愛の作法 

August 30 [Tue], 2005, 21:49
花だとて 女だとて
その愛し方に作法があろうか
おまえが愛しく思うなら
愛しいように触れるが良い
天と地と風と水
その命の欲するところ
あるがままに従うのだ

キノコの国のお姫様の独白 

August 30 [Tue], 2005, 21:27
キノコの国ではお姫様でも
人間界では毒キノコ
ある朝ひょっこり現れて
ある晩すうっと消えている

そんな私が人間に
よしんばなれるとするならば
素晴らしい骨と筋肉とを持った
生命体として優秀な男になろう

顔はといへば四角いだけの
アルマイト弁当箱に
へのへのもへじのパーツでも
一向に構うまい

強い生命力と精神力と神通力をもって
この世界に立ち向かおう
暴力を平和に変える
希望の道を探し出そう

ときに裏切られ
絶望に支配されても
明日の朝には東に向かい
瓶入り牛乳を一気飲み

気がつけば100歳で
健康のままぽっくり死に
葬式は大往生の大宴会
朝まで狂乱は続いた

埋められた墓には
放し飼いの飼い犬が
夜な夜な来てはマーキング
そこから生え出た名も無いキノコ

毒キノコと申し候



絵を描くのであれば 

August 29 [Mon], 2005, 21:44
絵を描くのであれば
ミニマルアートを気取った
2色とか3色とかの
色彩や形でなく
出来うる限りの
用いられる限りの色彩で

もし 思ったとおりの白や
黒が無かったとしたなら
絵の具屋に注文して作らせても良いし
思い立って欧羅巴に飛び
西のはずれの岬に行って
その空と海と夕日を
掬って持ち帰っても咎めはしまい

あらゆる手段で
君の気の済む色を使って
表現しうる限りの形を質感をマチエエルを
筆遣いをナイフの角度を駆使して
キャンバスに表わせ

そうして激しく刻印された
君の魂の表皮は
まさに生皮を剥ぐ痛みと生々しさをもって
私達の目前に晒されてなお
血を滴らせることが出来るのだ

ミッション 

August 29 [Mon], 2005, 21:35
今日の王子様は
「アマデウス」を読んでる

気をつけろ 水玉が 音符が
落っこちてくるから
袋の口を開けて
待っているのだぞ

ほったらかしにすると
すぐに死んじゃう

お墓に入ってメモリーになる

たまにアルバムを見て
思い出したり

通信してみたりは
もはや出来ないのだ

ノーズイで触れ
波動を通過させろ

おおジーザスと
ルードヴィッヒが
いったとか いわなかったとか

ぐりんぐりん 

August 29 [Mon], 2005, 18:14
昆虫の緑色と
植物の緑色と
どっちが美しいか
についての考察

羽や足や目玉について
若葉や葉脈やガーデニングについて

蟷螂のそれについて
コメツキバッタのそれについて
桜の葉のそれについて
春の山のそれについて

考えてみたまへ

緑色の必然性とDNAと
宿命と運命と義務と擬態と
生命と空気と水と
すべてのものと相対させて
あるべき緑色の意義について

朝の過ごし方 

August 29 [Mon], 2005, 17:09
猫なら黒猫
ビロードを思わせる毛並みは揃い
瞳はブルー・ノワール
仏蘭西の海
起き抜けはいつも不機嫌な私の
神経質な指先に尻尾を絡ませる

しばらく尻尾と戯れた後
エジプシャン・コットンのベッドリネンに別れを告げ
この秘境から禊の地へと
メシアを訪ねる旅がまた始まるのだ

香りのついた水を肌に滑らせ
化粧ならこってりとが好み

殉死した聖人の亡骸を沈めたら生き返ったという
伝説の源泉の瓶詰めのミネラルウォーターを沸騰させ
少女趣味なストロベリー紅茶に
仏蘭西式に角砂糖を2つ

リベラル系ニュースペイパーの
人生相談に目を通し
朝日に霞む摩天楼を退屈顔で眺める

恋人よこれが私の
お気に入りの朝の過ごし方

タイフーン・トーキョー 

August 29 [Mon], 2005, 16:50
オフィスで仕事中23:34
300秒のコーヒーブレイク

「台風情報のキャスターに
イカしてる人を見つけちゃった」なんて
電話でわざわざ知らせる君

今日は 帰れそうもない

窓に目をやる
トーキョーの夜空は
嵐の夜も眠らないのだね

週末は晴れのマーク

お昼まで眠って
それからパークハイアットで君と
落ち合ってランチでも
したいけどどうかな

プリンセス・マニア 

August 29 [Mon], 2005, 16:42
時計台 満月 ムーンライト
お姫様はパーティのしたく
バスタブはバブルでいっぱい
シャボンがはじけてパチン
キラキラのパウダーをふりかけて
できあがったティンカーベル
10センチヒールは歩くためには履かないの
妖精の羽は 大人には見えないから平気ね
ダンスパーティは夜中の12時から
シンデレラの帰った後の主役は私
夜通し 踊り明かしましょう
黄色いキャブで駆けつけるから
シガーに火をつけて
待っていてちょうだい

真珠葬 

August 29 [Mon], 2005, 16:05
首飾りの金具と紐は
突然に外れて
散らばった真珠は
満月を映し出す湖面に
沈んでいった

もうこれ以上歩くのが嫌になって
おんぶをせがんだ僕のせいですね

貴方は責めませんでした

月の光を帯びた横顔が
ただ蒼く美しかったこと
ごめんなさいと
言えなかったこと

あの橋の上で
あの橋の上で

あの橋の上から
貴方が身投げをしたのは
何年かした月の夜

沈んだ真珠を
見つけに行ったのだと
幼い僕は
思い続けていた


母さん僕はもう
おんぶをせがんだりはしないよ
歩くのが嫌になっても
我慢して歩き続けます


鎮魂歌に真珠を7粒
投げ入れる
湖は暗闇
風の音ばかりがうるさい

とにかく僕は
毎年こうして一年を
生き延びるしか他に
他に手段を持たぬのです

貴方の命日に
あの橋の上で

寝台特急でやってくるのは・・・ 

August 29 [Mon], 2005, 14:03
寝台特急に乗って
やって来るのは
働き者のウサギ

大事な懐中時計が見つからなくって
大急ぎでやってくる

部屋中 探し回って
とうとう井戸の中まで

井戸の水全部
ポンプで吸い上げて

カラカラになった井戸の底
あるのは錆びた古い鍵

そんなものには目もくれず
とんぼ返りで帰ってく

私はその古い鍵を
磨いてとっておきましょう

いつかやってくる
アリスの為に
P R
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