2010年度第2回 日本比較文学会北海道研究会のお知らせ 

2010年11月05日(金) 10時18分
=一般来聴歓迎 聴講無料=
■日時 2010年11月20日(土) 14:00開会
■会場 北海学園大学 豊平キャンパス D42番教室(7号館4階)



全体司会 北海道大学 中村三春

*14:00 開会の辞
北海学園大学 テレンクト・アイトル

○研究発表1 14:10-14:50
道教と室町時代の物語―お伽草子『不老不死』、『蓬莱物語』、『すゑひろ』について―
千歳科学技術大学 王建康

○研究発表2 14:50-15:30
画家の眼差し―北野武『アキレスと亀』のパラドックス―
北海学園大学大学院博士課程 井川重乃

○研究発表3 15:40-16:20
都の記憶―芥川龍之介「杜子春」論―
北海道大学大学院研究生 高啓豪

◆比較文学・比較文化 名著読解講座 第三回 16:30-17:30
西成彦著『森のゲリラ−宮沢賢治』
北海学園大学大学院博士課程 吉村悠介

*17:30 閉会の辞
北海道支部支部長 飛ヶ谷美穂子

(発表要旨は「続きを読む」をクリック)

昔、書店というものがあった 

2010年09月21日(火) 17時08分
 もちろん、今でもあります。しかし、街中の小さな個人経営の書店は、めっきり数が少なくなりました。

 高校時代、授業をサボっては、通りの小さな書店で本を見ていたものです。覚えているのは、一度など、ぶらっと入って文庫本のシャルル・ペロー童話集を手に取り、欲しくなって買ったことがあります。だいぶ後になってからも、隣の席の女の子に、「あのとき、あなたは授業をエスケープして、ペローの本で憂さを晴らしていた」と言われたものです。授業をサボって本屋に行く! そういうことが、別にキザでもなく、普通に行われた頃でした。

(「頃」というのは曖昧ですが、「年齢」「時代」「街」など、そういう曖昧な指示語です。)

 当時の材質のせいでしょうか、文庫本にも、特有の匂いがありました。悪い匂いではありません。また、その表紙や頁の紙の手触り、一歩入り込むと、小さな店なのに外の騒音が一瞬消される、そうした安心感。小さな書店には魅力がありました。

 今や、全国チェーンの大規模書店が、中核都市のどこにも進出して、個人書店の多くは淘汰されてしまったのでしょう。電子書籍が普及して、紙の匂いや手触りもまた、昔のことになるのかも知れません。けれども、考えてみると、幼い日から今に至るまで、私の周りにはいつでも本があって、商売っ気抜きにして、本とともに生きてきたというほかにありません。

 私は、本があるということ、本が提供されるという、一見当たり前のことに感謝したいと思います。どんなものよりも、自分を取り戻すきっかけとなるのは、たとえ、あの匂いや手触りがなくなっても、本にまさるものはないからです。

 ―これは、出版社・書店の集会で講演した際に、話の枕にした話題です。

「初めて」の羨ましさ 

2010年08月16日(月) 17時07分
「私、あんまり読んだことないんですよ。『ノルウェイの森』と、あと、あの……TVから女の人が見えている……ちょっと変わった書き方の」

「『TVピープル』? あ、『アフターダーク』か。確かに変わってるよね。でも、『ノルウェイの森』を読んだのなら、何でも読めるんじゃない?」

「『ダンス・ダンス・ダンス』は、題名だけ知ってるけど、どうですか?」

「うん。おもしろいけど、連作だから、最初の『風の歌を聴け』から読むのが筋かなぁ。でもでも、『TVピープル』なんかも外せないよ。『象の消滅』とか」

「『ゾウの消滅』? ゾウって?」

「象は象。象が消滅する話」

「短編は読んだことないんです」

「私は短編が好きですよ。長編ももちろんいいけど、短編の方がずっとすぐれていると思う。」

「どれから読めばいいですか?」

「うーん、一冊だけ選べ、と言われたら、『神の子どもたちはみな踊る』かなぁ。『東京奇譚集』も読みやすいと思う。この2冊の間は、すごく長く空いたんだよね。もう短編は、書かないのかと思ったくらい」

「趣味は何ですか? 楽器をやっていた? 『トニー滝谷』は、クラリネットだけど、『レキシントンの幽霊』に入っていて、これもいいよ」

「ちょっと、メモしても、いいですか?」

「あ、でも、やっぱり『中国行きのスロウ・ボート』を読まないとね。最初の短編集だし、欠かせないよなぁ。始まりはやっぱり、『午後の最後の芝生』でないと」


 まだ読んでいないということは、これから初めて読む、のでしょう? ほんとうにそれは羨ましいことです。これ以上に羨ましいことなんて、ちょっとほかにないくらい。

 私はこれからも、これらの作品を何度も読むでしょう。でも、それらを、「初めて」読むことは、もう決してできないのです。もちろん、それはこの作家のものだけではありません。しかし、やはり、「初めて」の羨ましさを感じるほどの対象というのは、そうざらにあるものではないでしょう。

 ……ちなみに、この話に教訓などはありません。



子を持って知る子の恩、または、達成感について 

2010年08月07日(土) 13時05分
 某年某月某日、某大学(教養教育)での講義中:「文学なんてものは、娯楽ですから、人間の生命にとって必要不可欠なものでは、ありませんね。しかし、必要不可欠でないものこそ、人間の人間たる所以に繋がっていることは間違いがありません。

 文学研究も、正しかろうが誤ろうが、人間の生存を左右するほどのことはないのです。生命をあずかる医師とか、巨大なプロジェクトを生み出す建築家とか、そのような職業の達成感に比べれば、片々たる作品についての片々たる論文を一本書いたところで、多少の感慨に過ぎないとも言えます。

 しかしね、それでも、達成感は達成感に変わりはありません! 一編の小説、一編の詩について、自分だけにしかできない解釈の論考が書き上がって、それが活字になり、公表された時の気持ちには、他のものには代えられない、うれしさがありますね。」

 それからまた、付け加えれば、前にも書いたように、みてきた学生が、素晴らしい研究発表をしてくれた時には、こちらの方まで(いや、こちらの方こそ=本人は、自分が何をしたのか、よく分かっていないことが多いから)、大きな達成感を抱くことになります。

 あまり、はしゃがないようにしようとは思うのだけれど、そういう時の晩は、うれしくってよく眠れなくなりますね。もう、これでいつ死んだっていいや、と思うぐらい。……いや、それは、少し大げさか。

 (そう、前には、「大学院重点化大学では、もっとだろう」と書いたのですが、今、そのような大学において、やはりそうだと感じるものです。)

 そして、かつてお世話になった自分の先生も、自分たちをこのようにみていたのだろうかと、今度はさかのぼって考えてしまうのです。比喩的に言うならば、子を持って知る子の恩、というところでしょうか。

 しかし、それにつけてもやはり、この仕事というのは、人と人との間のコミュニケーションということが、対象でもあり、また方法でもあるような、因果なものだと、つくづくと感じるのです。

 なお、「子を持って知る子の恩」というのは、もちろん、「子を持って知る親の恩」のもじりですが、有島武郎が好んで使ったフレーズです。子についていう金言としては、太宰治の、「子供より親が大事」と双璧をなす、類のない名句だと、私は考えています。

→「何がおもしろい仕事」

横光利一文学会第11回研究集会案内 

2010年08月02日(月) 16時39分
◎日本近代文学会北海道支部例会(合同)

■日時 2010年8月28日(土) 13:30開会
■会場 北海道大学W講義棟 W409会議室


特集 : モダニズムのボーダー

○開会の辞
日本近代文学会北海道支部長  片山晴夫

○研究発表 
総合司会 梶谷 崇
「不行儀」の行方―横光テクストにおける恋愛とモダニズム―
芳賀祥子 (お茶の水女子大学大学院)

 <音>をめぐる係争―横光利一の「罌粟の中」を中心に―
韓然善 (北海道大学大学院)

 『旅愁』における〈非合理〉の他者
舘下徹志 (釧路工業高等専門学校) 

○講演

横光利一の故郷意識―「梶」と「矢代」をめぐって―

神谷忠孝 (北海道文教大学) 


○閉会の辞
横光利一文学会代表  茂木雅夫


→横光利一文学会
→日本近代文学会北海道支部

(趣旨は「続きを読む」をクリック)

2010年度日本比較文学会北海道大会のお知らせ 

2010年06月28日(月) 18時19分
■日時 2010年7月24日(土) 13:00開会
■会場 北海道大学W講義棟 W409会議室


○開会の辞
北海道支部 支部長 飛ヶ谷美穂子

○研究発表 
総合司会 梶谷 崇
森茉莉作品におけるモーパッサン受容―「薔薇くひ姫」を中心に―
北海道大学大学院博士課程 上戸理恵

1950年代の宋美齢―映像と写真から―
北海道大学大学院博士課程 井上裕子

菊田一夫『君の名は』に関する一考察―映画『哀愁』との対比から―
北海道大学 横濱雄二

○講演 15:45〜 
司会進行 中村三春

植民地主義と二重言語性─知里幸恵と李箱について─
名古屋大学教授 坪井秀人


ディスカッション―坪井秀人氏を迎えて―

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有島武郎研究会 第47回全国大会案内 

2010年06月03日(木) 17時28分
■日時 2010年6月12日(土) 11:00開会
■会場 明治大学駿河台キャンパス リバティタワー15階 1156教室


・午前の部 11:00〜11:50

○ 開会の辞         
明治大学文学部長 林  義勝
○ 研究発表
芸術家の位置
 ―有島武郎のメディア戦略―
   木村 政樹
司会 渡邉千恵子
 《休憩》
・午後の部 13:00〜17:00

特集「有島武郎の思想・宗教とアメリカ」

○ 講演 13:00〜14:30
異端の人・有島武郎
            青山学院大学名誉教授 小玉 晃一

○ シンポジウム 14:20〜17:00
有島武郎のアメリカ留学
 ―『覚醒』(Awakening)の意味をめぐって―
   内田 真木
有島武郎と移民労働者
尾西 康充
有島武郎とプロレタリア文学運動
須田 久美
司会 佐々木さよ
○ 閉会の辞          
 井上 理恵
○ 総   会 17:00〜

→有島武郎研究会

2009年度 日本比較文学会北海道研究会のお知らせ 

2009年11月30日(月) 18時39分
■日時 2009年12月5日(土) 14:00開会
■会場 北海道大学W講義棟 W205教室


○14:00 開会の辞
北海道支部 支部長 飛ヶ谷美穂子

○研究発表1 14:00〜15:00
映画『一瞬の夢』をめぐって
北海道大学大学院博士課程 劉 洋

○研究発表2 15:00〜16:00
柳宗悦―白樺美術館から朝鮮民族美術館へ至る軌跡
北海道工業大学 梶谷 崇

○比較文学・比較文化 名著読解講座 第一回 16:00〜17:00
比較文学とは何か
北海道大学 中村 三春

(「発表要旨」は、「続きを読む」をクリック)

第3回日本比較文学会北海道大会のお知らせ 

2009年07月09日(木) 18時23分
■日時 2009年8月1日(土) 13:00開会
■会場 北海道大学W講義棟 W408号室


総合司会 梶谷 崇
○ 開会の辞 13:00         
北海道支部 支部長 飛ヶ谷 美穂子
○ 研究発表1 13:10〜13:50
〈指紋〉が語るもの
 ―金関丈夫「指紋」と日本統治期台湾における指紋言説―
北海道大学大学院博士課程 井上 貴翔
○ 研究発表2 14:00〜14:40
台湾小説家の村上春樹受容
 ―『ノルウェイの森』から邱妙津の『ある鰐の手記』へ
北海道大学大学院博士課程 李 珮h
○ 研究発表3 14:50〜15:30
押井守作品におけるアジア
北海道大学大学院博士課程 ジン 麗芳
 《休憩》
○ 講演 15:45〜17:00

比較文学で読み解く漱石
―蔵書書き入れを手がかりとして―

            講師 日本比較文学会北海道支部長
 飛ヶ谷 美穂子 氏

2009年度 日本近代文学会 北海道・東北地区合同研究集会のお知らせ 

2009年06月30日(火) 17時46分
☆研究発表の部☆
■日時 2009年8月8日(土) 13:00〜17:30
■会場 北海道大学文系六番教室


○ 研究発表 13:00〜

探偵小説と映画
   北海道大学大学院  成田大典

森茉莉「随筆のやうな小説」再考―『薔薇くひ姫』を中心に
北海道大学大学院  上戸理恵
村上春樹『アフターダーク』論
北海学園大学大学院  井川重乃
村上春樹『1Q84』研究
北海道大学  中村三春

○ 講演 16:30

有島武郎に関する新資料について
            北海道文教大学  神谷忠孝

○ 懇親会 18:00 ファカルティハウス「エンレイソウ」

(「文学散歩の部」は、「続きを読む」をクリック)