13年後のクレヨンしんちゃん 

2007年06月23日(土) 23時30分

8 名前: ◆TmK8dn3Gxg 投稿日:2006/04/07(金) 01:44:48.83 ID:60VRmiQN0
ひまわりちゃんは、悲しそうな顔になって、僕の目の前にごはんを置いた。
そして、両手でわしわしと僕の顔をかきまわす。ちょっと苦しい。
「お腹減ったら、食べればいいよ。」
おしまいにむぎゅうっと抱きしめられてから、そう言われた。
ひまわりちゃんは立ち上がると、段々になったスカートをくるりと回して、
そばにあったカバンを持つ。
学校に行くんだ。
いってらっしゃいと言おうとしたけれど、やっぱり言う気になれなくて。
僕はぺたんとねころんだ。
へいの向こうにひまわりちゃんが消えていく。
顔の前に置かれたおちゃわんを、僕は鼻先ではじに寄せた。

お腹は、ぜんぜん空いていない.

13年後のクレヨンしんちゃん 

2007年06月23日(土) 23時30分

7 名前: ◆TmK8dn3Gxg 投稿日:2006/04/07(金) 01:44:22.87 ID:60VRmiQN0
ぴたぴたとおでこを触られる感覚に、急に目が覚める。
いっぱいに浮かんだ顔に、おもわず引きぎみになった。
ひまわりちゃんだ。
「シロー。朝ご飯だよ。」
そう言いながらこちらをのぞき込んでくる顔は、しんちゃんに似ていて。
やっぱり兄妹なんだな、と思う。
「ほら、ご飯。」
ひまわりちゃんは、片手で僕のおでこをなでながら、もう片方の手でおわんを振ってみせる。
山盛りのドッグフード。まん丸な目のひまわりちゃん。
あんまり興味のない僕のごはん。困った顔のひまわりちゃん。
僕は、それをかわるがわる見ながら、迷ってしまう。

お腹は減っていない。
でも食べなければひまわりちゃんは、もっと困った顔をするだろう。
でも、お腹は減っていない。

13年後のクレヨンしんちゃん 

2007年06月23日(土) 23時28分

6 名前: ◆TmK8dn3Gxg 投稿日:2006/04/07(金) 01:43:42.54 ID:60VRmiQN0
せめてこっちを見てくれないかな、と言う気持ちと、がんばれという気持ち。
その二つがまぜこぜになって、とにかく少しでも何かしたくなって。
小さくほえてみようとしたけれど、出来なかった。
なんだかとても眠たい。
ちかごろ多くなったこの不思議な感覚、ゆっくりと力が抜けていくような。
あくびの出ないまどろみ。
閉じていく瞳の端っこに、しんちゃんの黄色いスニーカーが映って。

ああ今日もおはようを言い損ねたと、どこかで後悔した。



13年後のクレヨンしんちゃん。 

2007年06月23日(土) 23時28分

5 名前: ◆TmK8dn3Gxg 投稿日:2006/04/07(金) 01:43:23.40 ID:60VRmiQN0
「行ってきマスの寿司〜〜〜〜〜〜。」
あいかわらずの言葉といっしょに、しんちゃんは家から飛び出していった。
まっ黒な上着をつかんだまま、口に食パンをおしこんでいるところを見ると、
今日もちこくなんだろう。
どんなに大きな体になっても、声が低くなっても、朝に弱いのは昔から。
特に今年は、しんちゃんのお母さんいわく『ジュケンセイ』というやつだから、
さらにいそがしくなったらしい。
たしかに、ここのところのしんちゃんは、あんまり僕にかまってくれなくなった。
しかたのないことだとしても、なんだかちょっと、うん。
さみしいかもしれない。

13年後のクレヨンしんちゃん 

2007年06月23日(土) 23時27分

1 名前: ◆TmK8dn3Gxg 投稿日:2006/04/07(金) 01:41:45.75 ID:60VRmiQN0
僕はシロ、しんちゃんのともだち。十三年前に拾われた、一匹の犬。
まっ白な僕は、ふわふわのわたあめみたいだと言われて。
おいしそうだから、抱きしめられた。

あの日から、ずっといっしょ。


2ちゃんでだって泣けるかもしれない。 

2007年06月23日(土) 23時24分

13年後のクレヨンしんちゃん。


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