本谷有希子版・「甘えの構造」@『甘え』

2010年05月28日(金) 0時08分

昨日は久しぶりに舞台を観劇.


劇団,本谷有希子 第15回公演『甘え』.



あらすじは,以下のとおり
       (パンフレットより)


……………………………………

父と二人で暮らしている.
母に逃げられ,寂しさに押しつぶされそうな父は,夜毎私にぐちを言う.

ある日,すぐに男の子にやらせてしまう友達が泣いていて,
私は慰めたくてこう言った.
「ねぇ,夜這いって文化が,何でなくなったか知ってる?」
その子が顔をやっと上げてくれたので,私は一生懸命,話して上げた.
いろいろと.
考え方によっては,あなたのほうがずっときれいなんだよ,と.
その子は「きれいなんて言われたの初めて」と嬉しそうに笑ってくれた.

その笑顔を見て,やっぱり私は実行していい,と思ったんだ.
それはとても不道徳なことだけど,やっぱり実行しなきゃいけない,
と思ったんだ.

……………………………………


寂しさから娘に「甘え」る父親と,

そんな父親に甘えられてると思いきや,

実はその状況に「甘え」ていることに気づかされる娘,

この両者の相互依存関係,

ないしは,「甘え」の円環構造を軸に物語は進んでいく.


劇中,たびたび引用される「夜這い」という習わし.


終盤,

「父親を殺しかけた」という罪悪感に苛まれた娘は,

「甘え」の円環構造を断ち切るために,

その習わしに着想を得て,ある行動を取ろうとする…そんな流れ.



「甘え」の円環構造とそれをいかに断ち切るのかを主軸に据える本作は,

さながら,

本谷有希子による『新釈・甘えの構造』と言えるかもしれない.



そんな今作,

前作よりもスムーズな展開で入り込みやすかったのに加えて,

座席が1列目だったので躍動感たっぷり.

1m未満の距離で演者の皆さんが近いのなんのって.


青山円形劇場は元々とっても小さな舞台なのですが,

セットに一定の高低差を付けることによって,

1階,2階,お風呂,ベッドなどの

場面展開をうまく表現していたように思えます.




それと,

幸せ最高ありがとうマジで!』に次ぐパルコ・プロデュースの公演が,

2011年2月に予定されているとのこと.

それなりに忙しいながらも,今度もまた観に行きたいなという感じ.


本谷の考えることは変!?

2009年08月16日(日) 0時42分

お盆のど真ん中に

劇団,本谷有希子 第14回公演

来来来来来』を観劇.


あらすじは,以下の通り(公式HPより).


……………………………………

山間の小さな集落。蓉子は、この町の麩焼き場で麩を揚げて働く、新婚ほやほやの奥さんである。嫁ぎ先の夏目家には鳥を溺愛するあまり、自作の鳥園を作っては近所の子供から入園料を取る、商魂たくましい義母と、長男の嫁がいた。麩揚げ場には村の女達も働きに来ている。蓉子も馴染みつつあったそんなある日、新婚一ヶ月で夫は突然、失踪してしまう。

山に捜索隊も出たが見つからず、村では義母の面倒をみる嫁を身代わりにして失踪した、と噂が広まる。東京から嫁いできた蓉子に、親切とお節介で「あんたも出て行ったほうがいい」と忠告してくれる者もいたが、蓉子はきっぱり噂を退け、旦那を信じて待っている。

旦那がいなくなってからも、義母は使い勝手のいい蓉子を手放そうとはしない。働き者の蓉子は義母に命じられ、鳥を世話し、食事の支度をし、麩を揚げ続ける。

鳥の世話をして旦那を待ち続ける蓉子の夢は、鳥園のつがいの孔雀がいつか羽を広げるところをみることだった。前に一度だけ羽を広げたところを夫と眺めたことがあり、その時が幸せだと感じたのだ。思い出を心の宝物にしながら、彼女は慎ましくせっせと暮らしていた……。

……………………………………


山間の集落で繰り広げられる「生き生き」とした6人の女性の交錯.

即座に共感ないしは感情移入できなかったのは,

否応もなく,僕が男性だからなのだろうか.


本谷さんの舞台を観に行ったのは,

去年の『幸せ最高ありがとうマジで!』以来,2回目なのですが,

前回以上に内容を説明しにくい.

直感として,おもしろい!と感じるものの,

茫然,ぽけ〜っとするばかりで,

その内容を理解し,

それを誰かに説明しようとなると,

途端にキーボードを叩く指が重くなる….


どうしよう.



まあ,それはそれとして.

主演のりょうさんや

常連の吉本さんの演技ももちろん良かったのですが,

木野花さんに,特に引き込まれた.

前に深夜に放送してた『スジナシ』の即興劇を観て,

それ以来,とても気になってました.




…っていうか,パンフレットの眼鏡の本谷が,やばい.

これほどまでの確信犯は見たことがない.



…………………

下北沢,生まれて初めて行ったのですが,

ごっちゃりしてますね.

どこに行けば何があるのかが全く分からなかった….






…………(追記)…………

NHKの土曜深夜に放送してた『日本怪談百物語』.

圧巻だったのが,人間国宝の一龍斎貞水さん

話の内容よりも顔とライティングが怖かった www




お盆の夜長に『来来来来来』に来.

2009年06月09日(火) 0時34分

今年のお盆は

本谷有希子の新作舞台『来来来来来

を観劇することに.


プレリザーブの抽選になんとか当選したのです.

東京公演の千秋楽前日ということでどんな感じで仕上がってくるのか,

今から楽しみ.


…………

この日以外は家や図書館や研究室に引きこもって,

次の論文書いてますんで.

1日くらい,舞台,観に行ってもいいですよね.

…だめ??

『その夜明け,嘘』@青山円形劇場

2009年02月22日(日) 0時49分

今日は舞台を観に行ってきました.

その夜明け,嘘

脚本・演出 福原充則

出演 宮崎あおい・吉本菜穂子・六角精児 の3人芝居.



ストーリーは以下のとおり


………………………………

高校生で華々しくデビューし,一時は天才と騒がれた漫画家・鮎川も,

ここ数年,ヒット作が出ず,人気は陰り気味.

今度の新連載で挽回しなければ後がない.

だが,否,だからこそ,いいアイデアが浮かばない.

締め切りはとっくに過ぎたのに,

担当編集者・あきる野,アシスタント・山女魚の目を盗み,

恒例の逃避行が始まった.

自転車で環七をひた走り,時にはファミレスでうだうだ.

鮎川は「自転車の神様がアイデアをくれる」とうそぶくが,

浮かぶのはアイデアというより妄想で――.

そして環七沿いには,

鮎川の妄想も追いつかないような現実の生活が営まれているのだった.

………………………………


3人芝居といっても,3人がそれぞれ何役もこなす「深夜の環七を舞台にした群像劇」.

作家,アシスタント,編集者から,果ては,涙の妖精(← これがすごく印象的!),自転車の神様,巨大な「バーミア」まで…ほんとにさまざま.

場面転換が急だったので最初は戸惑ってしまいましたが,照明の色調の変化・暗転や効果音で変わるんだということが分かってからはスムーズにお話に入ることができました.

主人公の漫画家の鮎川先生はいろいろと逃げ回ってみた挙句に,新作を書くことができるのだろうか?「神様」に誓ってはみたものの,結局,うやむやのままで終わってしまったような気がする.舞台の終わり方として最後にもう一押しほしいようなそんな印象も受けた.

他には,舞台を通じて,現実と妄想が交錯する場面がいくつかあって面白かった.「高円寺」と「野方」の違いの話とか,「大人になった太郎」との邂逅とか,遠くで響く「バーミア」の足音とか.小さい舞台上ながらも,環七通り全域の広がりを感じさせた(…実はそもそも,現実と妄想に違いがあるのかも分からない構図になっているようにも思えます).


それと,青山円形劇場は,円形で5列ほどしかない劇場でしたので,

3人からの距離が近いのなんのって.

それも列の一番端の席.

3人が何度も真横を通るので無意味に緊張してしまいました.

近いわ,顔は小さいわで,緊張します.

六角さんの演技の勢いがすごくて…

唾が顔にかかってしまうんじゃないかと思えるくらい(失礼).




……追記……

今回の舞台を観に行こうと思ったのは,昨年11月の『幸せ最高ありがとうマジで!』での演技が素晴らしかった吉本さんをもう1回観てみたいと思ったことがきっかけです.

素人の分際でおこがましいのですが,引き込まれてしまいます.

あの演技と声に.

なので,「決して宮崎あおい目当てじゃないんです」…と言ってみる.


…いずれにしても,ごめんなさい.六角さん.

3ヶ月おきの観劇.

2008年11月26日(水) 6時15分

来年2月に舞台『その夜明け,嘘.』を観劇することにしました.


公式HPはここを参照.




350人ほどの小さな箱で繰り広げる群像劇.

演者の宮崎あおい,吉本菜穂子,六角精児は3人とも魅力的な役者なのでとても楽しみです.

舞台の観劇は何気に3ヶ月おきのペース.

これくらいのペースが資金的にもちょうどいいかも.

仕事もちゃんとこなしつつ,

うまいこと,息抜きの時間に使いたいなという感じです.

デウス・エクス・マキナは玄関口からやって来る?−『幸せ最高ありがとうマジで!』@PARCO劇場

2008年11月09日(日) 2時04分

今日はPARCO劇場で『幸せ最高ありがとうマジで!』を観劇.


初・本谷,初・永作といったところ.


ストーリーは以下のとおり.

…………………
「舞台は「エリートが書いたもんをヤクザが売る」とからかわれる,とある町の新聞販売所.

慎太郎(梶原善)の留守中に,彼の愛人を名乗る得体の知れない女・明里(永作博美)が突然現れる.もともと慎太郎の女癖の悪さは病的とも言えたため,妻(広岡由里子)と子供たち(近藤公園前田亜季)はその話を信じ込んでしまうが,家族は一丸となって明里の存在を無かったことにしようとする.嫉妬でおかしくなったように家に上がりこもうとする明里を,妻と息子と娘は協力して阻止.

明里は道に放り出されるが,住み込みバイト・えいみ(吉本菜穂子)の手引きによって、なぜか敷地内のプレハブ小屋に密かにかくまわれることに.

こうして、誰にも予想できない復讐劇の幕は上がった…」
………………


「慎太郎の愛人」というのが実は虚言であることは物語の早い段階で明らかになる.

明里がえいみに嬉々として語るには,《自分と全く関係のない一家に対して「無差別不幸テロ」を仕掛けること》こそが本当の目的なのだという.

暗い「メンヘラ」や「リスカ」はもはや時代遅れだと嘯き,「明るい人格障害」や「モンスター」を自称する明里は,自分に全く関係のない人間が自分の思い通りに不幸になっていくさまを見て幸せを感じる女性.

この彼女の立ち居振る舞いによって「曽根新聞店」の一家はこれまで相互に抱えていた鬱屈した感情を暴かれ,地獄の底へと突き落とされる.

しかし,開き直った一家は,明里に対してお前は病気だ,異常だと言い立て,「夕刊の準備の時間だ」と相手にしなくなくなる.

彼らは明里の38歳の誕生日をぞんざいに祝ってあげて,玄関口のカーテンを閉めてしまう.

結局,明里は,自分の命から人の心,はたまた,ライターの火まで,何もかも自分の思い通りにできないまま,「曽根新聞店」の一家は淡々とした日常に戻っていく.


そんなオチです.



………

初・本谷だったので,彼女の他の作品とは比べるべくもありませんが,

ところどころに笑いを挟みつつ,

怒涛の展開にあっという間に時間が過ぎてしまった.


個人的にツボだったのは,

顔の輪郭や振る舞いも相俟って,

途中から長男の曽根功一(近藤公園)が

ザブングル加藤に見えてしまったこと.

…でも,

「くやしいです!」は言わないんだろうな.

明里に指摘されるまで自分が絶望的な状況にいることに気付かなかったんだから.


東京は明日で千秋楽.



………(追記)………

ぶっとんだ女を演じている永作さんも良かったのですが,脇を固める吉本菜穂子さんがとても光ってました.本谷有希子が彼女を常連にしているのもわかる気がする.

この方,実は1998年に早稲田で『チャリT企画』を立ち上げた1人なんですよね.こんなことなら学部のころにもっと色々なものを見ておけば良かったとちょっと悔やんでます.


そんな彼女が来年2月に出演するのが,『その夜明け,嘘.』


宮崎あおいの3年ぶりの舞台ということでチケットは取りにくそうですが,今度は吉本さん目当てで観に行ってみようかな.



…その時期,エジプトの出張を予定しているので,うまいこと日程を組めればいいのですが.3ヵ月後の日程を組むのって結構,大変.

『東京腸捻転♯27 南船北馬!!』@テレ朝・UMU

2008年08月04日(月) 2時33分

今日はテレビ朝日で開催されたお笑いライブを観に行きました.


東京腸捻転♯27 南船北馬!!


昼の部と夜の部の2回あり,そのうち夜の部だけを観に行きました.芸人さんたちが昼と夜で違うネタを披露するとの触れ込みだったので,どちらの部にも参加した強者もいたみたいです.


今回のお目当ての芸人さんは…鳥居みゆき


先週の単独ライブを観に行けなかった(チケットを購入できなかった!)ので今回のライブがとても楽しみだったのです.本人を間近で見たのは初めてだったんですが,目力が圧倒的でした.

そんな彼女が夜の部で披露したネタは「死刑執行」.

タイトルからも分かるとおり,おそらく地上波のテレビでは流せないような題材.内容はとても良かったのですが,いかんせん題材が….とはいえ,80年代角川映画を彷彿とする「ポップ」(本人談)なネタでした.このネタは単独ライブでも披露されたみたいなので,もしかしたらDVDには収録されるかもしれません.

ちなみに上の写真は巷で話題のエプロン鳥居.

外見はともかくも役者としてのポテンシャルの高さが窺えます.



…………

最近,研究の話が全くなくて,「舞台」とか「お笑い」の話ばかりですいません.

もちろん,何もしてないわけではなく,ちょっとまだ軽はずみには公開できないので,できる時になったら記事にしたいと思います.

『幸せ最高ありがとうマジで!』に「ありがとうマジで」.

2008年07月31日(木) 2時11分

劇団外,本谷有希子・第一回公演『幸せ最高ありがとうマジで!』を観に行くことにしました.…といっても11月の話.

2回目のプレオーダーで何とかチケットを手に入れることができましたが,プレオーダーの抽選に1回でも落選すると必要以上に焦ってしまうもんです.


楽しみ!


詳細はここ(公式HP)やここ(e+)を参照.

チケットが,取れない…

2008年06月08日(日) 10時46分

とある芸人さんの単独ライブのチケットを購入しようと思って,徹夜で販売開始時間(AM10:00)を待ってたんですが…





ローチケで販売開始1分未満で「完売」って,どういうことなんだ!?

それから10分も経たないうちにヤフオクに出品されてるって,どういうことなんだ!?


もう,腹立つから,寝よ,ふて寝しよ.


…でも,追加公演があればいいんだけどな.


関連記事 「『ハッピーマンデー』という類い稀なる戯曲」(4月25日)

「網戸,開けっぱなし」(板尾)

2008年06月02日(月) 6時20分

GOD DOCTOR』のパンフレットが先週末に届いてたので,せっかくだから載せておこう.

千秋楽に観に行ったこの舞台のパンフレットは「完売御礼」ということもあって,当日は購入できず,やむなく注文していたんです.


…でも,怪我の功名とはこういうことをいうのだと思います.「完売御礼」のおかげでパンフレットは出演者全員と脚本家の大宮エリーさんのサイン入りでした(下図).60ページ以上もあり,もちろん内容も盛りだくさん.インタビューや舞台稽古の風景などが掲載されてます.

いろいろと検索してみると,この舞台の評判はあまり芳しくないみたいですが,個人的にはそういう印象はありません.確かに,「オチ」が分かりやすいというか,板尾さんが最後に全部持っていった感じはありましたが,それはそれでとても楽しめた.いろいろなクリエイターが彼を使いたがる理由がなんとなく分かりました.


今年は時間の合間を縫っていろんな舞台を観に行こうと思ってます.やっぱり,息抜きは大事.




左頁左上(大宮さん),左頁左下(遠山さん),左頁右下(石田さん),右頁左上(片桐さん),右頁右上(板尾さん),右頁左下(山下さん),右頁右下(松村さん)

ちなみに千秋楽当日の記事はこちら(5月18日).

………

最近,趣味の記事ばかりが続いている…息抜きしすぎ??
プロフィール
  • ニックネーム:maco
  • 職業:専門職
読者になる
2010年05月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
最新コメント
maco
» 浜中(2011) (2012年03月07日)
Markov
» 浜中(2011) (2012年03月07日)
履歴書の書き方の見本
» 翻訳−02 (2011年09月21日)
maco
» 発売日まであと99日の『99 LIVE BOX』 (2011年08月31日)
99っ子
» 発売日まであと99日の『99 LIVE BOX』 (2011年08月30日)
maco
» 地震のじわじわとした影響. (2011年03月24日)
しらとり
» 地震のじわじわとした影響. (2011年03月24日)
maco
» 5日目 (2010年07月27日)
Markov
» 5日目 (2010年07月27日)
メールフォーム

TITLE


MESSAGE