時をかける少女 

August 21 [Tue], 2007, 19:46
2006 / 日本
監督:細田守
CAST(声の出演):仲里依紗 / 石田卓也 / 板倉光隆 / 原沙知絵 / 谷村美月 / 垣内彩未 / 関戸優希

高校2年生の紺野真琴は、自転車事故をきっかけに、時間を跳躍する能力を持ってしまう。その能力のことを叔母の芳山和子に相談すると、それは“タイムリープ”といい、記憶の確かな過去に飛べる能力だという。半信半疑の真琴だが、日常の些細(ささい)な不満やストレス解消などのため、むやみやたらに能力を乱用しだし……。 (シネマトゥデイ より)


アニメはあまり観ない方なので、評判が良いと知りつつもなんとなく今まで観なかったこの作品。
原作は知らないんですが、想像以上によかったですよ〜
青春の爽やかさ、躍動感に溢れた作品です。

主人公の真琴が突如手に入れたのは時間を跳躍できるという“タイムリープ”の能力。
時間を遡って何度もプリンを食べたり、カラオケで何時間分も楽しんだりと、
真琴はやりたい放題の毎日。

真琴が普段からよくつるんでるのは、功介と千昭という2人の男友達。
ある日、ずっと“友達”だと思っていた3人に変化が。
真琴は千昭に告白されてしまいます。(青春っていいね〜
思いがけないことに戸惑う真琴は、タイムリープで千昭の告白を
なかったことにしてしまいます。

タイムリープを使えば過去を修正できる。
何度でもやり直せばいい。
だけど、真琴がタイムリープでおいしい思いをしている陰で嫌な思いをしている子もいたり、なかなか真琴の思い通りにいかなかったりとだんだんとややこしいことに・・・。


もし私がタイムリープの能力を手に入れたら何をするだろう
きっとくだらないことばかりに使って遊びまくるとは思いますが(笑)
ありえない、って分かっていても過去に戻りたいって思うときってありますよね〜。

この作品、アニメって感じさせないほど会話や仕草が自然です。
ほんと高校生活ってこんな感じなんですよね。
最後に大切なものに気づくという、ベタと言えばベタな展開なんですが、
いつのまにかすっかり真琴に感情移入しちゃってました。
青春真っ只中の純粋な気持ちを思い出させてくれる(私何歳ょ?笑)、
とっても素敵な作品です。
アニメって子ども向けなイメージがありますが、この作品はむしろ、
ちびっこよりは青春を経験した大人の方が楽しめるんじゃないかなぁ。


評価:★★★★☆

キサラギ 

July 19 [Thu], 2007, 17:11
2007 / 日本
監督:佐藤祐市
CAST:小栗旬 / ユースケ・サンタマリア / 小出恵介 / 塚地武雅 / 香川照之
/ 宍戸錠(友情出演)

売れないグラビアアイドル如月ミキが自殺して1年、彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)ら5人は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め……。 (シネマトゥデイ より)

とってもテンポのいい作品で、最後まで飽きずに楽しむことができました
内容はというと、あるアイドルのオタクさん5人が繰り広げる密室劇。
5人の中の1人が自殺だとされていたそのアイドルの死を、「自殺じゃない、殺されたんだ」と言い出したことから、盛り上がるはずだったオフ会の事態は急変します。
果たして彼らのアイドル、如月ミキちゃんの死の真相は如何に?

ひとつの部屋で5人の男が会話しているだけ。
それだけなんだけど、これが面白いんですよ〜
ミキちゃんの死の真相を巡って次々と明らかになっていく
彼女とオタク達の意外な繋がり。
いろんなところに伏線があって、それがだんだんと綺麗に繋がっていきます。
飽きずに観ていられるのはやっぱり脚本がいいからなんですよね〜。


「ほんとにこんなオタクさんいそう!」って思わせる台詞回しなんかも良かったです。
5人のキャストの中で特に印象深かったのは、香川照之。
香川さん、あなたほんとに面白いよw
『ゆれる』のときは見事なシリアスな演技を見せてくれましたが、
今回の彼には笑わされました。
ん〜、やっぱりすごい役者さんだなぁ。
あと、ユースケ・サンタマリアのHNがオダ・ユージってのも面白いです。
彼は『踊る大捜査線』の実際のキャストですもんね〜。
あのセリフ言ってくれるかなぁ、って期待しながら観ていました

ただ、少し残念なのはラストのあれ。
あれはちょっと余計だったんじゃないかなぁ。
あのまま終わっても良かったのに
あと、エンドロールでのミキちゃんの顔出しも少し気になりました。
「今まで見せないようにしてきたのにいいの?」って思っちゃった。
でも、5人が本当に楽しそうに踊っているのがかわいかったからまぁいいか(笑)


評価:★★★★☆

恋愛適齢期 / SOMETHING’S GOTTA GIVE 

July 13 [Fri], 2007, 18:00
2003 / アメリカ
監督:ナンシー・マイヤーズ
CAST:ジャック・ニコルソン / ダイアン・キートン / キアヌ・リーヴス / フランシス・マクドーマンド / アマンダ・ピート / ジョン・ファヴロー / デヴィッド・クライン


ハリー(ジャック・ニコルソン)は若い女性大好きの実業家。ガールフレンド(アマンダ・ピート)の別荘に招待された彼は、そこで彼女の母親(ダイアン・キートン)と叔母(フランシス・マクドーマンド)と鉢合わせしてしまう。 (シネマトゥデイ より)



『ホリデイ』のナンシー・マイヤーズ監督の作品。
ラブコメは大好きなんですが、何故かこれは観ていませんでした。
『ホリデイ』を観てから、ずっと観ようとは思っていたのですが(こう思っている作品は
他にもいっぱいあります)ようやく観ることができました。
感想はと言うと、なんで今まで観てなかったんだ〜っと思うぐら良い作品。
あったかい気持ちになれましたよ
やっぱり恋愛には年齢は関係ないんですよね。


ダイアン・キートンとジャック・ニコルソン、大物の共演ですね。
2人とも演技が上手なので安心して観れました。

ダイアン・キートン演じるエリカは54歳、バツイチの人気劇作家。
恋愛なんて諦めかけていた彼女が、ひょんなことから恋に落ちます。
少女のように恋愛に一喜一憂する彼女がとってもかわいいんです
恋をすると女は変わるってやつですね〜。
50代になったとき、私もこんなチャーミングな女性になれていたらいいなぁ。

彼女に負けず劣らず、ジャック・ニコルソン演じるハリーも可愛らしい。
ハリーは63歳の独身プレイボーイ。
彼が付き合うのは30歳以下の若くて綺麗な女性ばかり。
ん〜、こんなおじさまなら若い子と付き合えるのも納得。
だってユーモアがあっておちゃめで、かわいいんだもん(笑)

2人を観ていると、まるで自分も恋をしているようで、ワクワク、ドキドキできました。
『ホリデイ』のときもそうでしたが、こういう感情を嘘っぽくなく、
自然と思わせてくれるのが上手いんですよね〜、この監督さん。
女性監督ならではって感じがするなぁ。

お決まりな展開なんだけど、しっかり笑わせてくれたし、泣かせてくれました。
脚本の良さと主演の2人の演技のおかげだね。
とっても素敵な作品でした


評価:★★★★★

蛇イチゴ 

July 08 [Sun], 2007, 10:38
2002 / 日本
監督:西川美和
CAST:宮迫博之 / つみきみほ / 平泉成 / 大谷直子 / 手塚とおる / 絵沢萠子 / 寺島進 / 蛍原徹 / 笑福亭松之助


しっかり者の娘、働き者の父、痴呆の祖父を介護する母と、ごく平凡で幸せそうな明智一家。そんな彼らの元にある日突然、勘当されていた放蕩息子・周治(宮迫博之)が舞い戻ってきた。時を同じくして、一家の抱える秘密が次々に噴出し始める。 (シネマトゥデイ より)



『ゆれる』の西川美和監督のデビュー作品。
ん〜、彼女はやっぱりすごいね。
製作当時28歳、初監督・初脚本作品がこの出来とは、驚きです。
なんて人間の内面を描くのが巧いんだと思わず唸らされてしまいました。
この監督が作品内に作り出す独特の雰囲気、かなり好みです。

一見平穏に見える家庭がガタガタと崩れていく・・・
よくありそうなテーマだけど、ありふれた作品に仕上がってはいない。
あぁ、こういうことって本当にありそうだ、なんて思って観ているうちに、
この作品の世界に完全に引き込まれていました。
義父の介護に疲れた母、“立派な大黒柱”の父、痴呆症の祖父、
気ままな息子、生真面目な娘。
登場人物の細かい言動が、こわいほどの“リアル”で溢れてるんですよね〜。

ハリウッド映画のような派手さなんて全然無いんだけど、
これだけ自然と引き込まれる作品ってそうそうないなぁ。
やっぱり『ゆれる』の監督の作品だ、って納得です。
『ゆれる』は終始シリアスですが、こちらは笑いとシリアスのバランスが絶妙。
ユーモアを交えつつ、ハッとさせられるような飽きがこない展開で楽しませてくれました。

主演の「雨上がり決死隊」の宮迫博之が意外にもいい演技をしています。
とても役にはまっていますね。
彼だけでなく、キャストが全員いい味を出していて、
まるで実在する家族を傍から見ているようでした。
ラストは唐突でしたが、この作品にはこの終わり方が妙にしっくりきているなぁ、
と思ったりして。

タイトルの「蛇イチゴ」、見かけは可愛らしいけど実は不味いと言われてるあれですね。
“蛇”と、“イチゴ” 相反するこの組み合わせ、
「蛇イチゴ」そのものとしてもあるシーンで登場しますが、
このタイトルはいろんな意味を含んでるんじゃないかな。
例えばそれは、“嘘”と“真実”だったり、“見栄”と“本音”だったり、“兄”と“妹”だったり・・・。


西川美和監督、今後に非常に期待できる監督さんです




評価:★★★★★

300 <スリーハンドレッド> / 300 

July 04 [Wed], 2007, 13:03
2007 / アメリカ
監督:ザック・スナイダー
CAST:ジェラルド・バトラー / レナ・ヘディー / デイビッド・ウェナム / ドミニク・ウェスト / ビンセント・リーガン / マイケル・ファスベンダー / トム・ウィズダム / ロドリゴ・サントロ

紀元前480年、スパルタ王レオニダス(ジェラルド・バトラー)は、ペルシアの大王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ)から服従の証を立てるよう迫られる。そこで、レオニダス王が取った選択肢は一つ。ペルシアからの使者を葬り去り、わずか300人の精鋭たちとともにパルシアの大群に立ち向かうことだった。 (シネマトゥデイ より)


"This is Sparta!!!"
いやぁ、本当に迫力がありました。
筋骨隆々、かなりマッチョな男の人たちがいっぱいです(笑)

300人の鍛え抜かれたスパルタの兵士が、ペルシア帝国100万の大群に
戦いを挑んだ、テルモピュライの戦い。
300対100万って・・・。
1人あたり何人よ?なんて悠長に考えてる暇なんか無い壮絶な戦いです。
「スパルタ人は決して後退しない、降伏しない」
幼い頃からそう教え込まれ、過酷な試練を乗り越えてきたスパルタ人は、
100万人の大群を目前にしても怯んだりはしません。


全ての映像に画像処理が施されていてCGが多用されているそうですが、
いかにもCGっぽいというような不自然さはなく、まさに映像美と呼べるものでした。
戦闘シーンでは、血が飛び散ったり、腕や首などポンポンと飛んでいったりしてましたが、作品全体を通して抑えられた色調のため、グロテスクには感じませんでした。

スパルタの王、レオニダスを演じたのはジェラルド・バトラー。
『オペラ座の怪人』のときとは打って変わって、スパルタの王らしい
勇ましく逞しい姿を見せてくれます。
しっかしパンツ姿のマッチョさんはやはりインパクトがありますね〜。
腹筋なんて割れまくってます。


男くさい戦闘が繰り広げられる中、知的で凛としたスパルタの王妃が印象的でした。
スパルタ人は女性もいろんな意味で強いんですね。

評価:★★★★☆

ゆれる 

June 16 [Sat], 2007, 14:22
2006 / 日本
監督:西川美和
CAST:オダギリジョー / 香川照之 / 伊武雅刀 / 新井浩文 / 真木よう子 / 木村祐一 / 天光眞弓 / キタキマユ

東京でカメラマンとして成功している猛(オダギリジョー)は母の一周忌で帰省する。彼は実家のガソリンスタンドを継いだ独身の兄の稔(香川照之)や、そこで働く幼なじみの智恵子(真木よう子)と再会し、3人で近くの渓谷に行くことにする。猛が単独行動している間に、稔と渓谷にかかる吊り橋の上にいた智恵子が転落する。 (シネマトゥデイ より)


いやぁ、すごいのを観たなぁ。
ぐいぐいと引き込まれる不思議な雰囲気を持った作品です。
映画を観ているというよりは、作品の中に自分が入りこんでるような感じ。
私が今まで観てきた邦画の中でも確実に上位に入るなぁ、これは。

対照的な兄・稔と弟・猛。
幼馴染の智恵子が吊り橋から転落死したことを巡って、ゆれる2人の心情。
兄弟であるがゆえの、複雑な気持ち。
猛には、兄を尊敬する気持ちがある反面、
あんな風にはなりたくないという気持ちもあっただろう。
稔には、弟をかわいがる気持ちがある反面、
自由奔放な彼に嫉妬する気持ちもあっただろう。
そんな今まで2人の間で語られなかった心情が、智恵子の死を通して、ゆれ始める。
2人の心がゆれる、まるであの吊り橋のように。


心理描写が巧みで、リアリティに溢れている作品です。
他のどの作品とも異なる“味”があるとでも言いましょうか。
香川照之と、オダギリジョー、この2人の演技は本当に凄い。
全然似てないのに、この作品の中では確実に兄弟になってます。
彼らの絶妙な演技がこの作品の内容にさらに深みを与えていると思いました。
特に印象的だったのは、拘置所での面会のシーン。
張り詰めた雰囲気の中、弟に本音をぶつける兄。
非常に緊迫感のあるシーンでした。

また違った意味で印象的だったのが、智恵子の変化です。
この作品の監督が女性であるためか、彼女の言動がとってもリアル。
猛と再会するまでは、田舎の生活にうんざりしながらも半ば諦めていて、
優しくて、ある程度の地位のある稔ならまぁいいか、なんて思ってる。
でも猛と再会した途端、東京に一緒に連れて行ってくれることをちゃっかり
期待しちゃって、地味な稔なんてもう目に入らない。
吊り橋で智恵子が稔に言ったあの一言に、彼女の思いが
凝縮されていたように思いました。
智恵子を演じた真木よう子さんの自然な演技が良かったです。

この作品をまだ鑑賞されていない方は、一度観てみてはいかがでしょうか。
私は余韻のあるラストに唸らされました。


評価:★★★★★

パッチギ! 

May 22 [Tue], 2007, 23:38
2004 / 日本
監督:井筒和幸
CAST:塩谷瞬 / 高岡蒼佑 / 沢尻エリカ / 楊原京子 / 尾上寛之 / 真木よう子 / 小出恵介 / 波岡一喜 / オダギリジョー / 光石研

1968年、京都。高校2年生の康介(塩谷瞬)は、担任からの指示で親友の紀男(小出恵介)と敵対する朝鮮高校に親善サッカーの試合を申し込みに行く。そこで康介は音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)に一目惚れするが……。 (シネマトゥデイ より)




タイトルの“パッチギ”とは「突き破る、乗り越える」という意味のハングル語で、
「頭突き」の意味もあるんだそうです。
そういえば頭突きが何回も出てきてたなぁ〜。
頭突きって、された方はもちろんだけど、する方も痛いんじゃないかな

笑わせてくれるシーンも多いけど、考えさせられることも多くある作品でした。
在日朝鮮人と日本人・・・いったいどんな違いがあるっていうんでしょうか。
確かに簡単には済ませられない歴史的な問題などはありますが、同じ人間なんだし、
越えられない壁なんてないと思います。
そしてやはりそれを越えていくのは若者からでないと。
この作品はちゃんとメッセージ性がある上に、説教臭くなりすぎていないのが
いいですね。

ただ、暴力シーンが無駄に多い気がしたのが残念。
あそこまでボコボコとやる必要はあったんでしょうか。
男性なら平気かもしれませんが、私は気になってしまいました。

康介とキョンジャの恋は良かったです
純粋で、とてもまっすぐで。
素直な気持ちには、日本人がどうだとか、朝鮮人がどうだとかいうことは
関係ないんですよね。
もちろん、彼らの恋に障害がないわけではありません。
キョンジャの「朝鮮人になれる?」という問いには、ハッとさせられました。
2人で幸せになろうとすれば、彼らは少なからず苦労することになるでしょう。
それでも、ラストの2人の爽やかな笑顔が、国境なんか、差別なんか
気持ち次第で越えられるんだと感じさせてくれたのでした。


評価:★★★☆☆

クィーン / THE QUEEN 

May 20 [Sun], 2007, 19:58
2006 / イギリス / フランス / イタリア
監督:スティーヴン・フリアーズ
CAST:ヘレン・ミレン / マイケル・シーン / ジェームズ・クロムウェル / アレックス・ジェニングス / ヘレン・マックロリー / ロジャー・アラム / ティム・マクマラン

1997年8月31日、“英国の薔薇”ともうたわれた英国王室のダイアナ元皇太子妃が、パリで交通事故に遭い逝去してしまう衝撃的なニュースが全世界に流れる。ダイアナ元妃の訃報を悼み、その日から全世界は悲しみに包まれる。しかし、なかなか公式声明文を発表しない英国王室のエリザベス女王(ヘレン・ミレン)の対応へ批判が集中する。 (シネマトゥディ より)

ダイアナ元皇太子妃の死後1週間の英国王室を描いた作品です。
1997年、ダイアナの交通事故が起こった当時、私はまだ7歳。
もちろんこの事件のことは覚えてはいるんですが、幼い私には
「なんかすごいことが起こったらしい」ぐらいの印象しかありませんでした
この作品を観て、ダイアナの存在が国民にとって本当に大きなものであったと
改めて分かりました。


さて、この作品の核である“クィーン”は、現役イギリス女王・エリザベス2世。
彼女の在位は1952年2月6日のことだそうで、もう55年も女王である人物です。
この作品では、ダイアナの死、その後の国民の女王に対する非難などについて、
女王の心情はほとんど描かれていません。
まぁこの作品の製作者が当時の女王の心情を知っているはずはないので
当たり前といえばそうですが、心情を描写していないことで、
彼女が“女王”として本音を語ることはないという現実、
そして彼女自身の孤独が感じられました。

エリザベス女王は、長い年月の中で国民の信頼や尊敬を得ていたはずです。
しかしこの事件が起こり、国民の非難を目の当たりにすることになります。
彼女は女王ですから、王室の伝統やしきたりを守らなくてはなりません。
毅然とした、冷静な、“女王”でなくてはならならないのです。
けれど、国民は自分たちの期待通りに動いてくれない彼女を責めます。
国や国民のために一生を捧げる“女王”という存在である彼女にとって、
国民からのあれほどのブーイングは相当辛いものだったでしょうね。

どこまでが本当のことかは分かりませんが、事実を基にした作品であるので
淡々とした印象を受けました。
ですが、ブレア首相が女王を庇う発言をする場面では
意外にも涙がこみあげてきました。
この作品で泣きそうになるとは思っていなかったので、自分でもびっくり。
“女王”として、そして1人の人間として(あまり表には出さないけども)
思い悩む女王の姿に、自然と感情移入していたようです。


エリザベス女王を演じるのはヘレン・ミレン。
彼女はこの役で本年度のアカデミー賞主演女優賞を獲得しましたよね。
まるで本当の女王のような気品と威厳に溢れた演技には思わず見入ってしまいました。
きっと役作りに相当努力したんでしょう。
オスカーを獲るのも納得できる、流石の演技でした。

評価:★★★☆☆

バベル / BABEL 

May 06 [Sun], 2007, 23:56
2006 / アメリカ
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
CAST:ブラッド・ピット / ケイト・ブランシェット / ガエル・ガルシア・ベルナル / 役所広司 / 菊地凛子 / アドリアナ・バラッザ

モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)が、突然何者かによって銃撃を受け、妻が負傷するという事件が起こる。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコ(菊地凛子)は、満たされない日々にいら立ちを感じながら、孤独な日々を過ごしていた……。 (シネマトゥデイ より)


モロッコ、メキシコ、日本・・・。
国や人種、言語は違えど、それぞれの舞台で繰り広げられるエピソードは
一発の銃弾を通して繋がっています。

作品のタイトルとなっている“バベル”とは、旧約聖書の創世記に出てくる街の名前。
遥か昔、人間の言葉は一つだけだった。
人間達は神に近づこうとして、天まで届く塔を建てようとした。
これに怒った神は、人間の言葉を乱し、人々に違う言葉を話させるようにした。
このために混乱が起こり、世界はバラバラになった・・・。
このお話に出てくる塔が、“バベルの塔”と言われるものです。


人種や言語、障害などの隔たりによる、心が伝わらないもどかしさ、いらだち、哀しさ。
この作品ではそういうものが描かれています。
セリフは少なめで、どちらかというと雰囲気で見せるような感じ。
残念なのは、伝えたいであろうことがはっきりとは伝わってこないこと。
「結局何?」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。
問題提起はされるものの、その問題の解決をどうこうしようとしているわけでは
ないような印象を受けました。
鑑賞後に多少の後味の悪さと戸惑いを感じてしまうのはそのためですかね。
しかしながら考えさせられることはあるわけで、いろんな意味で印象に残る作品です。

さて、『バベル』といえば菊地凛子さんがアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた
ことでも話題になりましたよね。
いやぁ、彼女の演技は凄かったです。
彼女の存在はこの作品の中で一際異彩を放っているように思いました。
予想以上に体をはった演技、もちろんこれは凄かったです。
でもそれ以上に、「聾唖の少女・チエコ」自体の演技に凄いと感じました。
手話、かすかに発する声、言葉を伝えるために文字を書く姿・・・。
それらはまるで、彼女が普段から音の無い世界で生活をしているかのようにさえ
感じられるものでした。


日本のエピソードで印象的だったのは、大音響のクラブで音が消えたり
戻ったりするシーン。
耳の聞こえない人の世界を垣間見たようでハッとさせられ、
当たり前のように思っていた“音”の存在を意識しました。
全体的に見るとチエコの行動は少し極端な気もしますが、
孤独が彼女の目からひしひしと伝わってくるんですよね。
そのため裸のシーンもいやらしさを感じませんでした。

この作品、賛否両論のようですね〜。
まぁ一般受けしそうにはないと思いますけど、私は嫌いじゃないなぁ。

評価:★★★☆☆

ホリデイ / THE HOLIDAY 

April 30 [Mon], 2007, 12:24
2006 / アメリカ
監督:ナンシー・メイヤーズ
CAST:キャメロン・ディアス / ケイト・ウィンスレット / ジュード・ロウ / ジャック・ブラック / イーライ・ウォラック / エドワード・バーンズ / ルーファス・シーウェル / ミフィ・イングルフィールド

ハリウッドの映画予告編製作会社の社長アマンダ(キャメロン・ディアス)と、ロンドン郊外に住む新聞記者のアイリス(ケイト・ウィンスレット)。クリスマス直前になってそれぞれ恋に破れた2人は、ネットを介して“ホーム・エクスチェンジ”をすることに。アマンダはロンドンに、アイリスはビバリーヒルズに旅立つが……。 (シネマトゥデイ より)

“ホーム・エクスチェンジ”という言葉、この作品を観て初めて知りました。
一定期間、家や車などをまるごと他人と交換してしまうこと、
それがホーム・エクスチェンジ。
何とも外人さんらしい大胆な発想ですよね〜

アイリスが初めてアマンダの家に行ったとき、あまりの豪華さに興奮するシーンが
ありますが、あんな家だったら私は1日中はしゃいでると思います(笑)
プールまである豪邸ってやっぱり憧れちゃいますよ〜
一方、アイリスの家は、温かみがあって落ち着いた雰囲気がおしゃれ。
あんな家もいいなぁ〜。
イギリスの田舎は日本の田舎とは比べ物になりませんね(笑)


内容はというと、恋に破れた2人の女性の“ホリデイ”のお話。
新しい環境での、新しい出会い。
そして新しい自分に気づく2人。

やっぱり失恋には心機一転が必要なんですね〜。
アイリスもアマンダも彼氏がどうしようもない男で・・・。
やっぱり浮気するような人はダメです

アイリスはロンドンの新聞記者。
彼女が3年間想い続けてきた男は、別の女性と婚約してもアイリスとの交際を
続けようとする呆れたやつ。
“都合のいい女”だと分かっていながらも、なかなか彼との関係を断ち切れない。
彼女の気持ちはわからないでもないけど、そんなんじゃ自分が幸せになれない
わけです。
むなしい気分を切り替えようと、彼女はアマンダとホーム・エクスチェンジをすることに。
おじいちゃんやマイルズとの出会いで彼女は変わっていきます。
ふっきれた時の彼女の姿、素敵でした

アマンダはやり手の女社長。
仕事は順調。でも、恋愛の方は上手くいかない。
浮気したり、女性に「あれが下手」だとか言う男とは別れて正解です
アイリスとのホーム・エクスチェンジで、彼女はロンドン郊外の家へ。
そこで出会ったのはアイリスの兄・グラハム。
彼との出会いによって、泣けない女・アマンダにも変化が・・・。
いやぁ、こちらの出会いも素敵。
ちょっと都合のいい展開な気もするけど、そんなことは気にしません(笑)


だんだんと生き生きとしてくる彼女たちが微笑ましかったです。
やっぱり映画っていいなぁ〜、と思える素敵な作品でした
キャストも豪華で、ひとりひとりが本当にいい味出してました

評価:★★★★★
P R
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  • ニックネーム:ぴぃち
  • 性別:女性
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春から大学生のぴぃちです
映画の感想を中心に書いています。
難しいことは書けないので、自分なりに、感じたままを書きます。
コメント、TB大歓迎です
お気軽にどうぞ〜
当ブログはリンクフリーです。

【映画の評価について】
 ★5つ 素晴らしい
 ★4つ 観て良かった
 ★3つ まぁまぁ
 ★2つ ちょっとなぁ・・・
 ★1つ ・・・。

あくまでも個人的な評価です。
映画をどう感じるかは人それぞれだと思うので、ご参考程度にどうぞ。
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