乳腺専門外科医と、夫をガンで亡くしたピアニストの恋の話。彼女の夫はチェリストで、夫婦でコンセルヴァトアールに留学する直前の発病だった。
妻の交通事故を巡って謎があり、その謎が最後に解ける。

主人公は山岳部出身でクラシックが好き。
ピアノが弾ける。

亡くなった娘の名まえが「麻利子」で、由来は高山植物「こまくさ」から。


ハッピーエンド。

1Q84

August 05 [Thu], 2010, 13:20
図書館で予約しようと思ったら、私の住む文化レベルの低い〇市図書館、なんと、2200人待ちで何年かかるか分からないと言われた。

村上春樹の語り口は、正直あんまり好きではないし、文庫が出るまで待とうかと思ったけれど、それほどの人が読もうと思っているのなら、やっぱりできるだけ早く読まなければ、とつい焦り、ハードカバーを購入してしまった。

うーん、正直、なんだかな〜 である。

面白くない、と言い切ってしまうと、感性が鈍い?っていうか、やっぱり私もおばさんだから?とか自問自答してしまったり。


BOOK1は、まあ面白い?
BOOK2で、う〜む! 
BOOK3 あっぷりこっぷり(たぶん佐賀弁。おなかがいっぱいだけど、無理して頑張って食べてる様子)
BOOK3の最後 やっぱり、結末は知りたいから、買っちゃうんだろうな〜

すげー出費。1冊1800円もする。
やっぱり、文庫本が出るまで待っていればよかった。


まあ、1984年の9(きゅう)をQ(kew)に置き換えた感性はすごいと思うし、その感覚には共感を覚える。

私も、かつて、私の玉木 宏の血液型がAからBに変わったことを知った瞬間、西暦2005年が2OO5に変わったような気がしたもん。そういえば、そのころからずっと月は二個浮かんでるし。(ただ、乱視が進んだだけ。)

悪人

June 27 [Sun], 2010, 15:56
吉田修一著

佐賀の本屋にいっぱい積んであったので読んでみた。

ここ数年で一番くらいにおもしろかった。
せつないし。
久々、小説読んで泣いたかも。
メディア批判も痛烈。

背が高くて金髪で、手が大きい孤独な殺人犯。

うわあ、この役、玉木 宏で見たかった。
千秋のあとの主演は、こんな役をやって欲しかった。

ヤツはニッカボッカも似合うし、タオルも似合うし、ピンクも似合うんだから。

ああ、妻夫木くんですか。そうですか。


くそ、『春の雪』再び?