茶柱戦隊 茶レンジャー 〜2杯目〜 

2011年05月04日(水) 12時11分
「では、只今より第1回梅華高校茶道部予算会議を始めます…ってちょっと緑川先輩!」

せっかく真面目な雰囲気で会議を始めようとしているのに、
緑川先輩は、部室の隅で「の」の字をかいていた。

「だってさ・・・予算がワンコインだろ?どう使い道を決めるっていうのさ!!」
「それを決めるのが今の会議でしょうが。」
「もう、こうなったら・・・」

十薬先輩がおもむろに立ち上がる。


「生徒会室を襲撃するしかないな。」


「いやいや。なんでそう物騒な方向に話がいくんですか!」
「葉、お前もそう思うか!」
「緑川先輩も!乗せられないでください!!」

本当に。生徒会のこととなると、先輩方は物騒なことばかりを口にする。
襲撃するだの、戦争するだの・・・。
先輩方と生徒会との間で過去に何かあったのだろうか。

「とりあえず、生徒会長にもう一度、理由を聞いてみましょう。」
「生徒会長って・・・霧藤に?」

十薬先輩は、私の言葉に目を丸くした。

「え?何か問題でもあるんですか?」

「霧藤はな、みどりを嫌ってるんだ。」
「緑川先輩を?」

なんとなく分かる気がする。
私は心の中で、納得した。

「そう。みどりは、緑茶が好きだろ?霧藤は、緑茶が苦手なんだ。」
「緑茶が嫌いなだけで、緑川先輩を嫌いになるところが理解できませんが・・・。」
「まぁ、そこは本人に聞いてみないと分からないけどね。僕も詳しく聞いたわけじゃないし。」

そう言って、十薬先輩はどくだみ茶を一口飲んだ。
すると、今まで黙っていた緑川先輩がゆっくりと語りだした。

「霧藤と俺とは、幼馴染なんだ。」
「へぇ、そうなんですか。」

緑川先輩と生徒会長が幼馴染だなんて、初めて聞いた。

「霧藤は、有名バリスタの息子。俺は、茶道家の息子。親同士の仲が良かったから俺たちはいつも一緒だったんだ。」
「え、何ですか。その新情報。」

「しかーし!」

「しかし?」
「あいつは、俺の緑茶魂を否定した。」
「は?」
「食後は、絶対緑茶だって俺が言うのに、あいつは珈琲だと自分の意見を曲げなかった。」
「はぁ。」
「それから、俺と霧藤は犬猿の仲なんだ。今回、部費がワンコインなのもきっと霧藤の仕業にちがいない!」

なんなんだ。
この無意味な争いは。
食後に緑茶を飲もうが、珈琲を飲もうが個人の勝手ではないか。
思わず、先輩にツッコミたかったが、話が長くなりそうだったので
それは胸の内にとどめておいた。

「今まで、様々な嫌がらせに耐えてきたが、これだけは許せん!!」

緑川先輩は体中についていた緑茶の葉っぱをふるい落としながら、立ち上がった。

「生徒会室に行くぞ!」
「おう!よく言ったみどり!!行こう!」
「あ・・・先輩方、待ってくださいよ〜。」

兄さん。
梅華高校茶道部、生徒会室へ殴り込みに行くみたいです。


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