「ファーゴ」
2008.12.21 [Sun] 18:46

12年前の作品だそうで、そんな頃はまだアメリカも今のような底なしの衰退がやってくるなどとは夢にも思っていなかった時期であったはずなのですが、それでもここに映るアメリカはまるですべてが終わったあとの様に、からっぽで寒々しく見えます。
雪に覆われることによって、街の本当の姿、イコール近未来がうっかり見えてしまったといったところでしょうか。
「凸凹な印象の二人組が凶悪な犯罪に手を染める」という筋書きは、ずいぶん昔の映画「冷血」を思い出させます。どちらも実話が元であるらしいのですが、犯罪者の心理を描くことにおいては「冷血」の方がより緻密で生々しいものがあったと思います。
「ファーゴ」ではむしろ、犯人ペアを追う警察署長(女性、しかもお腹が大きい)の描写に目を奪われます。
何でそんな場面で平気でがつがつ食事できるのかとか、何でこんな場面でそんな能天気なセリフが吐けるのかとか、一筋縄ではいかないキャラクターをさりげなく見せつけながらも、結局は「いや女ってこのぐらい確かにするわよね」と納得できてしまうという絶妙のさじ加減。
同じコーエン兄弟の「The Big Lebowski」でも思ったんですが、女をこのようにプラマイゼロで描ける作り手のことは大変信頼してしまいます。
「夫(おっと)目線」などとあえて言ってみるのですが、己の妄想で女性像を構築するがあまり、プラス1000ぐらいで女を果てしなく持ち上げたかと思うと、返す刀でマイナス3000とかついやってしまう「童貞目線」作家に対し、ちゃんと配偶者がいて面倒を見ている「夫目線」作家の場合は
「女ってホント理解しがたいよね、むしろグロい?
でもそこに神が宿ってるってことなんじゃないの、よくわかんないけどさ」
とまあ「退きつつも本能的にとりあえず拝んどく」という正しい姿勢で女に日々接しているため、たとえ一見過激な女を描いても、童貞目線作家のそれのように「こんな女いネーヨ」と失笑をかうことは決してないわけです。
ちなみにこの警察署長役の女優さんはコーエン兄の奥さんでもあるのだそうです。なるほどなと。
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ここにきて絶妙な物件が突然見つかってしまったため、急遽年内に引っ越しすることになりました。
日記じゃないですよ。ホントに住まってる家のことです。
10年暮らしたこの家を来週明け渡すということで、俺は今、もうれつに焦っています。
そんなわけで更新も今年はこれで最後にしたいと思います。変わらず読みにきて下さってたみなさん、今年も1年間本当にありがとうございました。ではちっとばかし早いですが良いお年を。


















