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【ニールセン博士のAlertbox】最初の2語:流し読みのためのシグナル / 2010年07月27日(火)
 リンクの最初の11文字がどれだけ理解されるかをテストすれば、そのサイトがユーザのために書かれたかものかどうかがわかる。ユーザというのはリストの項目を全部読む、というよりは、流し読みをするものだからだ。

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 我々の最新のユーザビリティ研究は、ウェブにふさわしいライティング2という新コースに向けて実施したものだが、ウェブサイトのリンクや見出しの初めの11文字を、ユーザがどの程度理解しているか、のテストである。例えば、この記事では「First 2 Wor(最初の2語: First 2 Words、の書き出しの部分)」という文字列がそれに当たる。(オンラインの読者には算用数字で数を示そうというガイドラインで、こうした短いテキストの断片に、どうすればより多くの意味を込めることができるか、を示しているので参考にして欲しい。)

 ここまで厳密に省略したテキストでテストするのはなぜか。それはオンライン上での読み方が、Fという形のパターンの特徴を持つことが多いからだ。つまり、「F」の字の横棒に当たる部分になる、リスト上で最初に挙げられたいくつかの項目については、読者は割とじっくり読む。しかし、リストの下に行くにつれ、一行の中で彼らが読む量は減っていき、最終的にはほとんど一直線に彼らの目線はテキストの左端を下りていく。この時点では、リストの各項目の一番初めの部分しか、ユーザは見ていないのである。

 ウェブやイントラネットのページには、いろいろな所にリストが出てくる:

・検索エンジンの結果一覧ページ(SERP)
・現時点の、あるいはアーカイブされた記事や見出し、プレス・リリース、その他ニュースについての項目のリスト
・カテゴリーページの製品リスト
・目次(ToC)のリスト
・FAQ(よくある質問)のページの最初に目次(ToC)の形で提供される質問リスト
・ヘルプページやジョブエイド等での箇条書きあるいは番号付きのリスト、チェックリスト、作業ステップ

 ユーザというのは、リスト中のたいていの項目に対し、初めの2語に注意を向けるものである。見出しの単語が短ければ、もう少し多くの語数を目に入れるが、見出しに長い単語がある場合は、最初の単語しか見なくなってしまう。もちろん、皆が毎回、11文字ちょうどを目に入れているわけではないが、テストするサイトでの一貫性を確保するため、我々はこの値を使うことにした。

 こういった少ない語数からなる項目の全テキストはマイクロコンテンツにあたるが、今回のスタディの対象はナノコンテンツになる。リンクと見出しには同様の原則があてはめられるが、我々はリンクに絞ってテストを実施した。ここでも一貫性を確保するために。

■ユーザ研究

 我々のスタディが対象としたのは、幅広い範囲の年齢、性別、学歴を持つ80人である。
 これまで、テストの参加者の中で、若い(30歳未満)そして大卒のユーザの結果が取り上げられることが多過ぎたように思う。しかしながら、このグループは平均以上のリーディングスキルを持ち、そして、その参加者が大卒である場合は、学歴の低いユーザに比べて、より多くのお金をオンラインで使うことが予想できる。したがって、こうした小さな歪みによって、研究結果の説得力を弱めるべきではない。実際のところ、こうした(スキルの高い)テストユーザが遭遇するような問題点であれば、一般のユーザにとってはさらに対処しがたい問題となってしまう。

 我々は異なる20個のリンクをテストした。それらは以下の20のサイトから1つずつ選び出された: 「Accenture」「Amazon.com」「Ann Taylor」「AT&T」(以上、アメリカ)、 「Barclays Bank」(イギリス)、「Bell Canada」(カナダ)、「Chase Bank」「Dell」(以上、アメリカ)、「Direct.gov.uk」(イギリス)、「Fidelity Investments」「Free Application for Federal Student Aid」(以上、アメリカ)、「Freestyle Media」(オーストラリア)、「Fujitsu」「Intel」(以上、アメリカ)、「Norwich Union」(イギリス)、「Northwestern Memorial Hospital」(アメリカ)、「RMC Labs」(オーストラリア)、「Streamline Solutions」(オーストラリア)、「Topshop」(イギリス)、「Xerox」(アメリカ)。

 このリストが示すように、B2B、eコマース、金融機関、政府機関、医療機関からテクノロジー系の企業まで、幅広い分野を代表するサイトを3大陸から選んでテストした。

 テストは以下の2つのタスクについて行われた。

・ユーザは1個ずつ、省略されたリンクを見せられ、そのリンクをクリックしたら、何が見つかると思うか、を予想するように求められる。省略された11文字以外にも、追加のコンテクストとして、サイトの名称や簡単な説明をユーザには提示した。

・ユーザは10個の省略されたリンクのリストを見せられる。しかしながら、そのうちの9個は今回のスタディには関係ない60個のサイトから不正解として選ばれたものである。ユーザは1つのシナリオを与えられ、10個の中から、そのシナリオに沿った情報を得ることができそうなリンクを選ぶように求められる。シナリオの例: 「あなたのiPhoneで留守番電話のメッセージを聞く方法についての情報を探してください。」

■最も優れていたリンク

 今回のスタディで、最初の11文字が最も優れていたのは、Ann Taylorのeコマースのサイトだった。リンクの全テキストは「 Gift Cards & E-Gift Certificates(ギフトカードと電子商品券)」で、最初の11文字は「 Gift Cards 」(2語目の後ろのスペースも含む)である。

 85%のユーザは最初の11文字を見ただけで、このリンクがどこにつながっているかを予想することができ、100%のユーザが「友人のために Ann Taylorの商品券を買う」ことを依頼されると、(不正解の選択肢が9個用意されていたにもかかわらず)問題なくこのリンクを選び出した。

 Barclays Bank の「 New custome 」(リンクの全テキストは「 New customers apply online now(初めてのお客様はオンラインで口座開設のお申し込みを)」)も、10個のリンクから正しいリンクを選び出すというタスクで、95%のユーザが成功するという良い成績だった。また、75%のユーザが最初の11文字を見ただけで、そのリンクがどこにつながっているかをほぼ予測できた。

 成功したこの2つのリンクの共通の特徴は何か。それはお金が絡んでいるということである。そのサイトで儲けるためには、リンクをわかりやすくシンプルにしなければいけない、と、デザイナーも考えるというわけだ。eコマースではギフト券は大きな収入源であり、新規の口座開設はオンラインバンキングの生命線である。ユーザが正しいリンクを識別してクリックしてくれれば、両社の勝ちなのである。

 この2つの優れたリンクは、効果的なウェブコンテンツの原則を示す良い例でもある。両リンクともに

・平易な言葉遣いを使用し、
・曖昧でない用語を使用し、
・一般的機能のネーミングでは慣例に従い、
・ユーザや動作に関わる語彙を先に出している

■最も成績の悪かったリンク

 今回、悪いリンクというのはたくさんあった。実際のところ、全体の35%にあたるリンクでは、最初の11文字を見ただけで、そのリンクからどこに行けるか、を予想できたユーザは誰もいなかった。

 最も成績が悪かったのはChase Bankのリンクである。テストしたリンクの最初の11文字、「 Introducing, 」には全く意味がないし、リンクの全テキスト、「 Introducing Chase Exclusives Special Benefits for Checking Customers,(当座預金口座のお客様のための、Chaseからの限定的で特別な特典のご紹介)」も大して良いとは言えない。なぜならば、この時点になっても、「 exclusive(限定的)」で「 special(特別)」な特典がどんなものであるか、まるでイメージがわかないからだ。

 予想したとおりだが、「 Introducing 」からどこに行けるのかについて、理にかなった予想はおろか、なんとなく想像ができたユーザすら、一人もいなかった。さらに、「 Chaseの当座預金の既存の顧客として、あなたにあてはまる特典の情報がどこにあるかを示してください。」という我々の問いに対しても、10個のリンクのリストから「 Introducing 」を選択したユーザは、全体の15%に過ぎなかった。

 Directgovのリンク、(「 Working while you study: paying tax(学びながら働く:税金の支払い)」)とXeroxのリンク(「 Profit Accelerator Overview(プロフィットアクセレレイターとは)」が下から2番目の評価を分け合った。実際には、一人のユーザが「 Profit Acce 」からどこにリンクが張られているかを予想できたので、本スタディの前半部で、XeroxがDirectgovのように大失敗をしたというわけではない。一方、後半部では、25%のユーザが9個の不正解を含む中から、Directgov のリンクを正しく選び出したが、Xeroxのリンクに対して、同じことができたユーザは全体の5%に過ぎなかった。

 これらのリンクは、コンテンツユーザビリティの悪さを引き起こす、以下の3つの不愉快な特徴によって、駄目にされている。

・当たり障りのない、総称的な単語
・でっち上げの単語や語彙
・どうでもいいことで始まるのに、情報を伝えるためのテキストが来るのは最後

■正しいリンクにユーザを導くには

 リンクの最初の部分のたった11文字で、ウェブサイトのデザインを判断するのが手厳しい、というのは事実だ。したがって、あなたがご自分のリンクに対して、この調査を同じように試し、そこでの結果がAnn Taylorのものより悪かったとしても、泣くことはない。

 ユーザはリンクの最初の11文字だけをベースに、100%の正確さでもって、リンクの行き先を予測する必要などないし、実生活では、リンクはウェブのページ上で、省略されたりもしない。ユーザは最初の流し読みの段階では、リンクの初めの2語かそこらしか目に入れなくても、そのリンクが目につけば、ただちにその後ろのテキストを読むことが可能なのである。

 したがって、リンクの全テキストでは、以下のような情報の匂いを十分に提供する必要がある。

・クリックすると何が得られるか、自信を持ってユーザが予想できそうな感じ
・そこ以外のリンクとは明らかに違いそうな感じ
・誤解も、期待させすぎもしない感じ

 ナノコンテンツ(リンクの最初の一部分)の内容は、全テキストで見ると、そのリンクが、最も期待できそうだ、という匂いをユーザが嗅げる程度であれば十分である。

 そうは言っても、このスタディでの成績が悪いということは、あなたのサイトのコンテンツが、ユーザのオンライン上の記事の読み方に沿って書かれてない、ということではある。こうした読み方はアイトラッキング調査やその他のユーザビリティ研究によって、証明されている。もしあなたのサイトの成績がとても悪い場合、早急にサイトのデザインを書き直す必要があるだろう。

【7月27日20時54分配信 RBB TODAY
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100727-00000030-rbb-sci
 
   
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