Mahoney (2010)
2010年03月12日(金) 0時05分

James Mahoney, Colonialism and Postcolonial Development Spanish America in Comparative Perspective (Cambridge: Cambridge University Press, 2010)
版元情報はここを参照.
比較歴史分析(comparative-historical analysis)の観点から,植民地時代とその後の各国の発展経路(軌跡)の違いを説明する一冊.
本書は,旧スペイン領のラテンアメリカ諸国において,「なぜ植民地行政に違いが生じたのか」,そして,その違いが「独立後の経済発展と社会福祉の国家間の違いにどのような影響を与えたのか」を問う.この問いを説明するために,ジェイムズ・マホニーは,宗主国が作り出した政治・経済制度とそれに対する植民地側の適応に着目し,その長期的な相互作用(進化)が各国の発展経路を形作ったと論じる.
かつて,The Legacies of Liberalism : Path Dependence and Political Regimes in Central America (Baltimore : Johns Hopkins University Press, 2001) において,経路依存や重大局面など歴史的制度論に連なる概念や手法を詳述した著者ですが,今回はラテンアメリカの歴史的展開を説明することに専念し,必ずしも,比較政治学全般に対して分析手法や概念の点で新機軸を打ち出そうという関心はあまり見られないようにも思えます.とはいえ,《 制度への着目 》,《 権力分配(パワー・バランス)アプローチの採用 》,《 事象の長期的な変化への関心 》 に,これまでと同じような着想に立脚していることが窺えます.
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