乙女男子のマンガよみあわせ(3)
October 31 [Sat], 2009, 22:36
乙女男子のマンガよみあわせの第三回は、今日マチ子先生です。
『今日マチ子のセンネン画報』で注目された彼女は、モーニング公式サイトで『みかこさん』、『読んどこ』で『100番めの羊』を更新している。ネット媒体での連載⇒書籍化という特異で新しい立ち位置のマンガ家さんといえるだろう。
彼女の作風が新鮮なのは、気持ちの切り取り方や、日常の中の断片のすくい方。
『みかこさん』では、主人公の女子高生であるみかこが、友達のナオの話をずっと聞くというエピソードがある。砂時計とともに、落ちてくる、言葉。
お茶はどんどん苦くなるけど 話の続きをどうぞ
『100番めの羊』の主人公なおみは、修道院に拾われたという女子高生。
雪の中、彼女は学校へ急ぎながら、思う。
この季節になると シスターたちは わたしとはじめて会ったときの話をする
わたしは わたしを 放った人を考えてみる
何気ない、情景と、何気ない日常の中の、ざらりとしたもの。
『みかこさん』のオビには「残りわずかな高校生活は、噛むとがりっと音がする」とある。『100番めの羊』には、「ひたむきで、不条理で、ドキドキする毎日……」とある。
みかこにしても、なおみにしても、出自もあって「孤独」というものと向き合うように「設定」されている。しかし、だからこそ、ひととの「つながり」に敏感だ。それを、繊細なタッチで、20コマほどで描いている。決して重くなく、そこに「ある」ものとして、感情の揺らぎを。
Parsleyは、その情景と登場人物の「カット」に、いつの間にか共感するようになっていた。いつまでも残しておきたい、写真のような。今日マチ子先生が描くコマの魅力は、つまるところ、連続している時間からどの気持ちの動きを「保存」するかという選択の的確さにあるのだと思う。

今日10月31日、有隣堂アトレ恵比寿店でのサイン会でみかこさんを描いて頂きました。だいじにします。
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