男性が本当に心を許した相手にしか話さない6つのこと

October 21 [Mon], 2013, 15:03
は、嫌味と捉えても差し支えないだろう。
 係長が近寄って二言三言会話を交わす。途端に笑顔がしぼんで「えー、またですかあ」と三人は不満げに帰っていった。
「たまには一緒に行ってやんねえと人気落ちるぞ」
 佐久間主任のからかいを係長は笑っていなす。
「じゃあ落ちる頃に行くことにするよ。かなり先になると思うけど」
「お前が言っても冗談に聞こえねえからムカつくんだよ」
ゾゾタウン フレッドペリー
 同期ふたりの掛け合いに他の同僚たちの間から笑い声が起きた。

 藤田さんと私はパソコンの電源を落として、休憩に入るべく席を立った。周りはまだ立ち上がる気配がないので、「お先でーす」と声をかけて入り口に向かう。
 先程の女子社員たちが立っていた場所には残り香が漂っていた。その匂いとあのやけに明るい茶色い頭が妙に私の記憶層を刺激することに気づく。
 あの髪の毛の色、この甘い香り、覚えがある。どこでだった……?
 埋もれた記憶を掘り起こそうと夢中になっていたら、いつものように非常階段に足が向かってしまい、背中から藤田さんに声をかけられた。
「ポチ、どこ行くんだよ」
「へ?」
 あ、そうだ。外にお昼ごはんを食べに行くんだった。エレベーターで……
 その瞬間、頭に冷水をぶっかけられたようにこれまで眠っていた部分が突然目を覚ました。さまよっていた記憶の湿原で少しずつ霧が晴れてゆき、今まで覆い隠されていたものが露になる。
「あああっ!」
 走って部署の入り口に戻り内部を見渡すと、私を訝しげに見る皆の視線の中で、瀬尾係長のそれにばっちりとぶつかった。
 あれだ、あのときの。間違いない。
「何だどうしたポチ」
「ビックリするじゃないよ」
 口々に驚きを伝える同僚たちの傍らで、係長の目には不審の色が浮かぶ。
「何でもありませーん」
フレッドアンドペリー
 焦った私は急いで踵を返しその場を逃げ出した。


 あれは今年の四月。今日のように弁当を持ってこない日があった。ただその理由はお米の買い忘れでなく、兄に強奪されたから。
 その日、午前中は家で資料を作成し午後から出勤する予定だった兄は、昼食を作ったり外食したりする手間を省くために、私が早起きしてせっかく作った弁当を分捕った。その代わりしっかりランチ代はもらったが。
 午前中の仕事が一段落して席を立ったのが十二時十五分。すでにほとんどの社員は昼休みに入っており、私はひとりで部屋を出て、終業後にいつもするように非常階段へ向かった。
 階段室に入るとふと違和感を覚える。いつもなら静寂が包むそこにかすかに人の声が聞こえるのだ。話し声が近づくにつれ、声の主は若い女性と分かった。どうやら電話中のようだ。時折クスクス笑う楽しそうな様子がこちらにも伝わってくる。
 スニーカーの靴音は軽すぎて彼女には聞こえないだろう。ゴム底の靴にありがちなキュッキュッという音もこの階段では発生しない。突然上から現れた私に驚かなければいいけど。
 七階まで降りると突然女性の声が止んだ。オフィスに戻ったのだろうか。が、耳をすますと人の気配はする。そして、衣擦れの音と、「ん……」というくぐもった声。
 何だろう。好奇心に駆られて、息を殺し足音を忍ばせ、更に階段を降りる。
 踊り場から六階に続く階段に足を踏み出そうとしたそのとき、嗅覚が甘い香りを認識し、視覚は非常扉から少し離れた壁際に、ある情景を捉えた。

――一ミリの隙もなく体を密着させた男女のキスシーン。しかもかなり濃厚な。

 生まれてこのかたこんなに濃い――いや濃くなくても――キスシーンを生で見たのは初めてのことで、つい目が離せなくなってしまった。
 別にのぞき見したかったわけではないのだが、結果的にのぞき見だったと言われれば、はいそうでしたと認めるしかない。
 本能に従って行動する男と女の『生』に圧倒されている自分がそこにいた。
 
 やがて男の唇が女のそれから離れ首筋に伝う。女は明るい茶髪の頭を少し後方に仰け反らせ、その角度を変え、そして目を開けてトロンとした視
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