桃リョ新婚日記その6−妊娠編 

November 22 [Tue], 2005, 14:15
 「そこの君、ちょっといいかな・・・・・?」
いかにも下心見え見えの男が、自分が見ている大通りに面するショーウィンドウに写った。
「ねえ・・・・」
「っもう、いい加減にしてもらえますか!」
 さっきから何分も誘われ続け、さして気にする必要もないのだが、このまま言われ続けると嫌な方向に向かっていきそうなので。リョーマは振り返る。
 「な・・・えぇ?・・・・す、すいませんでしたぁ!!」
 先ほどとは裏腹に急に気弱になった男が、一目散に目の前から姿を消した。降り注ぐ周囲の視線が、何故か自分を痛々しく見ているようで、気に入らない。
 (ったく何なんだよ。俺、何かした?それとも・・・・)
ふと、足が止まる。
 家の近くにある大きな広場は、さすがに昼頃ともなれば親子もまばらだった。
 あの母親の輪の中に、いつかは自分も入るときが来るのだろうか?仲良く、やっていけるといいが。
 リョーマは、眩しくもないくせに眼を細め、そんな風に思っていた。
 しかし手に持っているスーパーの袋を見て、早く帰って袋のものを冷蔵庫に入れなくてはと、もう一度、歩き始めた。
 今、自分の中には心が二つある。

桃リョ新婚日記その5 

November 04 [Fri], 2005, 18:25
 結婚して約10ヶ月。大抵の夫婦はこの頃から、子供に関して相談をし始めるだろう。親にしても、まだ孫はできないのか、死ぬ前に孫の顔を見せろなどと催促をしてくる。
 「なあ越前・・・・?」
 ここにも、子供を催促する奴がいたのだった。お茶を啜るリョーマを抱きすくめるようにし、桃城は言った。
「鬱陶しい!」
空いている右手で夫を払いのけると、湯飲み茶碗をダイニングテーブルに置き、後ろに向き直る。言いたいことは分かっていた。
 「何度言ったら桃先輩は解るの?知ってるでしょ、俺は小さい子が嫌いなの」
「そうかあ?でも実際な、自分の子は可愛いんだぜ」
「そんなに催促するとね・・・・・もっと嫌!」
キッパリと言い放すと、リョーマはプイと横を向いてしまった。桃城はまだリョーマに縋り付いているかと思ったが、意外にもあっさり身を退いたのだ。
(・・・・・・あれ?)
彼が消えた寝室の方を見遣ると、小作りな顔の妻は、また可愛らしく顔を傾けた。
 この日の夜、何をされるなどとは知る由もないだろうに。

桃リョ新婚日記その4 

October 19 [Wed], 2005, 19:33
 そろそろ毛布が欲しいのではないかと、そう思うほど此処の所冷え込んできた。それでも日中になればマシになるだろう。今日は快晴とまではいかないが晴れている。堪っている洗濯もあらかた片付く筈だ。
 「・・・・・頭痛い・・・」
ソファにうずくまるようにして座っているリョーマが、頭を抑えながら呻いた。
「お前が酒なんか飲んだからに決まってるだろ」
「だって・・・」
少しばかり膨らましている頬を、長い指が突付けば簡単にしぼんでしまう。
「それにしても、何で飲んだんだ?酒は弱い・・・・」
「知らないっスよ。自分が焼酎のビンを手にしたことまでは憶えてるんです。でもそこからの記憶がなくて」
「・・・記憶が無い・・・?」
コクリと、リョーマは頷いた。もちろん桃城がリョーマが云う事を疑うわけは無い。ただ、どうしても信じがたいのだ。
 「うん。なんでだろ」
小作りな顔を、チョコンと傾ける。その仕草が、なんとも可愛らしかった。
 「ま、あまり気にする事もないだろうな」
桃城はなんとか理性を保たせたのだった。

桃リョ新婚日記その3 

October 18 [Tue], 2005, 21:08
 目の前に、倒れている何かがある。
 ・・・・・いや、人か。
 
 俺は会社から帰って、玄関の電気をつけたのだが・・・・。
「―――越前?」
いつもならドアを開ける音に気付いて、おかえりといってくれるアイツに声がないことに気付いた。
 季節は冬に近づき、夜はとくに冷え込むというのに。越前はフローリングに突っ伏して寝てやがる。てか何で寝てるんだよ。
「おーい。本当に寝てんのか?」
越前の頬をつんつんと突付く。

 しょうがねえな。
 俺は越前を抱き上げ、落ちないようにすると何かが鼻についた。
 酒、か?
 ちらりと台所に目をやると、やはりコップにほんの申し訳ない程度に入っている酒がある。どんだけ飲んだんだ、こいつは・・・。越前弱い筈なのになあ。
 誰だよ、こいつに飲ませた奴。

 「起きたら頭痛くなってもしらねえぞ?なあ越前」
苦笑し、ふざけ半分にでこにキスをしてやると、越前は少しだけ身じろいだ。
 ・・・・・・可愛い奴・・・。

 きっと俺の出迎えが出来なくて、奥さん失格とか言って泣きそうだな。
 
 
 なあ越前、一体俺はどれだけお前に愛されてるんだろう・・・・?

桃リョ新婚日記その2 

October 14 [Fri], 2005, 20:44
 「大石先輩の初めて付き合った人が、菊丸先輩。しかも、そのまま結婚・・・」
リョーマが呻くように呟いた。
「・・・・・・・何が言いたいんだ」
「別に」
 桃城の膝の上に座りながら、そのままの体勢で生返事を返す。
 桃城の女癖は、昔からそうだった。女癖とはいっても、女のほうから声をかけてくるから、実際のところは、彼には何の問題もないのだが。気付けば、いつも告白をされている。そんな男だ。
 それが気に喰わない。
 「俺は、こーんなにお前を愛してるのになあ」
「どこがだか・・・・」
「あ?お前ファンタ冷蔵庫に入ってるの全部、俺が飲んじまうぜ?」
冗談半分で、桃城が言ってやった。
「飲みたいなら飲んでいいよ。そんなんで俺を釣ろうなんて甘いけどね」
桃城は、ぱちくりと目をしばたかせる。まさかこんな言葉が出てくるなんて。
「もう子供じゃないんだな、越前も。大人になったよ」
「どういう意味ですか、それ。失礼っス!」
「ま、いいじゃないか。気にすんな。どちらにしても俺はお前を愛してるよ」
「・・・なんか、うまく言い包められた気がした」
 リョーマは、赤くなった顔を見られないよう、桃城の胸に顔を埋めたのだった。

桃リョ新婚日記その1 

October 11 [Tue], 2005, 20:33
「おーい、起きろよ、越前」
寝室の扉を開け、そこに凭れ掛かるようにしながら、彼は愛妻の名を呼んだ。
「・・・・・・」
どうやら、起きる気配は内容である。
 今日は気持ちのいいくらいの快晴で、此処の所ずっと雨続きだったおかげで溜まりに溜まった洗濯物を2人で干そうと思っていたのに。
 リョーマは気持ちのいいくらい、布団に包まりながら寝ていた。
(まあ、こいつの寝起きは直そうというほうが難しいとみた)
桃城は深く、けれどもどこか『仕方が無い』という雰囲気も含んだ溜息を、口からもらした。
「・・・ん・・・・」
「お、起きたか?」
ベッドにそっと近寄る。
「・・・・せ、んぱい・・・」
 子供が親を求めるような、あえて言うなら、そんな声だ。
 額にかかっている髪を、優しく掻き揚げてやると、昨夜はさほど暑くはなかったはずなのにリョーマは汗を掻いていた。
 きっと、怖い夢でも見たのだろう。
 桃城はクスリと笑うと、返事の代わりに、額にキスをひとつ、落としてやった。

このブログについて 

October 10 [Mon], 2005, 10:41
このブログは、ブログのようで、そうではないものです。

だって、管理人の趣味の逃げ場のようなものでから。
たんにHP小説部屋に新しい部屋を作るのがメンドクサイだけなのですが・・・。
女体化、というか新婚さんやらを書くためにあるブログですな。

管理人は桃城とリョーマと涼太くんたちがかきたい、その一身で作った可笑しなブログ。

どうか見捨てずに見てください。
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