金器卸とは

January 09 [Wed], 2013, 0:20
エトワルの近くにあった私の下宿は一時、安倍能成氏や速水滉先生の下宿になったこともある。京城大学に法文学部が出来た頃で、そこの教授に任ぜられた人々が洋行した時代であったのである。私の下宿にいられた間、安倍さんはしきりにオイケンの『大思想家の人生観』の改訳をやっていられたことを思い出す。船の中で片付けるつもりであったのが出来なかったから、ということであった。
 初めは長く滞在するつもりでなかったので、私は今度は大学に席を置かなかった。パリ見物の傍ら、私は小学校の女の先生を頼んでフランス語の日用会話の勉強を続けた。耳の練習に少し自信ができたので、これも見物の一つのつもりでソルボンヌの公開講義に出掛けて、哲学者のブランシュヴィク教授を数回聴いたことがある。私がテーヌをしきりに読んだのはその頃のことである。「ほう、テーヌを読んでいるのか」と教えに来た女の先生に驚かれたものだ。どうして特にテーヌを読んだかというと、京都時代に主として勉強した歴史哲学の影響である。ハイデルベルクにいた時にも羽仁に会うとよくテーヌの話が出たように思う。またアナトール・フランスの小説が面白くてその頃しきりに読んだことは、すでに書いたとおりである。ジードにしても、アナトール・フランスにしても、フランスの作家の中で外国人好きのする作家であるといえないであろうか。
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