フォークリフト免許を取った。
今では全く関係の無い職種なのに、3万少々と4日かけて取ってしまった。
だがそれには理由がある。
ワタクシが子供の頃、NHK教育TVで、「はたらくおじさん」という番組を放送していた。
タンちゃんとペロくん@犬 が気球に乗って空から下界を覗き、毎回様々な職業を紹介するというものだった。
大人の世界を説明してくれている気がして、小学生の頃の夏冬休みなどには、半年分まとめて放送されるので欠かさず観ていた。
その中でワタクシが心惹かれたのは、フォークリフトの運転者だった。
大きくて強そうな機械、たとえばトラック運転手や重機オペレーターのようなものに惹かれたというわけではない。
何というか、フォークリフトの、ブイーン!ガッ!グーン!ガクンガクン!ガッ!ブイーン!という一連の動きに←わかんねー ドライバー、オペレーター、などとは違う、パイロットっぽさを感じたのである。
ちなみに、パイロット=複雑そうな機械(いやマシーンと呼んでもいいだろう)を高速で移動させ動かす動作を行う者。
という勝手な定義なのであしからず。
つまり、ワタクシはフォークリフト運転者に、子供心にSFロボットアニメの如くマシーンパイロットというヒーローっぽさを重ねていたのだろう。アムロいきまーす!!
そして、そのまま月日は流れた。
ある日、仕事の都合で数日ポッカリと休日ができた。
別なことで検索していたら、偶然グーグル先生が、ちょうど休みに重なるようにフォークリフト講習があることを教えてくれた。
それを見た瞬間、ワタクシの心に子供の頃のあの思いが蘇ってきた。
数分後、講習申し込みの手続きをするために、車を走らせるワタクシがいた。
出だしから、フォークリフト免許と書いてしまったが、正確には、フォークリフト運転技能講習修了証である。
しかし一般的には免許と呼んでいる場合が多い。
取得している車両系の免許によって教習時間は違ってくるのだが、ワタクシは4日間・31時間のコースだった。
1日目
8:30から18:10までびっしり講習。
途中、トイレや昼食休憩を挿みながら17:00まで学科教習だった。
フォークリフトの基本的な構造、取り扱い方法などはすんなり頭に入ったが、後半の物理も絡んだ力学の箇所は、中学レベルなのだろうがチンプンカンプン?
ただ、試験に出る箇所は、「ここ出ます」とはっきり教えてくれる。
17:10から18:10の一時間だけ実技講習。
この時間は、ただ行ってUターンして戻ってくるだけのもの。フォークリフトの走行感覚に慣れるという感じ。
2日目
8:30から17;50までの実技講習。
この日は、実技試験のコースに沿って走らせてみるというもの。
むか〜し、バイトでリーチリフト(簡単に説明すると、立って乗る少しコンパクトなやつ)を少しだけ乗ったことがある程度なので、後輪がかじ取りをするフォークの挙動にビビルがすぐに慣れた。
フォークリフトはトルコン車でクラッチ操作がいらず、エンストの心配は無い。
乗るだけなら、ゴーカート感覚で実に楽しい。これでコンビ二まで行きたいくらいだ。
しかし午後の教習から、荷役の操作の練習に入ったのだが、ここでワタクシの頭脳のCPUがもたつく。
フォークを根元まで差すのを忘れ、あれ?何か忘れてる?と気がつくも、それが何だったのか分からなくなり、レバー操作がぎこちなくなり、フォークリフトが突然ブレイクダンスを踊りだすという始末・・・
余裕をこいて、流れ作業で操作していたのだが、いちいち声を出して指差し確認することにした。
3日目
8:30から17:50まで実技講習
この日はもう本番のテストと同じ動作を繰り返し練習である。
午後になると完全に余裕で正直飽きてきてしまった。
30分に1回ほど順番が回ってくるのだが、待っている間はお茶を飲んだり、アメ食っていたり、とボーッとしているしかない。
しかしそんな気だるい午後を過ごしていると、例の1つ操作を飛ばして何だか分からなくなってしまうエラーが発生する。
ワタクシの頭は、70年代モーグシンセ並みに熱暴走でメモリーが飛ぶらしい。ああ人生8ビット・・・
4日目
8:30から16:50まで実技講習。その後実技試験
この日も繰り返しテストコースを走り、操作をするというもの。
昼食の時間を少々削り、昼休み前に学科試験を行った。
簡単とはいえ、やはり試験は緊張する。1,2問は間違えた気もするが結果オーライ。合格だった。
落ちることはないと思うが、ちゃんと講師の話は聞いていないと結構間違うかも。
実技試験は、スタートして荷物を積み、クランク走行して荷物を降ろし、バックで車庫入れというもの。
ワタクシのように、ド素人でも6分はかからない。安全確認をきちんと行えば、これも落ちるものではない。
「前方よーし!」「側方よーし!」と電車の運転手のように声に出し指差し確認をしつつ、且つワタクシの頭に書き込みをしながらゆっくり確実に試験をこなす。
よっしゃ完璧だろう!と終了したが、「ほぼ完璧だったが、荷物を乗せる時にちゃんと水平になっていなかったな。そこだけ残念!」と教官から言われる。
あらら・・・水平にしたつもりだったのだが、ワタクシの頭はジャイロセンサーまで狂っていたとは・・・
とはいえ、合格は合格! 試験終了後程なくして、(ほぼ全員合格なので学科試験終了後に作成していたらしい)フォークリフト免許(フォークリフト運転技能講習修了証)を取得した。
私も含めて10人での講習だったのだが、全員合格。
運送・物流関係の必要で取りに来ている人が多く、ワタクシのように趣味で取りに来ている人はいなかった。
簡単に取れる資格だが、やはり免許証を手にすると嬉しいものだ。
早めに仕事が片付いたある日、夕焼けの中で汗をタオルで拭きながらフォークリフトに寄りかかり、コーラのホームサイズをラッパ飲みしつつ、終業時間を待つ。
若かりし日をふと思い出しながら、そんなものが本当は好きなのかもしれないな。と免許証を眺めつつ、パソコンと書類に挟まれながら空回りしている現在に苦笑いしてしまった。