第2話 

2013年04月28日(日) 22時00分
ユウは
最初の印象から、他の4人とは全く違っていた。

他の4人は
どこか一線を引いているように感じたのだが
ユウだけは
なんだか馴れ馴れしかった。

一番最初こそ
「ゆきりんさん」だったのが
いつのまにやら
「ゆきりん」に・・・

一緒にプレーをしていても
私の事はいつも「女の子」扱いしてくれる。

そのくせ
ちょこちょこ小話をはさみながら
私のリアルの事を聞き出そうとする様子に
「信用ならない」という
思いが芽生えたのも事実だ。

ただ、そこは年の功、経験の功、
巧みな話術でのらりくらりとかわしつつ
逆に相手の事を聞き出す、という戦術に打って出た。

その結果・・・

「これ、言ってることが本当に事実なら
個人特定、ある程度まで可能なんですけど??」

というレベルの情報まで聞き出すことに成功したのだった。

第1話-3 

2013年04月27日(土) 22時00分
その記事がきっかけで
フレになった人は5人いる。
すべて男性だ。

最初の一人は
最初、サブキャラのフレンドとして申請してきた。
いろいろ観察(スキルや強さ)されてるうちに、
今度、メインのほうで
ハイエンドコンテンツのボスに行きましょう、
とお誘いがあった。
それからすぐ、メインキャラのほうでフレンド申請があり、
受けてびっくり、
そのメインキャラ、というのが
全職カンスト、という
とんでもないスキルの持ち主だった。
自分が強いだけに、
時々嫌味も言ってくるので、
画面を前に、「むかつく〜〜〜」と思うことも多々あるけれど
私が尊敬し、目標とするプレーヤーでもある。

そのあとフレになったのは
スキルもレベルも近い人だった。
お互い、このゲームシリーズがすごく好き、ということがわかり
マニアックな話までガンガンできる
純粋なフレンドになった。

次の人は
私の仕事にとっても近い人だった、
そのせいか、とても話しやすい相手だった。
仕事の悩みや、家族の事、離婚のことまで
彼には臆することなく話すことができた。
親友、といっても過言ではないくらいの間柄だ。

次は、子どもが3人います、というパパさん。
子どもの話をして盛り上がるフレさんだ。

そして、最後にフレになったのが
「ユウ」だ。

第一話−2 

2013年04月26日(金) 22時00分
このゲームをやり始めて
3回目の大型バージョンアップを迎えたころから
ソロでの活動が厳しくなってきた。

パーティーを組まないと突破できない
ハイエンドコンテンツが増えてきたのだ。

働くシングルマザーの私は
ゲームインの時間も決して長くはなく、
カンストしている職業こそあるものの、
パッシブスキルも充実しているとは言い難い状態だった。

チームには、最初のころから所属していたが、
そのメンバーのほとんどが私より強く、レベルも高く
一緒に何かをしてください、
とは言い出せなかった。

それもあったので、
とにかく強くなりたかった。

そして1か月かけて
全体的なレベルの底上げを図った。
その結果、メイン職でなら、
ハイエンドコンテンツに行ける状態まで達することができた。

だが、そのコンテンツに
行ける仲間がいなかった。

だから、
仲間を少し増やそうと、
ある攻略掲示板の中にある
「フレンド募集掲示板」で募集してみることにしたのだ。

出会いを求めている、と
誤解されたくはなかったので
「アラフォーの働くママ」とだけ書き、
同世代のフレを募集した。

そこで、出会ったのが、



だった。

第一話 

2013年04月25日(木) 22時22分
実は、私はアラフォー(っていうかちょうど40歳)のシングルマザーだ。

半年余りにわたる調停の末、離婚した。

結局のところ、相手方の浮気が原因だったけれど
元夫はそれを一切認めようとしなかった。

元夫からの申し立てによる
「性格の不一致」を理由にした離婚調停のさなか、
「離婚はしたくない」とすっとぼけながら
証拠を水面下であつめ、公の場でつきつけ、
ほぼこちらの完全勝利、という形で離婚に至った。

でも、
それまでの日々は、心労を重ねた日々だった。

子どもの父親を奪っていいのか
私が我慢すれば
いつかは戻ってきてくれて、
温かい家庭が築けるのではないか

そう考える日もあった。

そんな時に、このオンラインゲームが発売された。

気晴らしに、ちょうどよかった。
好きなところへ行き、
見知らぬ人たちと野良でパーティーを組んで
ボスを倒しに行く日々。

リアルの苦しみを一瞬だけ忘れることができた。

しかも、このゲームのいいところは

ソロで話を進めることも可能である、ということだ。

自分のレベルが上がれば上がるほど
優秀なAIプレーヤーを雇うことができ、
それによって、ある程度のところまでは進めてしまう。

うまくやれば、ラスボスも撃破可能だった。

人間不信に陥ってた私にとって
これはありがたいシステムだった。

心のどこかで
「人とつながりたい」
と思う半面、
「つながって裏切られるのは嫌だ」
と恐れを持つ自分もいた。

だから、
チームに所属しても、フレ登録してもらっても
深い付き合いはしてこなかった。

それでいい、と思っていた。

プロローグ 

2013年04月24日(水) 22時11分
 今日も、いつものようにゲームにログインする。

幅広い世代に支持されていて
小学生から
シニア世代までプレーヤーがいる、という
大人気のオンラインRPGゲームだ。

ゲームでの名前は、

「ゆきりん」

本名の「ゆき」にりんをつけただけ。

オンラインゲームが初めてだった私は
何も考えずにこの名前を付けた。

まぁ、ありふれた名前だし
名前で個人まで特定されないだろう、という
算段はもちろん立てているけれど。

もともと、このシリーズのゲーム、
特に音楽が大好きで
ナンバリングタイトルはすべてやりこみ、
主人公はレベル99まで育っていて当たり前。

そんな私が、
このゲームにはまるのは、時間の問題だった。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:pikalin93
読者になる
2013年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
Yapme!一覧
読者になる