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奥深い視点、ヘンリー・ムーア回顧展 / 2010年07月02日(金)
 ロンドンの美術館テート・ブリテンで開催されている英芸術家・彫刻家ヘンリー・ムーア(1898-1986)の回顧展は、ムーアを非常に奥深い視点で捉えている。

 世界の彫刻庭園や公共建築物でよく見かけるムーアの巨大なブロンズ像はこの展示から省かれており、われわれの目は1人の芸術家の非の打ち所のない洗練さと礼儀正しさにおのずから向けられる。こうした部分が、同時代の芸術家に比べてムーアを抑制的に見せるのなら、それは20世紀前半の英国芸術の野望の薄さの露呈にほかならない。

 ムーアの慎重に研ぎ澄まされた様式的曲線は、同世代の数多くの芸術家と同様、「原始的」芸術と呼ばれた作品への魅了を起点とする。ムーアは若干年上の米国生まれの英彫刻家ジェーコブ・エプスタインや、フランスやドイツの多くの芸術家の影響を受けた。しかし、ムーアが1920年代に作製した、彫刻を施したさまざまなストーンマスクは、多くの芸術家にひらめきを与えたとされるメキシコやアフリカのマスクの面影はほとんど見られない。さらには、多くの芸術家が原始的芸術から引き出した激しい感情もそこにはない。

 むしろ、これらの初期作品の大半は、「彫刻を何より好む」とのムーアのメッセージを体現しており、回顧展そして恐らくはムーア自身の長所 ─ 英国とイタリア産の石、および様々な木材を用いて作品を製作する驚くべき機敏さ ─ を際立たせている。ムーア作品のフォルムに掘り込むため、それぞれの材料には特別な道具と品質の理解が必要だ。

 ムーア作品が最も説得力のある形で展示されていることで、抽象芸術に対するムーアの遅参のアプローチ ─ もっと良い表現を用いればフォルムの簡素化 ─ でさえも許容できる気になる。(現代美術館の)テート・モダンで同時期に開催されている作品展「ファン・ドースブルフと世界の前衛芸術」は、大陸欧州の芸術との比較で、ムーア作品の英国的な抑制をはからずも証明している。

 完全な抽象フォルムの探求が一部にみられるものの、ムーアは「母子像」と「横たわる像」のバリエーションの製作に明らかに快適さを見出していた。周囲で革新的な動きが起きていたことにムーアは気付いていなかったわけではない。しかし、超現実主義者たちのフォルムとの同一化はムーアにとって苦痛を伴うものだった。

【7月1日8時35分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100701-00000003-wsj-int
 
   
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