日記

October 06 [Sat], 2012, 17:54
映画ラストタイクーンを見た。
かのスコットフィッツジェラルドの遺作が原作ということだ。
フィッツジェラルドの原作は読んでいない。
自分はこの時代のアメリカ文学が雰囲気としては一番好きだ。
素朴で率直で荒々しい。
ただフィッツジェラルドはあまり好きではない。
とは言え、それほど読み込んだわけではないから、単なる嗜好の問題ではある。
ヘミングウェイを嚆矢とする失われた世代の特徴は、既存のモラルが有効性を失い、過去の規範にすがることも未来に希望を託すこともできずに、ひたすら瞬間に生きることに固執した、というところにあるのかと思う。
初めから安定を欠いた均衡の上に立っているが故に、少しでもバランスを崩せば、一気に崩落しかねない。
それを支えるのは抑制の効いた硬質な文章だけだ。
ただし作者がドラマに流されずに作品を書き通するのはよほど自制心が必要らしく、内容が文章に沁み出し、単なる自己憐憫に満ちた腐敗臭のする作品になってしまう場合も多い。
ヘミングウェイも後期の作品には、緊張感が失われている。
かのレイモンドチャンドラーでさえ、晩年の作品は甘すぎるセリフがそこかしこに顔を出すようになる。
フィッツジェラルドは特にそれが激しいように思う。
彼の最高傑作と言えばグレートギャッビイだろうが、この作品ですら文章がドラマの運びに流されているように感じられる。
昔読んだので実はそう思い込んでいるだけかもしれない。
さて映画。
自分としては楽しめた。
古き時代のアメリカ、ハリウッドが時代がかった彩りで緩やかに描かれている。
ただAmzonの評価は概ね辛口だ。
たしかに作品としては散りばめられた伏線がきれいに回収されず、いくつものエピソードが完結しまいまま放り出されているような感はあるから、作品の完成度という意味では低いのかもしれトモコレ アプリない。
巨匠の作品だが、最晩年の作品らしい。
ただ映像から醸し出される雰囲気はフィッツジェラルドの世界を自然と想起させてくれる。
ある意味穴だらけとも言える作品の構造も味わいと思えなくはない。
ただそれを可能にしているのは、主演であるロバートデニーロの力なのかもしれない。
星を付けるなら4つ。
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