詩と真実 〜シューマン、ブラームス

February 20 [Mon], 2017, 22:41

京都市交響楽団 第609回定期演奏会

February 17 [Fri], 2017, 23:05

映画「エゴン・シーレ 死と乙女」

February 10 [Fri], 2017, 22:38
日曜日に映画「エゴン・シーレ 死と乙女」を観てきました。R15指定。

ウィーンの画家エゴン・シーレ(1890~1918年)の、死の床の3日間と若き日々の回想とが1対9くらいで交互に進行します。タイトルになっている作品「死と乙女 Tod und Madchen」の製作へと至る過程でのシーレの女性遍歴が、物悲しい音楽と多すぎない台詞で描かれていきます。アトリエの薄暗さと戸外の自然の明るさを対比させる映像も秀逸、ヨーロッパ映画ならではの空気がとてもよかったです。

妹ゲルティをはじめ、彼のモデル(=恋人、と言っていいと思う)は何人もいて、その中でもクリムトから譲り受けたヴァリ・ノイツィルはシーレの最高のミューズであり、恋人。すくなくとも彼女は他の女性に嫉妬することがなかったし、少なくともそれを見せることはない。それは「愛されている」余裕から来るものではなく、「愛している」健気さによるものと見えた。それなのになぜヴァリはあの時…、シーレに「僕を愛しているだろう?」と問われた時、「世界中のどんな人にも恋をしない」などと言ってしまったのだろう?あのときに「愛している」と言っていたら、二人の行く末は変わっていたかもしれない。けれどもそうなれば作品「死と乙女」は生まれなかっただろうけれど…。

その「死と乙女」を描いているシーン自体は映画には出てこないが、二人がそのポーズをとるシーンは出てくる。抱擁しあうけれども二人の視線はまったく絡み合わず、同じところを見てすらいない。愛し合っているのに悲劇的な印象しかない抱擁。エディットとの結婚を宣言されて絶望したヴァリの冷え切った目。画家のミューズとしての最後の献身の壮絶さが胸を打つ。

別れた後、ヴァリは従軍看護師となり、入隊したシーレとの偶然の再会を希う。それほどまでに彼を愛していたのに戦地で猩紅熱に罹り死んでしまう。その報せを受けてシーレは作品名を「男と乙女」から「死と乙女」と変更した。つまり自分はヴァリにとっての死神であったということ?あるいは彼女の死は自分の死であるということ?…実際、彼の妻となったエディットは、ヴァリのようには描かせてくれはしなかった。もしも戦争が起こらなければ、もしも徴兵が免除されていれば、もしも強力なパトロンがいれば、シーレは生涯ヴァリを描き続けていけたのだろうか?

そして最初の問いに戻るのです。なぜヴァリはあんなことを言ってしまったのか?
彼女にとって結婚は「紙切れ」であり、制度でしかない。恋をすればそこに執着や嫉妬がつきまとうし、恋はいつか終わりを迎える。彼女にとってはただシーレの傍にいることが大事であり、彼を支え、彼の創造の源になることが重要だったのでしょう。そうすればその二人の痕跡は絵として永遠に遺っていくのですし。そしてもちろん、シーレ以外の誰にも恋をしないことも同時に宣言しています。
しかし、戦争による徴兵で妻を随伴させることを余儀なくされるという形で、制度や紙切れにあっけなく敗北させられてしまうのが皮肉です。運命を変えることはできないかもしれませんが、せめてあのとき「愛している」と伝えておけばよかったのに。と、現実的には思うのですが、それを言わないのがヴァリの美点なのでしょうし、二人の関係を表現する要なのかもしれません。

詩人の恋 〜藤木大地&松本和将

February 06 [Mon], 2017, 21:42

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