映画の街 東京都調布市にひっそりと存在した映画館。
パルコ調布キネマ
私はここで18歳から26歳までアルバイトをしていました。
東京に出てきたばかりの私は、『映画館』と言うものをよく知らず、
重い扉の向こうに広がるキャパ147席(当時)の映画館が、
とても広い異空間のように感じられました。
昼間は東宝系のロードショー。
夜は単館系のレイトショーを大体週代わりで上映。
香港映画の面白さも、ルコントやゲンズブール、ゴダールを知ったのもこの映画館。
何よりも、日本映画の面白さを沢山感じました。
ここでアルバイトをしている間は、毎月20本ほど映画を見ていました。
映画を見るたびに、自分の中の色々な感情がひょっこり現れては消えて行き、
でもその感情たちは私の中にちゃんと眠っていて、
映画を見れば見るほど、私は色々な自分に出会えているような気がしていました。
映画館に流れる空気も大好き。
パルコ調布キネマと下高井戸シネマが本当に大好きでした。
私はダイナミックなハリウッド映画よりも、
やはり小粒でもじわっと沁みてくる、
見ている間に他人事ではなく、感情移入しまくれる、
我が事のように近くに感じられる映画が好きなんだなぁ〜。
あと、女性がかっこいい映画。
ああ、
いろんなことを思い出していたらいろんな映画がこみ上げてくる。
『Bandits』のニコレッテ・クレヴィッツキュートだったなぁ〜、音楽も最高だった。
『髪結いの亭主』のあっけなさ、マチルダの気持ちが分かったような気がして妙にすとんと落ちた時の不安な感じ。
『BOUND』でジーナ・ガーションにノックアウトされて勢いでファンサイト(LoveThings)を作ったこと。
行定勲監督の『贅沢な骨』『ひまわり』の空気が大好き。
『バタフライ・キス』『日陰の二人』のM・ウィンターボトムも好きだし
ケン・ローチの『リフ・ラフ』といえばロバートカーライルの『司祭』『トレイン・スポッティング』『フル・モンティ』
『トレイン・スポッティング』とくればユアン・マクレガーの『シャロウ・グレイブ』『Emma』(グゥイネス・パルトローがめちゃキュート!!)『ブラス!』(ピート・ポスルスウェイト(今年の1月に亡くなられたそうで・・・残念です)大好き!
ピートといえば『ロミオ+ジュリエット』のレオ様とクレア・デーンズ、きれいだったなぁ〜
やっぱ映画は美しくなきゃ!!
『月とキャベツ』の山崎まさよしさんの二の腕に鼻血を流した夏・・・
市川昆監督の作品もここで知ったし韓国映画、香港映画、中国映画も沢山観た。
トラン・アン・ユン監督の作品もキネマで色々観たし・・・ってキリが無い。
本当に沢山の映画を観た。
クレヨンしんちゃんが大人に観て欲しい映画だと強く思ったのもキネマで観たから。
そういやキティーちゃんの映画なんてのもあったな〜
アニメも沢山見たよ。
そうだ、私が映画を好きなのは、そこに愛があるから。
何かを使えたかったり、その視線の源は愛だったり。
映画を撮りたいと思う人にいは愛があるような気がしているのです。
それはただその対象が『好き!』っていう愛だったり、
物語の中に流れる愛だったり、何かを伝えたいって言う愛だったり。
それが画面を通じて伝わってくるような気がする。
うん、そんな映画が大好きです。
どんな映画にも愛があると私は思うのです。
私の映画史は、キネマにいた期間が殆どなので、
かなり期間限定で固まっているかと思うのですが、
キネマにいた8年間の間、本当に沢山の世界に触れることができました。
映画との出会いはもちろん、
この映画館で出会った人たちは本当に私の人生にとって欠かせない人たちばかり。
東京に出てきたばかりの私が、ずっと東京にいられたのは、
キネマで出会った個性豊かな人たちのおかげだと思っています。
本当に。
スタッフも、毎週来てくれるお客様も。
ふらぁ〜っといらっしゃるお客様も、休日に溢れる子供達も。
本当にみんな大好きでした。
カウンターから見る景色
映写室から観る真っ暗な館内
切り替えのドキドキ感
フィルムを編集するときの感触
ビリッと来る静電気
事務所の入り口のドアノブで何度もぶつけた腰骨
古くて殆ど見えない事務所のモニター
ごちゃごちゃ色々隠れていたスクリーン裏
ちびっ子映画のときは襲われているような状態のショーケースでのグッズ販売
一人で試写をするときの贅沢な気分と怖〜い感じ
毎週届く愛あるアンケート
閉館は寂しいけれど、
キネマで過ごした日々は私にとっての大切な宝物です。
私の中で全てが一つの映画のようになって、ちゃんとフィルムで保管されています。
沢山のすばらしい映画をありがとう。
シネコンにも愛はああるよね
きっと。
映画って やっぱり いいものですよ
子育てが落着いたら、またきっと毎日浴びるように映画を観たいと思っています。
ありがとう。
たくさんたくさん。
みんなありがとう。
さようなら、パルコ調布キネマ。
にんぷっぷのしのぶちゃんと。
私はルー持参。
なくなってしまうキネマの前で記念にパチリ
しのぶちゃんとはキネマでずーっと一緒でした。
一番多感な時期をともに過ごした仲間
元気なお子を産んでくだされ!!
安産を祈っています!