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小型軽量と一眼クオリティを両立できた秘密――ソニー「NEX」開発者に聞く(前編) / 2010年06月23日(水)
 今月、ソニーから発売されたレンズ交換式のデジカメ「NEX-5」と「NEX-3」。最大の特徴は、これまでのデジタル一眼レフと同等となる大型CMOSセンサーを搭載しながらも、ボディを小型軽量にまとめたこと。コンパクトデジカメの感覚で気軽に持ち歩きながらデジタル一眼レフに匹敵する画質を得られるカメラである。

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 その開発の狙いを担当者に聞いてみよう。話をうかがったのは、商品企画を担当したソニー コンスーマープロダクツ&デバイスグループ パーソナル イメージング&サウンド事業本部 GP商品部 担当部長 藤野明彦氏と、同社 コンスーマープロダクツ&デバイスグループ パーソナル イメージング&サウンド事業本部 商品企画部門 商品企画1部 4課 プロダクトプランナー 牧井達郎氏、画像設計を担当した同社 コンスーマープロダクツ&デバイスグループ パーソナル イメージング&サウンド事業本部 イメージング第3事業部 技術設計部 6課 水口淳氏の3名だ。【永山昌克,ITmedia】

●真っ黒なモックアップモデル

――NEXの開発はいつごろから、どういう経緯で始まったのですか?

藤野氏: 2008年の年末ごろ、当時の石塚事業本部長によって少数のメンバーが集められ、真っ黒なモックアップモデルを見せられました。デジタル一眼レフをものすごく小型化したような形と大きさのモックです。細かくデザインされたものではなく、その時点ではディテールは何も決まっていませんでした。そして「こういうモノを作りたい。すでに社長には作ることを約束した」というのです。事業本部長のそんな言葉から、NEXのプロジェクトが動き出しました。

――従来のαシリーズの開発スタッフが、NEXの開発を手掛けたのですか?

藤野氏: それまでは、従来のαシリーズはαシリーズで、サイバーショットはサイバーショットで、それぞれの計画に沿って開発を進めていました。そんな中、NEXは突然生まれたプロジェクトでした。最初から体制や人員がそろっていたわけではなく、1からのスタートです。商品コンセプトは、一眼のクオリティを持ちながらコンパクト機のようなポータビリティを兼ね備えたカメラ。つまり、従来のαとサイバーショットの中間領域に位置する製品です。そこで急遽、従来のαとサイバーショットのスタッフが中心になって、NEXの開発を受け持つことになりました。

――開発の初期の段階で決まっていたことは?

藤野氏: イメージセンサー(撮像素子)にAPS-Cサイズを使うことは最初から決めていました。小型軽量を実現するためにはセンサーは小さな方が楽に設計できますが、画質を考えると、通常のデジタル一眼レフで使っているAPS-Cサイズの採用が絶対の条件だからです。もちろん、レンズ交換式であることも前提です。また、2010年6月という発売時期も最初から決まっていました。

――開発を始めた2008年頃といえば、他社からミラーレスタイプのデジカメが登場し始めた時期です。そこに御社も参入し、デジタル一眼レフでもない、コンパクトデジカメでもない、新しい市場を作っていきたいという狙いがあったのでしょうか?

藤野氏: それまでの開発では、サイバーショットはサイバーショットで小型化や多機能化を進め、従来のαシリーズはαシリーズでデジタル一眼レフの路線を展開していました。しかし、それだけでは少しもの足りなく感じる部分があり、デジタル一眼レフのクオリティをもっと幅広く使っていただきたい、新しいユーザー層を広げたいという思いがありました。

 ごくおおまかに言って、デジタル一眼レフのマーケット規模は全世界でおよそ1000万台です。一方、コンパクトデジカメのマーケット規模は、さらに1桁増えておよそ1億台となります。近年はデジタル一眼レフが成長していますが、それでもマーケットのサイズにはまだ大きな差があります。その上で、コンパクトデジカメの購入者の約10%が一眼レフ機の購入を検討したことがある、という調査結果があります。

 そんな人たちに、デジタル一眼レフのクオリティや楽しみを味わってもらいたい、というのが狙いです。メインのターゲットユーザーは、デジタル一眼レフに対して憧れを持っている人です。と同時に「大きくて重い/価格が高い/難しそう」といった点を障壁に感じている人たちでもあります。

――コンセプトにうたう「一眼クオリティ」とは、どんな意味ですか?

藤野氏: 大きなイメージセンサーによる高画質や背景のボケといった要素は当然ありますが、単に画質だけを指すものではありません。モノとしての質感や、撮った瞬間の感触、AFの操作感などを含め、「一眼に対する憧れ」を体験でき満足できることです。

●“レンズと板”というデザインコンセプト

――開発はどのように進行していきましたか?

藤野氏: とにかくターゲットサイズが決まっていましたので、そのサイズにどうやって収めるか、どう構成するかが最大の問題でした。従来のαシリーズは、ボディ内蔵式の手ブレ補正機構を採用していますので、NEXも初期段階ではボディ内手ブレ補正を考えていました。また、内蔵フラッシュの検討も含め、さまざまな試行錯誤を繰り返しました。

 その一方で、デザイン部門では社内コンペを行うなどして、新しいカメラのデザインを模索していました。そこから生まれたのが、今のNEXの原形となったデザインです。その原形を最初に見た瞬間は、ボディよりもレンズのほうが大きいことに驚き、違和感さえ覚えました。しかし、カメラは何よりもレンズが重要です。カメラの究極の形としては、光を取り入れるためのレンズと、その光を受け取るためのイメージセンサー、つまり板状の四角い形があればいいという発想です。

 この“レンズと板”というデザインのコンセプトは明快で分かりやすく、これによって、われわれ設計スタッフの開発に対する意欲がさらに高まった気がします。できる限りの形でこのコンセプトを具現化し、出来上がったら、持ってみたい、使ってみたい、そんな気持ちがエンジニアたちに芽生えていったのです。

――レンズマウントは、従来のαが採用している「Aマウント」ではなく、新しく「Eマウント」を作ることも最初から決めていたのですか?

牧井氏: 従来のαシリーズのAマウントは、フランジバック(マウント面からイメージセンサーまでの距離)が約44.5ミリあり、この長さでは気軽に持ち運べるサイズは実現できません。薄型化のためには、フランジバックの短い新マウントを作る必要があり、そのことは開発の初期段階から決めていました。Eマウントのフランジバックは約18ミリです。またEマウントでは、35ミリフルサイズのイメージャーには対応せず、APS-Cサイズまでに限定しています。

――そのほかには、Eマウントにはどんな特徴がありますか?

牧井氏: 従来のAマウントも細かい進化を続けていますが、互換性を維持する必要があるため、大きな変更を一気に加えることは難しいといえます。それに対してEマウントは、さまざまな技術が進歩した今の時代のマウントです。完全電子マウントにして、レンズ内の手ブレ補正機構やリニアモーターによるAF駆動、連続的に動く絞りの機構など、静止画だけでなく動画にもきっちりと対応しやすい形で設計しています。

 ただ、従来のAマウントでは動画対応は無理という意味ではありません。将来的にはAマウントでも動画に対応していく可能性はあります。

――将来的にずっと使われるレンズマウントの設計には時間がかかる、と一般的に考えられますが、新規格のEマウントを短期間で開発できた要因は?

牧井氏: これまでのαシリーズでマウント構築の経験があったことと、サイバーショットやハンディカムでの動画対応のノウハウを持っていたことが大きかったといえます。また、第1弾のレンズである「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」と「E 16mm F2.8」の2本を妥協せずに作り込んでいく中で、平行してEマウントの規格を作っていったので、短い期間で完成することができました。

――フランジバックを極端に短くしたことが、画質に与える影響はないのですか?

牧井氏: 特に気を使って設計した部分であり、悪影響はありません。そもそもイメージセンサーにはまっすぐな光には強いですが、斜めからの光には弱く、受光部まで光が届きにくくなる、といった特性があります。またイメージセンサーによって、どれくらいの角度の光に対応できるかできないか、その許容範囲にはそれぞれ違いがあります。

 Eマウントは、フランジバックの短縮によって、バックフォーカスを短くすることができますが、その一方で、入り込む光の角度に配慮する必要があります。その点は、レンズとイメージャーのマッチングをしっかりと最適化し設計しています。レンズとイメージセンサーの両方を自社で設計でき、そのノウハウを持っているからこそであり、それがわれわれの強みともいえます。

※後編に続く(デジカメプラス)

【6月22日20時53分配信 +D LifeStyle
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100622-00000061-zdn_lp-sci
 
   
Posted at 16:38/ この記事のURL
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