please call “MY NAME”-1- (L×R) 

2004年08月05日(木) 0時05分
夢のために“必要なもの”と“必要じゃないもの”を分けた時、残ったものの処分の仕方を私は知らない。
それは限り無く“必要なもの”なんかよりも必要で、私が私でいる唯一の術である事ももちろん知らない。

だったらそれを「私」と名付けましょう。
あなたの呼ぶ「私」という名を。


 please call “MY NAME”



「なぁロビン」
「なぁに、船長さん」
「何で名前、呼ばないんだ?」

それはあまりに突然で。
質問を受けたロビン自身、あまりの脈絡のなさに思わず首を傾げた。

早朝の甲板。
まだ朝日も昇りかけのこの時間に、何故この二人が甲板に居るのか、という事。
ロビンは本当に偶然に目が覚めてしまっただけだった。
寝付けなくて、水を飲もうとキッチンへ向かうその途中。
船首で何かが動いてるのが目に入った。
起きたばかりの目は、まだぼんやりと視界を濁す。
そしてそれがルフィだと気が付いた時、ロビンは自然と船首へと歩きだしていた。

ルフィは言った。
朝日を見るんだと。
毎日こうやって見てんだ、と。
けれどいつも最後の方に起きてくるルフィの姿が浮かんだので、ロビンは首を傾げる。
するとルフィはいつものようにしし、と笑って。
これ見たらも一回寝るんだ、と言った。
なんとなくルフィと結び付けられないその慣習は、自然とロビンを惹きつけた。
面倒くさがりな彼が、どうして太陽にこだわっているのかを、自分も見ることで理解したかった。

そして、ゆっくりと水平線を光の筋がなぞってゆく。
橙色をしたそれは、もったいぶるかのようにじっくりと浮かんできた。
藍色の海が少しずつ金色にそまる。
きっと世界の始まりや終わりにさえ似たその光景は、ひどく美しかった。

思わずロビンは感嘆の声を漏らす。
それを聞いてルフィが、な?と笑いかけてきた。
彼女は、彼の後ろにある大きな光に目を細めた。
ルフィまでもが、その光の一部であるかのように思えた。

そして。
大分日が昇った頃。
会話と言う会話をしていなかった二人の間に、投げられた言葉があった。

   ・・・なぁロビン

それはあまりにも突然で、

   何で名前、呼ばないんだ?

ロビンは口を閉ざした。

→next

attention 

2004年08月04日(水) 23時32分
ここはワンピースの詩、小説置き場です。
徒然なるままに吐き出していきます。
有り得ないとおもいますが、右クリック系統は禁止です。

基本的にノーマル思考。
サンナミ(SN)、ゾロビビ(ZV)、ルロビ(LR)が主です。
たまにサナゾやアブノーマルも飛び出すかもしれません。

ほのぼのとか甘々とかよりは結構暗いものが多いです。
気まぐれで更新したりしなかったりがあります。

道標 

2004年08月01日(日) 1時14分
『道標』

もう起き上がれないんじゃないかと思った過去

世界の終わりには絶望しかないと思ってた



握った手から熱と小さな鼓動が伝わる今

朝靄の中 確かにそこに在る安堵感


真っ直ぐ見つめる水平線に 二人同じものが見えているだろうか


遠くで鳥達が朝を告げ

太陽が新たな一日の輪郭をなぞってゆく


大きな光の前に 今日も僕らは無力だけれど




見えるのは、君と居る明日。

足跡(L×R) 

2004年07月29日(木) 9時53分
『足跡』


「私は誰も信じないから、だから貴方に付いて来た・・・忘れないで」



砂浜をゆっくりと歩く。
さっきより私たちの間は遠い。

まだ幼さを残す少年の背中に潮風が吹き付けている。

何も言わない。
いつもそう。
二つの事が同時に出来ない人。
頭で考えながら関係ない事を喋る、ただそれだけの事が出来ない人。

潮が満ちてきて彼の足に小さなさざ波が押し寄せる。

今、何を考えているんだろう。
哀しんで・・・いるんだろうか。
醜い私を知って。
それは愛なんかではない事を知って。
・・・考えることないじゃない。
切り捨てればいいのよ、全部。
私が今までそうして生きてきたように、貴方も全て切り捨ててしまえばいいのよ。


ふと彼が立ち止まる。
風は追い風だろうに。
素足のままの指先が何かをなぞるように動いた。

「でも、一人より二人の方が楽しいだろ」

・・・さっきの返答かしら。

「二人より三人の方が楽しいでしょう」

あ。何よ、この声。
私、少し怖気付いてる。

「うん。三人より四人の方が楽しいし、もっといるならもっと楽しいよな。」

何が言いたいんだろう。
話すにつれて彼の声が晴れてきた事に気付く。

波が彼の足に覆いかぶさった。
動じずにゆっくり振り向くと、言った。

「でも二人なら、俺、お前がいい。」



そういう人。
私が愛した人。

ここまで二人で歩いてきた。
自分の汚い部分に気付いた。

それでも彼は私の手を引いて歩いて行こうとする。



  二人なら、俺、お前がいい。



重なった足跡はこの砂浜に永遠に続いてく。

水平線(Z×V) 

2004年07月28日(水) 21時52分
「どうして人を殺すの?」

真っ直ぐ見つめる瞳に宿るのはケイベツの念。

「人を殺すのは怖くないの?」



『水平線』




怖いという感情はとうの昔に忘れた。

忘れた、と言うより麻痺してしまったのかもしれない。

命を削るような窮地に立たされ続けると、人は恐怖に慣れてしまうらしい。

「何のために、人を殺すの?」

おい、いっぺんに質問すんじゃねぇよ。

「・・・世界一の剣豪になるためだ」

「そのためなら人を殺してもいいの?」

間髪入れずに聞き返してくる。

・・・朝っぱらからこういう重てぇ話をすんのは苦手だ。

「人を殺すために俺はこいつを振り回してるわけじゃない」

さっきまで風を切っていた左手の刀を鞘におさめた。

「・・・じゃあ、なんのためにそれを持っているのよ」

こいつからみたら、俺はさも楽しそうに人を殺しているように見えるんだろう。

「守るためだ」

「・・・何を」

それは遠い昔。

多くのものを見ずに閉じたあの瞳は、己の野望を迷うことなく見つめていた。

誓ったんだ。

あいつではなく、俺自身に。

「・・・俺の、信念。」

長いこと互いの目を見ていたと思う。

ぽつりと、落とすように言った。

「私には、わからないわ。」

頭にはきっと殺し合う罪無き国民達がいるんだろう。

唇を噛んで、そいつは海と空の境目を見つめている。

「・・・人が戦うのは己の信念を守るときだ。お前は何のために戦う?」

「戦いたいんじゃない。守りたいの。」

「俺も同じだ」

「同じじゃないわ!」

吐き捨てた言葉が穏やかな波にのまれていく。

呼吸を整えるように、そいつは手の平を胸にあてた。

「守りたいなら強くなれ。口だけなら何とでも言える」

軽蔑の眼差しは変わらず、じっと俺を見つめている。


敵は己の心の中に、目指すものはあの水平線の彼方に。

上等じゃねぇか。


「私は私のやり方で守ってみせる、あの国を」

見据えるのはただの青。

凛としたその横顔は、戦う女の顔をしていた。
2004年08月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
最新コメント
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:piece-love
読者になる
Yapme!一覧
読者になる