風味絶佳 山田詠美
July 21 [Sat], 2007, 21:58
| 風味絶佳 | |
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山田詠美の作家生活20周年の記念作品。肉体のスキルを生業とする6人の男に光をあて、そのたたずまいの風味を描ききった作品。山田詠美の得意とする、濃密で完成度の高い短編で、言葉に対する彼女の真摯な姿勢、技巧、魅力がつまった一冊。一作書くのに何ヶ月もかけたそうで、選び抜かれた言葉に思わず、ページをめくる手を止めて、うっとりとしてしまう。山田詠美さんの小説を読むと、美しい言葉におぼれてしまい、何度も何度も読み返してしまうことがよくある。
キャラメルのように風味絶佳な、というより、丁寧に作られた野菜の滋味、人里離れた山の奥にひっそりと流れる名水のような、味わい。吟味して選び抜かれた文章だが、作者の熱意が透けて見えるようなうっとおしい重みはなく、さらりと軽やかだ。
詠美さんの作品の場合、書評は多くても、評論が少ないということが多いそうだが、確かに批評でこの素晴らしさを伝えにくいという面があると思う。確か本の雑誌の年間ベスト1にも選ばれていたが、とにかくすごいという理由だけで、詳しくどこがすごいのかは語られていなかった。傑作なのは明らかだが、どこが傑作なのか説明しづらい。つまりは、本を手に取り、風味絶佳な味わいを堪能してしただくしかないのです。
TB:実りの秋
◎「風味絶佳」 山田詠美 文藝春秋 1290円 2005/5
「風味絶佳」山田詠美
かみさまの贈りもの〜読書日記〜
モンガの独り言 読書日記通信さん
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