若旦那です。
「三国志演義」はそうではありませんが、様々な三国志の小説は諸葛孔明の死をもって終わるのが多いのです。それは孔明の代わりに小説の主人公になるほどの人物が居ないせいではあるのですが、それでもなかなかに興味深くて魅力的な人物が多くおります。例えば、孔明の遺志を継いで漢王朝復興を目指した姜維・蜀を滅ぼす功績を上げながら非業の死を遂げたケ艾・蜀で独立する野望を持ちながら部下に殺された鍾会・敵同士ながらお互いに尊敬し合った羊コ(漢字が見当たりませんでした)と陸抗、これら以外にもまだまだいるんです。俗に三国志の舞台となる時代は後漢末から呉滅亡までのおよそ100年ほどなのですが、孔明の死はちょうど中間地点の辺りなんですね。主役級の英雄豪傑の活躍する前半に対し後半は地味な印象は拭えませが、それでも姜維の北伐と蜀の滅亡・魏では司馬氏の台頭と反対勢力による反乱・呉の最後の名将たる陸抗の活躍など見所は多いんです。孔明没後は三国時代の終焉を予感させて寂寥感いっぱいなんです。
ちょっとヤバイです。このまま三国志の話がずっと続いちゃいそうなので本の話に戻ります。「それからの三国志」は要は孔明が死んでからの三国志という事になるのですが、この本分厚いです。500ページ以上あります。著者の『孔明没後だって三国志はこんなに面白いんだ!』という意気込みが伝わってきます。内容なんですがより詳しく説明しようとするあまり解説調になりがちで正直読むのが捗らず、図書館で2度も借りるはめになってしまいました。それと姜維に重点を置いているので、結局は姜維の死で物語は終わってしまうのです。どうせなら、呉滅亡まで書いて欲しかったですね。
またまたヤバイです。このままだと批判だけで終わっちゃいますね。最初は説明調で捗らなかった話も姜維が表舞台に登場し北伐をするようになると面白くなってきます。当初「姜伯約伝」として書こうとしてただけあってケ艾・鍾会の蜀討伐〜姜維の死までは全体のほぼ半数近くを割いてますね。そして、姜維の漢室復興への信念と叶わぬ夢にかける漢(おとこ)の悲愴感がひしひしと伝わってきてなかなかに読み応えがありました。黄巾の乱から孔明の死までの三国志を読み飽きた人には是非オススメです。著者は本業の傍ら資料を集めこの本の元になった本を自費出版されたとか、頭が下がる思いですね。