エレニの旅

December 21 [Mon], 2009, 22:13
テオ・アンゲロプロスの最も新しい作品「エレニの旅」を観る機会がありました。

およそ3時間という長丁場。
しかし全く長くは感じさせない
と言いたいところですが、いえ、そりゃあもう、途方もなく長く感じました。

しかし、それこそが、この映画の醍醐味ではないかと同時に感じました。


アンゲロプロスの作品を観たのは初めてだったので、彼の技法にまず驚きました…。
確実に主人公がいるはずなのに、「モティーフ」としての役割以上を決して果たさないような人物の撮り方。ズーム無し、感情を煽るような無駄なカメラワークも無し。
エレニの主観的視点を感じることが一度もなかった。

印象的なファーストカットから始まり、ひどく長い長回し、非現実的な土地感(あまりにも丁寧すぎる撮り方が非現実感をもたらすのか…)、しかしそのどれを取っても、極端などでは決して無い、誇張というものも無い、リアリティに溢れている、けれども美しい。

ラストシーンから少し前の、老婆に介抱されながら留置場の狂気のトラウマを何度も何度も語るシーン。
正直、あそこは非常に苛立ちました。あまりにも、長すぎる。くどすぎる。

また、これがラストカットに違いない、と思ったことが何度あったでしょうか…

しかし、しかし
あのラストカットは、一生、私の心の中に残ることでしょう。
長丁場から解放された安心感などではもちろんありません。

私は、エレニと共に旅をしたのだと思います。

誰にも目立った焦点を当てない物語は、観客をその中に取り込みました。
私はまったくの他人であるエレニの数十年という人生を疑似体験し、それと同時に彼女の人生を傍観したのです。

人生はドラマである。
確かにそうですが、それは第三者から見た人生。
自分の人生を生きながら、脚色することはできないと思います。

ここがラストカットだ
と思う場面が何度あっても、決していわゆる映画のように人生の幕は下りない。
エレニの旅路の終わりは、非常に残酷であります。
それはあまりにも現実的すぎるしつこさへの苛立ちや、疲労感を経た上での一種の裏切りのようなものでもあるからです。
なぜこんなにも、打ちひしがれたまま、突き放されなければならないのだろうか。

その非情さは、彼女の人生を共に体験することでいっそう強まります。

私の人生という旅のラストカットは、もしかすると呆気にとられるほど非情で、突き放されたようなものかもしれない。
ひしひしとそう感じました。

長丁場ではあるけれど、振り返れば170分の中で、こんなにもひとりの人間の人生を描ききることができるなんて、と感銘を受けます。

なんの誇張もないものに、ここまで心を揺さぶられるなんて。

エレニはいつか、再び旅を続けるのでしょうか。

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はじめまして

November 24 [Tue], 2009, 2:28

今日から
何度目かもうぜんぜんわかんないくらいやろうとした
ブログをまたやります

ちゃんと更新しなくちゃ

このブログの目的は
人にちゃんと伝える&カ章を書くため

自分の思ったこと考えたことって
あたりまえだけどすごく内的なものだから
ただの自己陶酔とか自己満足で終わりがちだけど
それを他人にも興味を持ってもらうようにとか面白がってもらえるように書ける人って
すごくすごいと思うから

まあ要するにくだらないことを書きつらねてゆくということですな

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